遠い記憶、遠い未来。

回想夢

「ケホケホ・・・」

煙を吸い込んでしまい、思わず涙してしまった。

夕暮れ時から暗闇へと変わる時間帯に、「氷室神社」の屋根の下でテントを立てて過ごしていた。

この時のために、松ぼっくりをたくさん集めて自然の着火剤をつけて湿っていない枝を集めては
焚き火をしていた。

海は夜空月の色を映して深く沈み、揺らいでいる情景を眺める。

折りたたみ椅子に両足を乗せて腕で抱きしめながら

パキパキ・・・

火の粉が散りゆく音に耳を澄ませては、なんでもない溜息がこもれる。

「はあ・・」

一人でいることはもうなれているはずなのに、どこか切なさを感じていた。

「なんでこんなことになったのかなあ・・」

あの頃の現実がなぜ崩壊していったのだろうかと思っていた。
あの時、ミユナの手が離れていく様を目の当たりにして、サキやカオル、テツも消え去っていった。
なにが原因で地球がリセットをしたのだろうか。

「私のせいなのかしら・・」

あの時、燃え上がる火山と地震が鳴り響く最中、半透明な自分の存在とリンクしていたのは事実だった。
だが、変形していくことによってこの破滅を導く結果となってしまった。

その答えを知りたかった。なぜ自分が変わってしまったのか、この世界が廃墟化してしまったのか。

答えは彼にしかわからない、あの「山内透吾」だけが。