沢田くんはおしゃべり2

ゆづ

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第3章 沢田くんと別荘の愉快な仲間たち

沢田くんと人工呼吸

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 ザザア、ザザア。


 波の音に包まれている。砂浜に優しく砕ける白い泡。浜辺の匂い。
 天国にも海があったなんて知らなかったなあ。
 雲海って言葉は知ってたけど、本当に海があるんだあ……。
 それに、何だろう。
 なんだかさっきから、温かいものが唇に触れているんだよね。
 あと、冷たいものが頬に当たる。
 ……雨?
 雲の上なのに、なぜか雨が降ってる……?


【佐藤さん……! 生き返って──!。゚(゚´Д`゚)゚。】


 誰かの声がして、それから、ほらまた唇に温もりが。
 息を吹き込まれているの……かな?
 マウストゥマウス。人工呼吸。
 優しく、激しく、誰かが私に命を吹き込んでくれている──。

 
 私は瞼に力を入れて、ゆっくり目を開いた。
 冷たい雨が、またポタリと私の頬に落ちた。
 それは私を真剣に見つめる沢田くんの瞳から落ちた涙だった。


「佐藤さん……!!」


「沢田……くん……?」


 私が声を絞り出すと、沢田くんは驚いたように目を開いた。そして、砂浜で寝ていた私を抱き起こし、そのままぎゅっと抱きしめた。

「良かった……! 佐藤さん……!【うっ……うっ……うわーん!!。゚(゚´ω`゚)゚。】」

 私は危なかったんだなって、沢田くんの乱れっぷりで知った。
 いつも表面的にはクールな沢田くんが、心の声とシンクロして激しい感情を見せている。沸騰した鍋のお湯を押さえていた蓋がカタカタと浮き上がる感じ。溢れ出た感情が爆発したみたいに、沢田くんは私を抱きしめて、抱きしめて、抱きしめている。

 本当の天国はこっちだった。
 戻ってきて良かった……。

 私もちょっとウルっとして、気づいたら沢田くんとまたキスをしていた。
 青い海は何事もなかったかのように穏やかで、波飛沫は宝石をばらまいたように輝いていた。





 
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