246 / 310
強者討伐 失われた武器
245 ベテラン冒険者 1
しおりを挟む
「昨晩は、お楽しみの邪魔をしてしまい申し訳ございませんでした」
朝になり目が覚めるが、三人はまだ寝ていたため、そのまま部屋から出ていくと、見張りをしていたメイド達はまだ残っていた。そして、開口一番がこれだ。
「父上のこともあっての監視でしょうから、気にしてませんよ」
「監視など、語弊があるようですね。私達はお嬢様方をサポートするために居たのです。身籠りをしていただくために。それを……貴方様は」
何のサポートだよという言葉よりも、なんでそこで俺が睨まれる必要があるんだ。
だいたい、この場所でご懐妊なんて。
ローバン公爵家が、二代に渡ってそんな事をできるはず無いだろう?
これ以上話をしても非難されるのが目に見えていたため、俺は逃げるように立ち去って庭へ行くことにした。
「おはようございます、ヘーバイン公爵様。何をなされているのですか?」
「おや、おはようございます。昨日は大変失礼をしました」
「できればあのような事は止めて頂きたいのですが」
「そうですね。貴方に気が付かれる程度のメイドを用意させた私の責任ですね」
この人も大概頭がおかしいな、根底からして間違っている事に気がついていないのかよ。
そんな事をするという前提で話を進めるなよ。俺にはそのつもりはない。
「あわよくば、私の娘が懐妊となり、三人の中で一歩リードという計画でしたのに……」
扇子を広げ口元を隠すが、目を細めて睨んでいる。
それは、なんとも恐ろしい計画だな。
婚約者になってからというもの、パメラがやけに積極的だったのはそういう事なのか?
とは言え、父上のようなことに成りたくないからな。
「戯れはこの辺にして、お話を頂いた冒険者の育成についてですが……」
「は、はい」
戯れってよく言うよ……かなり本気だったくせに。
少しだけ殺気のようなものを感じたぞ?
それはいいとして、ヘーバイン公爵は今の冒険者をどう思っているのだろうか?
「アレからの書状は、大変興味深いものではあります。が、王都のラカトリア学園がある以上、私共の方でそのような学び舎を運営できるでしょうか?」
「当面であれば、俺が持っているギルドからの報酬で、ある程度はなんとかなります。ですが、現段階としては思案も纏まっておりませんので、ヘーバイン公爵様が協力して頂けるというのなら、有能な冒険者を一人融通して頂きたいのです」
バセルトンも同様に、実力のある冒険者を何人か抱えている。
ローバンにもいるのだが、ここはヘーバイン公爵から協力の繋がりとして貰いたい所だ。
バセルトンからは、既にハルトを借りている状態なのでこれ以上の協力は流石に無理があると思う。あのおっさんのことだから、笑いながら誰かを貸してくれるだろうけどな。
「なるほど。アレス様は、三公爵の繋がりという事を、念頭に置かれているようですね。分かりました、私からも協力致しましょう」
「ありがとうございます」
「ですが……その冒険者というのは、私の裁量で構いませんか?」
「もちろんです」
ベテラン冒険者とレフリアたちとロイたちを合わせたパーティー。これだけの人員が居れば、ミーカト位なら攻略できる可能性も出てくるだろう。
レフリアが居てくれるから、危険を冒さなければ、なんとかなるだろう。
それに、ロイ達の伸びしろに期待したい所だ。
「やー、アレス。お久しぶりね」
俺たちは、今後の行動について話し合っていると、あまり見たくもないおっさんが、普段とは違いやたらと低い声で、俺の胸ぐらを掴んでいた。
選りに選ってお前だったのか……ヘーバイン公爵が、寄越してきた冒険者というのが、このおっさんだ。
「先日は色々と悪かったよ。大体の話は聞いていると思うが、よろしく頼むよ」
「しょうがないわね。次あんな事を起こしたら、ただじゃ済ませないからね」
「わかっている。あそこまで腹が減っていないと、そうそうならないさ」
だけど、あのまま素直に食わせてくれさえすれば、あんなことにならなかった話だが……?
朝になり目が覚めるが、三人はまだ寝ていたため、そのまま部屋から出ていくと、見張りをしていたメイド達はまだ残っていた。そして、開口一番がこれだ。
「父上のこともあっての監視でしょうから、気にしてませんよ」
「監視など、語弊があるようですね。私達はお嬢様方をサポートするために居たのです。身籠りをしていただくために。それを……貴方様は」
何のサポートだよという言葉よりも、なんでそこで俺が睨まれる必要があるんだ。
だいたい、この場所でご懐妊なんて。
ローバン公爵家が、二代に渡ってそんな事をできるはず無いだろう?
これ以上話をしても非難されるのが目に見えていたため、俺は逃げるように立ち去って庭へ行くことにした。
「おはようございます、ヘーバイン公爵様。何をなされているのですか?」
「おや、おはようございます。昨日は大変失礼をしました」
「できればあのような事は止めて頂きたいのですが」
「そうですね。貴方に気が付かれる程度のメイドを用意させた私の責任ですね」
この人も大概頭がおかしいな、根底からして間違っている事に気がついていないのかよ。
そんな事をするという前提で話を進めるなよ。俺にはそのつもりはない。
「あわよくば、私の娘が懐妊となり、三人の中で一歩リードという計画でしたのに……」
扇子を広げ口元を隠すが、目を細めて睨んでいる。
それは、なんとも恐ろしい計画だな。
婚約者になってからというもの、パメラがやけに積極的だったのはそういう事なのか?
とは言え、父上のようなことに成りたくないからな。
「戯れはこの辺にして、お話を頂いた冒険者の育成についてですが……」
「は、はい」
戯れってよく言うよ……かなり本気だったくせに。
少しだけ殺気のようなものを感じたぞ?
それはいいとして、ヘーバイン公爵は今の冒険者をどう思っているのだろうか?
「アレからの書状は、大変興味深いものではあります。が、王都のラカトリア学園がある以上、私共の方でそのような学び舎を運営できるでしょうか?」
「当面であれば、俺が持っているギルドからの報酬で、ある程度はなんとかなります。ですが、現段階としては思案も纏まっておりませんので、ヘーバイン公爵様が協力して頂けるというのなら、有能な冒険者を一人融通して頂きたいのです」
バセルトンも同様に、実力のある冒険者を何人か抱えている。
ローバンにもいるのだが、ここはヘーバイン公爵から協力の繋がりとして貰いたい所だ。
バセルトンからは、既にハルトを借りている状態なのでこれ以上の協力は流石に無理があると思う。あのおっさんのことだから、笑いながら誰かを貸してくれるだろうけどな。
「なるほど。アレス様は、三公爵の繋がりという事を、念頭に置かれているようですね。分かりました、私からも協力致しましょう」
「ありがとうございます」
「ですが……その冒険者というのは、私の裁量で構いませんか?」
「もちろんです」
ベテラン冒険者とレフリアたちとロイたちを合わせたパーティー。これだけの人員が居れば、ミーカト位なら攻略できる可能性も出てくるだろう。
レフリアが居てくれるから、危険を冒さなければ、なんとかなるだろう。
それに、ロイ達の伸びしろに期待したい所だ。
「やー、アレス。お久しぶりね」
俺たちは、今後の行動について話し合っていると、あまり見たくもないおっさんが、普段とは違いやたらと低い声で、俺の胸ぐらを掴んでいた。
選りに選ってお前だったのか……ヘーバイン公爵が、寄越してきた冒険者というのが、このおっさんだ。
「先日は色々と悪かったよ。大体の話は聞いていると思うが、よろしく頼むよ」
「しょうがないわね。次あんな事を起こしたら、ただじゃ済ませないからね」
「わかっている。あそこまで腹が減っていないと、そうそうならないさ」
だけど、あのまま素直に食わせてくれさえすれば、あんなことにならなかった話だが……?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
554
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる