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第3章 沢田くんと別荘の愉快な仲間たち
沢田くんと疑惑
しおりを挟むなんだかんだとありまして。
のぼせながらもどうにかこうにか服に着替えた私は、小野田くんのいる昼食の広間に合流することができた。
「おっせーぞ!【我慢できずに先に食ってるぞ!(・Д・)】」
「ごめんなさい」
「ごめん……【遅くなっちゃったー】」
そこへほんの少し遅れて沢田くんもやってきた。ばっちりと目が合った瞬間、私は思わず目を逸らす。
うう、なんだかんだとありすぎてすっかりいろいろ麻痺していたけど、そういえば私は沢田くんの彼女になったんだった!!
さっきのキスで自覚しちゃって、急になんか恥ずかしくなって、目も合わせられないってどんだけ免疫力ないんだか。
あのキスの直後、私はあたふたしてしまって、逃げ出すように更衣室を出てしまった。介抱してもらっていたお礼も言えないままだ。気まずい。
すると沢田くんの方から悲しそうな声がした。
【ガーン!!。゚(゚´ω`゚)゚。佐藤さんが俺の方を見てくれない! 俺が寝ている佐藤さんに勝手にキスをしようとしたからだ……。でも、唇にするつもりはなかったんだよ~! こっそりほっぺかおでこにしようと思ってたのに、忍者がやってきて俺を蹴飛ばしたから。゚(゚´ω`゚)゚。……なーんて言っても佐藤さんはきっと信じてくれないだろうな……。「忍者? ハア? そんなもんどこにいたの?」ってなっちゃうよね。天井に張り付いていたなんて、そんなの見てもいない限り信じてもらえないよね。゚(゚´ω`゚)゚。】
見ていたから信じるけどね。
【俺の佐藤さんからの信頼は失墜している。一体、どうしたら名誉を回復できる? 忍者がいてくれたら誤解を解いてもらえるのになあ(´・ω・`)この屋敷のどこかにきっといるはず……】
そういえば、忍者って何者なんだろう。
ものすごく誰かに似ているような気がするんだけど、誰だったっけ?
「やっと綺麗になったようだなボケカスどもが」
その時、食事の広間に帝王然とした声が響いた。
沢田くんを茶髪にしたらそっくりになりそうな、沢田くんの一才歳上のいとこの陸くんだ。
彼は広間の入り口から部屋の半分ほどの大きさもあるテーブルを半周し、一番奥のお誕生日席に着いた。ここが一番偉い人の席なのだろう。
あれ?
陸くんの髪、湯上がりみたいに少し濡れているなあ。
横を通り過ぎた時、ほんのりと石鹸の香りがしたし……陸くんもお風呂に入ったのかな?
それに、この声──。
【空のヘタレ、偽乳パットとあのあと何かあったか? なんだかよそよそしいな】
偽乳パットって、私のことですか⁉︎
それを知っているのは、忍者だけ。
っていうことは、やっぱりあいつの正体は──!
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