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第3章 沢田くんと炎のドッジボール
沢田くんと1回戦
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「ぐはっ……!」
小野田くんの足元にボールが落ちて、てん、てん、と小さく弾んだ。
彼の正面に立つ沢田くんは、涼しい顔で彼を見下ろしている。
ホイッスルが鳴り、審判の浅井先生がサッと左手を挙げた。
「試合終了! 2ーF、Bチームの勝ち!」
私はまばたきするのも忘れてその光景を見ていた。
……信じられない。
まさか、アレがこうなってああ展開して、こんな結末になるなんて……!
Bチームのみんなも唖然として、誰も勝利の声をあげないでいる。
「最後のアレ、何だったの? よく分かんなかったけど……」
「なんか、小野田くんが勝手に倒れたみたいに見えたけど?」
「沢田がトドメを刺したのは見た。でもその前がわけわかんねえ」
みんながざわつくのも無理はない。
沢田くんたちの心の声を聞いていた私だけが真実を知っている……。
***
時を遡ること、試合開始直前。
「ようやく決着をつける時が来たな、沢田!【友達ゲットの時間だぜ!ヽ(*^ω^*)ノ】」
小野田くんがコートの中央ラインの向こうで恐ろしい笑みを浮かべている。
Bチームのみんなはまるでライオンと一緒に檻に入れられたみたいに萎縮しちゃって、ガチガチになっていた。
でも、一人だけいつもと変わらない顔をしていた人がいた。
沢田くんだ。
【怖いよ、怖いよ~~!!。゚(゚´Д`゚)゚。】
普段から常にビビりまくっている沢田くんにはこんな状況なんて日常茶飯事。顔は緊張でキリッと引き締まっていて沈着冷静に見える。
Bチームのみんなにとって、それは頼もしいリーダー以外の何物でもなかった。
「みんな……行くよ【俺を一人にしないでね!! お願い。゚(゚´Д`゚)゚。!!】」
「は、はいっ♡【カッコイイ~♡】」
みんなを見回した後で、沢田くんは最後に私を見た。
「佐藤さんは……俺から離れないで」
ズッキュウウウウウウン!!
ときめきの嵐が私を襲う。
【佐藤さんが狙われたら俺が盾になるんだ……! 怖いけど、がんばるぞ!!】
ありがとう、沢田くん。
膝が震えているのは見なかったことにするね!
そしてホイッスルが鳴り響き、いよいよ試合が始まった。
リーダー同士のジャンケンでボールを取られていた私たちBチームを、小野田くんのチームが追い詰める展開。
その時からすでに沢田くんの動きは、尋常ではないものを予感させていた……!
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