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第4章 沢田くんと別荘の夜
沢田くんと戦場の狼
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あわわわわ。
消えた二人を探しにきてみたら、まさか前のページであんなことになろうとは。
私はラウンジの隅で見てはいけないものを見てしまった家政婦のような気持ちで震えていた。
それにしても、何ですか、あのキラキラした青春。
いつもと扱いが違いすぎない?
二人ともカッコ良すぎない?
どうして上からバケツが落ちてきたり、ラクダから落ちたりしないわけ?
そうだ、忍者はどこに行ったの?
あいつが出てきたら一気に空気が変わるのに。
もしかしたらすでに天井に張り付いていたり……はしていない。
そりゃそうよ、普通は忍者がラブシーンの邪魔をすることなんてあり得ないんだから。
……羨ましいなああああああ!!!
はっ。しまった。つい、本音が。
うん、もちろん、心から二人を祝福しているよ。
良かったね、杏里ちゃんと森島くん。おめでとう、爽やかナイスカップル! 二人が主役になっていれば、この話もきっと恋愛ジャンルで堂々と胸を張れただろうね。
でも残念ながら主役は私たちだから……_| ̄|○
上手に青春できなくてごめんなさい。
私はそっと音を立てないようにその場を離れた。
なんだか無性に沢田くんに会いたくなっちゃった。
私は早足で卓球会場に戻ってみた。すると、そこはすでに卓球会場ではなくなっていた。
例えるのならば戦場。
いくつもの座布団が飛び交う、危険な紛争地帯に早変わりしていた。
【佐藤さん、危ない!】
突然、横から引っ張られて、私は間一髪座布団をかわした。
私の腕を掴んだのは沢田くんだ。
「どうしたの、これ?」
「ごめん……【俺のせいなんだ(;ω;)あの怖い顔の人が俺を探して座布団の入っている押し入れを開けて、座布団の雪崩を引き起こし、怒った忍者が現れて座布団を手裏剣みたいに飛ばし始めて、やがてみんなが巻き込まれていつのまにか戦場に……。゚(゚´ω`゚)゚。】」
忍者、こっちに現れてたのか……。
でもこのノリがホッとする。やっぱり私はこっち側の人間みたい。
「沢田~! どこに消えた!!【心の親友よ~!。゚(゚´ω`゚)゚。】」
【消えたい!!((((;゚Д゚)))))))】
小野田くんが座布団を持って沢田くんを探している。今にも投げつけてきそうな形相に、沢田くんはビビっている。
私はそこで、ぽっかりと口を開けている押し入れの入り口に気がついた。
「沢田くん、ここに隠れて!」
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