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暗闇の希望
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くじらのくーちゃんの身体を漁港の横に並ぶとセイカを大地に降ろした。
名残惜しいが、ここでお別れだ。
「ほんとにありがとう。くーちゃんがいなかったらたどり着くことは出来なかったわ。」
くーちゃんの大きな美しい瞳は、名残惜しそうだ。
また会えることを信じて、セイカは離れていった。
港から離れると遠くから、くーちゃんの鳴く声と、身体をジャンプさせる音が聞こえてきた。
「さてと・・・」
地図を広げると現在地を確認をした。
徒歩の距離で10分で着けそうな下関駅があった。
原形はあるのだろうか。
地図を見ていると
「デパートがあるわ、寄ってみようかしら、食べるものも少なくなってきたし」
リュックの中身を確認すると握ったおにぎりが3つとレトルトのみそ汁が一つ、カロリーメイトが5つほど、お水のボトル一つある。
長い道のりになりそうだ。
少しは蓄えないと途中でなにかあっても困る。
とりあえずデパートまで向かうことにした。
建物まで来ると珍しくそんなに崩れてはいなかった。
青空すぎて、眩しいくらいの中で建物は、たくましく残っている。
おそらく火山がない地域だからだろう、地震の影響もそこまでない。
これは期待出来そうだ。
割れた窓ガラスを横切りながら、デパート内に入った。
広いだけにどこになにがあるかはわからない。
階段の横の案内図を見ながら、なにがあるかを確認してみる。
地下1Fに食品コーナーがあるのに気付いた。
「よし!」
地下に行く階段を下っていく。
地下に行くのに少し抵抗はあった。
なぜならネズミがいる可能性があるからだ。
それでも食糧を探さなければ。
一段一段下っていくと、暗闇が続いていた。
この空間がセイカは苦手だった。
暗闇に吸い込まれそうになるからだ。
ただ唯一の救いはネズミの声が聞こえないことだった。
リュックから携帯用ライトを照らしながらゆっくりと入口に向かっていく。
唾を飲み込みながら進んでいくとまた階段の柱に案内図があった。
ライトで照らしながら目的の場所を確認した。
「お米はあるかしら・・・」
竹澤商店と書かれてある箇所があった。
「おそらくそこにありそうだわ」
ライトを頼りにそこまで向かう。
ふと思ったことがあった。
あんな大地震があったのにも関わらず、なに一つ、床に落ちていなかった。キレイな状態のままだ。
ただ時は止まったままだった。
お土産屋の和菓子20個入りの箱の裏を見てみると4120年11月2日になっていた。
どの商品も近い年までの期限になっている。
それも綺麗に並べられたままで。
ライトを天井に照らしながら、竹澤商店の文字の看板を辿って行った。
手探りで慎重に進んでいくと「竹澤商店」看板が現れてきた。
店内にライトを移動していく。
お惣菜コーナーもあった。
ただもう、カビだらけになっている。
食べる状態ではなかった。
壁に掛かる商品に目を向けるとご当地キャラクターのグッズがある。
なかなか、お米までたどりつけない。が、「ワカメ・昆布コーナー」の横に精米コーナーを見つけた。
「あったわ」
1人用の小袋サイズの米をリュックに入れた。
まだ人がいた時代にはお金で買わないと行けなかった。
いまや人がだれ1人もいない世界。
祈りだけを込めた。
「ありがとうございます!」作ってくれた人達に感謝の祈りを捧げた。
静まり返った店内をまた元の道へと戻っていった。
建物の外へと出た。
時間は、14時になろうとしていた。
セイカはこの街に感謝しながら、さらに足を進めていく。
名残惜しいが、ここでお別れだ。
「ほんとにありがとう。くーちゃんがいなかったらたどり着くことは出来なかったわ。」
くーちゃんの大きな美しい瞳は、名残惜しそうだ。
また会えることを信じて、セイカは離れていった。
港から離れると遠くから、くーちゃんの鳴く声と、身体をジャンプさせる音が聞こえてきた。
「さてと・・・」
地図を広げると現在地を確認をした。
徒歩の距離で10分で着けそうな下関駅があった。
原形はあるのだろうか。
地図を見ていると
「デパートがあるわ、寄ってみようかしら、食べるものも少なくなってきたし」
リュックの中身を確認すると握ったおにぎりが3つとレトルトのみそ汁が一つ、カロリーメイトが5つほど、お水のボトル一つある。
長い道のりになりそうだ。
少しは蓄えないと途中でなにかあっても困る。
とりあえずデパートまで向かうことにした。
建物まで来ると珍しくそんなに崩れてはいなかった。
青空すぎて、眩しいくらいの中で建物は、たくましく残っている。
おそらく火山がない地域だからだろう、地震の影響もそこまでない。
これは期待出来そうだ。
割れた窓ガラスを横切りながら、デパート内に入った。
広いだけにどこになにがあるかはわからない。
階段の横の案内図を見ながら、なにがあるかを確認してみる。
地下1Fに食品コーナーがあるのに気付いた。
「よし!」
地下に行く階段を下っていく。
地下に行くのに少し抵抗はあった。
なぜならネズミがいる可能性があるからだ。
それでも食糧を探さなければ。
一段一段下っていくと、暗闇が続いていた。
この空間がセイカは苦手だった。
暗闇に吸い込まれそうになるからだ。
ただ唯一の救いはネズミの声が聞こえないことだった。
リュックから携帯用ライトを照らしながらゆっくりと入口に向かっていく。
唾を飲み込みながら進んでいくとまた階段の柱に案内図があった。
ライトで照らしながら目的の場所を確認した。
「お米はあるかしら・・・」
竹澤商店と書かれてある箇所があった。
「おそらくそこにありそうだわ」
ライトを頼りにそこまで向かう。
ふと思ったことがあった。
あんな大地震があったのにも関わらず、なに一つ、床に落ちていなかった。キレイな状態のままだ。
ただ時は止まったままだった。
お土産屋の和菓子20個入りの箱の裏を見てみると4120年11月2日になっていた。
どの商品も近い年までの期限になっている。
それも綺麗に並べられたままで。
ライトを天井に照らしながら、竹澤商店の文字の看板を辿って行った。
手探りで慎重に進んでいくと「竹澤商店」看板が現れてきた。
店内にライトを移動していく。
お惣菜コーナーもあった。
ただもう、カビだらけになっている。
食べる状態ではなかった。
壁に掛かる商品に目を向けるとご当地キャラクターのグッズがある。
なかなか、お米までたどりつけない。が、「ワカメ・昆布コーナー」の横に精米コーナーを見つけた。
「あったわ」
1人用の小袋サイズの米をリュックに入れた。
まだ人がいた時代にはお金で買わないと行けなかった。
いまや人がだれ1人もいない世界。
祈りだけを込めた。
「ありがとうございます!」作ってくれた人達に感謝の祈りを捧げた。
静まり返った店内をまた元の道へと戻っていった。
建物の外へと出た。
時間は、14時になろうとしていた。
セイカはこの街に感謝しながら、さらに足を進めていく。
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