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強者討伐 失われた武器
255 アレス様は激怒する 1
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ダブグレスト領内にある山脈の奥地へやってきた。
夏だからそれなりに過ごせる程度だが、バセルトン領よりも更に北にあるこの場所は、冬になるとそう簡単に来れる場所ではない。
この辺りの何処かに、ラストダンジョンが存在しているはず。
ゲームではただ選択をすればいいだけだが、この辺りは山脈ということもあって近くに街もなく、最寄りですらかなり遠い。
そのためか、これまでの歴史においてダブグレストでは何度も魔物の暴走を引き起こしている。
だから、ここの街は少し特殊で、王都にある城壁よりも大きく頑丈な作りになっている。
各公爵領からは、様々な物資が供給され、それがないと生活をしていくことが出来ないのだろう。
この場所は、ゲームだとラストダンジョン以外に立ち寄るということはない。
「それにしても、実際こうして目の当たりにすると広いな」
ゲームだと、ダンジョンの入口の背景は、大きな山脈の麓程度しか描かれていなかった。
上空から見渡すと、思いの外山間の数も多く探すだけで骨が折れそうだ……
「流石に手前からって、そんな優しくはないわな……」
降り立った所をぐるりと廻るがそれらしい物は見つからない。何か目印のようなものでもあれば良いんだけど……本当に何もなかったんだよな。
何度思い返しても、状況が変わるということもない。
そんな日を何日も過ごし、ようやく一つ目のダンジョンを発見した。
「入るしか無いよな……」
ラストダンジョンは、これまでのダンジョンと比べ決定的な違いがある。
魔物の種類は、せいぜい十種類。それでも多いぐらいだが、系統に分かれているためゲームでは後半になると属性などは有効手段として使える。
しかし、ゲームに出現する全ての魔物が、ラストダンジョンでは出現するという設定になっている。そのため、レベルを上げようにも、弱い魔物もいるため効率的に悪い。
その一つ手前のヘーバインにあるダンジョンが一番効率が良かったのを覚えている。
「索敵を展開する間もなくこれかよ!」
足を踏み入れると、大量のレッサーデーモンが待ち構えていた。
右方向と正面に、何十もの赤い瞳が俺を見ている。
正面に向けて風魔法で魔物を吹き飛ばし、右側にはバーストロンドを打ち込む。
索敵を使いたいところだけど、ここでこの数だと頭痛がしてくるよな。
「ちまちまとやるしか無いか……約束もあるから長居もできそうに無いか。面倒だよ」
クリムゾンブレイドを具現化し、近接にも備えておく。
あの音からして、間違いなく馬鹿みたいに来るんだろうな。
吹き飛ばした正面にもバーストロンドを打ち込み、右側へと壁伝いに進んでいく。
「おーおー、居るって話じゃないなこれは」
レッサーデーモンか。だとすると……ここのボスはあいつか?
この世界だと、即死攻撃ってあったりするのか?
悪魔系の下位であれば、インプが出現する。一階層からレッサーデーモンであれば、待ち構えているボスは、ハルファスの可能性が出てくる。
恐らくアスタロトよりかは弱いと思うが、アイツに攻撃をされた場合が問題となってくる。
全ての物理攻撃に、追加で即死というものがあり、装備や装飾品などで即死抵抗を最高の百にしていようが関係なしにやられるという、とんでもない設定だ。
装飾品ならともかく、俺が装備しているのは自慢のワンパック。
これのおかげで、どんな装備も不可能になっている。強いて言うのであれば、布でできた服だな。
「後ろからも来たな。まあいいか、剣の腕を鈍らせていたらまた兄上にどやされるからな」
索敵が使えない今は、バーストの魔法を打ち出し、誘き寄せてからバーストロンドを使っていく。敢えて少しだけ残しては、クリムゾンで狩っていく。
ハルファスも厄介だが、途中で出現するパーズがいるからそれも厄介だ。
あれだけは確実に仕留める必要があり、今のように残してなんて考えるだけ命取りなる。
夏だからそれなりに過ごせる程度だが、バセルトン領よりも更に北にあるこの場所は、冬になるとそう簡単に来れる場所ではない。
この辺りの何処かに、ラストダンジョンが存在しているはず。
ゲームではただ選択をすればいいだけだが、この辺りは山脈ということもあって近くに街もなく、最寄りですらかなり遠い。
そのためか、これまでの歴史においてダブグレストでは何度も魔物の暴走を引き起こしている。
だから、ここの街は少し特殊で、王都にある城壁よりも大きく頑丈な作りになっている。
各公爵領からは、様々な物資が供給され、それがないと生活をしていくことが出来ないのだろう。
この場所は、ゲームだとラストダンジョン以外に立ち寄るということはない。
「それにしても、実際こうして目の当たりにすると広いな」
ゲームだと、ダンジョンの入口の背景は、大きな山脈の麓程度しか描かれていなかった。
上空から見渡すと、思いの外山間の数も多く探すだけで骨が折れそうだ……
「流石に手前からって、そんな優しくはないわな……」
降り立った所をぐるりと廻るがそれらしい物は見つからない。何か目印のようなものでもあれば良いんだけど……本当に何もなかったんだよな。
何度思い返しても、状況が変わるということもない。
そんな日を何日も過ごし、ようやく一つ目のダンジョンを発見した。
「入るしか無いよな……」
ラストダンジョンは、これまでのダンジョンと比べ決定的な違いがある。
魔物の種類は、せいぜい十種類。それでも多いぐらいだが、系統に分かれているためゲームでは後半になると属性などは有効手段として使える。
しかし、ゲームに出現する全ての魔物が、ラストダンジョンでは出現するという設定になっている。そのため、レベルを上げようにも、弱い魔物もいるため効率的に悪い。
その一つ手前のヘーバインにあるダンジョンが一番効率が良かったのを覚えている。
「索敵を展開する間もなくこれかよ!」
足を踏み入れると、大量のレッサーデーモンが待ち構えていた。
右方向と正面に、何十もの赤い瞳が俺を見ている。
正面に向けて風魔法で魔物を吹き飛ばし、右側にはバーストロンドを打ち込む。
索敵を使いたいところだけど、ここでこの数だと頭痛がしてくるよな。
「ちまちまとやるしか無いか……約束もあるから長居もできそうに無いか。面倒だよ」
クリムゾンブレイドを具現化し、近接にも備えておく。
あの音からして、間違いなく馬鹿みたいに来るんだろうな。
吹き飛ばした正面にもバーストロンドを打ち込み、右側へと壁伝いに進んでいく。
「おーおー、居るって話じゃないなこれは」
レッサーデーモンか。だとすると……ここのボスはあいつか?
この世界だと、即死攻撃ってあったりするのか?
悪魔系の下位であれば、インプが出現する。一階層からレッサーデーモンであれば、待ち構えているボスは、ハルファスの可能性が出てくる。
恐らくアスタロトよりかは弱いと思うが、アイツに攻撃をされた場合が問題となってくる。
全ての物理攻撃に、追加で即死というものがあり、装備や装飾品などで即死抵抗を最高の百にしていようが関係なしにやられるという、とんでもない設定だ。
装飾品ならともかく、俺が装備しているのは自慢のワンパック。
これのおかげで、どんな装備も不可能になっている。強いて言うのであれば、布でできた服だな。
「後ろからも来たな。まあいいか、剣の腕を鈍らせていたらまた兄上にどやされるからな」
索敵が使えない今は、バーストの魔法を打ち出し、誘き寄せてからバーストロンドを使っていく。敢えて少しだけ残しては、クリムゾンで狩っていく。
ハルファスも厄介だが、途中で出現するパーズがいるからそれも厄介だ。
あれだけは確実に仕留める必要があり、今のように残してなんて考えるだけ命取りなる。
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