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ラカトリア学園 高等部
32 推しキャラって何? 2
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今日から、座学が始まる。内容は歴史とダンジョン関連ばかりになる。特待生ともなれば、言わばエリート中のエリートだ。
ダンジョンの精鋭とも呼べる生徒なんだが……正直言って疑問も残る。
分厚い教科書をパラパラとめくる。俺にとっては成績なんてどうでもよく、この時間は暇でしか無い。
実技訓練もあるのだが、そっちも同じようなものだ……実際にダンジョンで過ごしていたほうが、ここでぼんやりとしているよりよっぽど有益な時間になる。
貴族にとって優先すべき問題はダンジョンとの対決だ。例え女だろうと、屋敷でのんびり構えているだけではない。姉上も母上も当然それなりの強さを有している。
ダンジョンにより魔物の暴走に抵抗するには、貴族と冒険者達の力が必要になる。
これは、セドラの授業で何度も聞いた話であり、父上からもその話を教えられた。
シナリオの終盤に、魔物の暴走が発生する。その対策のために学園に保管されている禁書を発見してしまう。
魔物の暴走が発生した場所こそが最終ダンジョンであり、ラスボスが封印されていたところになる。
ゲームの設定上では、これまでの歴史でも登場しているはずなのに、やはり教科書では書かれていない。
ここで一つの疑問が浮かんでくる。
それは、現時点で唯一その場所を知っている俺が、発生する前に暴走を食い止めた場合はどうなるのだろうか?
あのイベントは、マップの追加だけで今から行こうと思えばいけるのかもしれない。
「ふぁっ。すみません」
物思いに耽って、授業を眺めていると本当につまらない。だから、つい欠伸が出てしまった。
やれやれ、これでまた不良王子に絡まれそうだ。標的にされたようだな。
あそこにいるのはレフリアとハルト……それにミーアか。
ミーアと並んで座っている男女。レフリアはミーアと幼い頃からの知り合いで、プレイ時では初級ダンジョンから強制的にパーティーに参加させられることになる。
レフリアは万能型で序盤はいいが、中盤以降かなり辛くなっていく。
仲間からようやく外せるようになって喜んだっけ。
一方ハルトの魔法は自己能力上昇のみだが、アタッカーとしてどのキャラよりも強い。
魔法耐性もそこそこで、欠点はMPが圧倒的に少ない。
強化魔法は持続型で、ターン毎に消費していくため常時強いというわけでもない。
あの不良王子。何でああなのかは別として、王子特性でもあるのかそれなりに強い。
レフリアと比べて、回復魔法はなくなるが防御面がとんでもなく優秀だった。
後半にもなれば、元のHPの高さもあるし、王子専用装備で更に耐えられるようになる。
ミーアを庇わせておけば、終盤では攻撃面で悪くはなるものの安定した回復が可能になってくる。
俺が使っていたメンバーは、ミーアとアレス。ハルトに王子だった。
とはいえ、現実世界となった今、四人が最大パーティーということもないと思う。
そんな事を気にするだけ無駄でしか無い。俺のような奴とパーティーを組みたいという馬鹿もそうそう居ないだろう。
このクラスからは、あのアホ王子に目を付けられてもいる事で、単機になれる分さっきのはある意味得だったのかもしれない。
「今日はここまでだ。午後からは実技だからな」
「「「ありがとうございました」」」
昼休み……まあ、食って寝るだけなんだが。一人こっちに近寄ってくるのが安定の不良王子。
今度は一体何の用なんだ?
「お前、授業の妨害しただろ」
予想通りに来るなよ……本当に授業のことを気にしていたのなら、感心するのだが。
こいつは間違いなく、ただ俺に対して難癖をつける事しか考えていない。
さっきの行動で、大半の生徒は危惧している。
周囲に取り囲む生徒たちをかき分け、別のクラスの生徒がやってきた。
「殿下。そのような輩を相手している時間はありませんよ?」
「ああ、お前か……そうだったな」
「皆も殿下が来られるのを、首を長くして待っております」
「豚。今回は見逃してやる」
変に下手に出ている辺り、こいつは碌なこと考えていなさそうだな。
それに昼休みに何をするつもりなんだ?
王子は手下に案内されるように教室から出ていった。
王子の次はミーアか……昼休みにやることなんて一つだよな。
「アレス様。ご一緒にお昼はいかがですか?」
「悪いが遠慮する。やることもあるから」
「はい、分かりました。それでは、夕食はいかがでしょうか?」
「は?」
女の子が誘ってくれるのは嬉しいけど……一体どうしたんだ?
ミーアは最初の頃だと、アレスとの会話は最初だとあまりできないでいた。しかしだ、断られたからと言って、次の約束まで話すという選択肢などあり得なかった。
それなのに、ミーアは夕食をも誘ってきたのだ。
回想の中で、俺達の出会いは婚約者として、親から決められた日になっているはずだった。
子供の頃の出会いが、ゲームの設定に影響を与えシナリオに変化が出ているということだろうか?
「調べたいことがあるから、勘弁してくれ」
「そうですか、申し訳ございません。また日を改めます」
ダンジョンの精鋭とも呼べる生徒なんだが……正直言って疑問も残る。
分厚い教科書をパラパラとめくる。俺にとっては成績なんてどうでもよく、この時間は暇でしか無い。
実技訓練もあるのだが、そっちも同じようなものだ……実際にダンジョンで過ごしていたほうが、ここでぼんやりとしているよりよっぽど有益な時間になる。
貴族にとって優先すべき問題はダンジョンとの対決だ。例え女だろうと、屋敷でのんびり構えているだけではない。姉上も母上も当然それなりの強さを有している。
ダンジョンにより魔物の暴走に抵抗するには、貴族と冒険者達の力が必要になる。
これは、セドラの授業で何度も聞いた話であり、父上からもその話を教えられた。
シナリオの終盤に、魔物の暴走が発生する。その対策のために学園に保管されている禁書を発見してしまう。
魔物の暴走が発生した場所こそが最終ダンジョンであり、ラスボスが封印されていたところになる。
ゲームの設定上では、これまでの歴史でも登場しているはずなのに、やはり教科書では書かれていない。
ここで一つの疑問が浮かんでくる。
それは、現時点で唯一その場所を知っている俺が、発生する前に暴走を食い止めた場合はどうなるのだろうか?
あのイベントは、マップの追加だけで今から行こうと思えばいけるのかもしれない。
「ふぁっ。すみません」
物思いに耽って、授業を眺めていると本当につまらない。だから、つい欠伸が出てしまった。
やれやれ、これでまた不良王子に絡まれそうだ。標的にされたようだな。
あそこにいるのはレフリアとハルト……それにミーアか。
ミーアと並んで座っている男女。レフリアはミーアと幼い頃からの知り合いで、プレイ時では初級ダンジョンから強制的にパーティーに参加させられることになる。
レフリアは万能型で序盤はいいが、中盤以降かなり辛くなっていく。
仲間からようやく外せるようになって喜んだっけ。
一方ハルトの魔法は自己能力上昇のみだが、アタッカーとしてどのキャラよりも強い。
魔法耐性もそこそこで、欠点はMPが圧倒的に少ない。
強化魔法は持続型で、ターン毎に消費していくため常時強いというわけでもない。
あの不良王子。何でああなのかは別として、王子特性でもあるのかそれなりに強い。
レフリアと比べて、回復魔法はなくなるが防御面がとんでもなく優秀だった。
後半にもなれば、元のHPの高さもあるし、王子専用装備で更に耐えられるようになる。
ミーアを庇わせておけば、終盤では攻撃面で悪くはなるものの安定した回復が可能になってくる。
俺が使っていたメンバーは、ミーアとアレス。ハルトに王子だった。
とはいえ、現実世界となった今、四人が最大パーティーということもないと思う。
そんな事を気にするだけ無駄でしか無い。俺のような奴とパーティーを組みたいという馬鹿もそうそう居ないだろう。
このクラスからは、あのアホ王子に目を付けられてもいる事で、単機になれる分さっきのはある意味得だったのかもしれない。
「今日はここまでだ。午後からは実技だからな」
「「「ありがとうございました」」」
昼休み……まあ、食って寝るだけなんだが。一人こっちに近寄ってくるのが安定の不良王子。
今度は一体何の用なんだ?
「お前、授業の妨害しただろ」
予想通りに来るなよ……本当に授業のことを気にしていたのなら、感心するのだが。
こいつは間違いなく、ただ俺に対して難癖をつける事しか考えていない。
さっきの行動で、大半の生徒は危惧している。
周囲に取り囲む生徒たちをかき分け、別のクラスの生徒がやってきた。
「殿下。そのような輩を相手している時間はありませんよ?」
「ああ、お前か……そうだったな」
「皆も殿下が来られるのを、首を長くして待っております」
「豚。今回は見逃してやる」
変に下手に出ている辺り、こいつは碌なこと考えていなさそうだな。
それに昼休みに何をするつもりなんだ?
王子は手下に案内されるように教室から出ていった。
王子の次はミーアか……昼休みにやることなんて一つだよな。
「アレス様。ご一緒にお昼はいかがですか?」
「悪いが遠慮する。やることもあるから」
「はい、分かりました。それでは、夕食はいかがでしょうか?」
「は?」
女の子が誘ってくれるのは嬉しいけど……一体どうしたんだ?
ミーアは最初の頃だと、アレスとの会話は最初だとあまりできないでいた。しかしだ、断られたからと言って、次の約束まで話すという選択肢などあり得なかった。
それなのに、ミーアは夕食をも誘ってきたのだ。
回想の中で、俺達の出会いは婚約者として、親から決められた日になっているはずだった。
子供の頃の出会いが、ゲームの設定に影響を与えシナリオに変化が出ているということだろうか?
「調べたいことがあるから、勘弁してくれ」
「そうですか、申し訳ございません。また日を改めます」
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