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三浦家誕生秘話

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宗介と信子は、お互い近所ということもあり、よく一緒になることが多かった。

病院で、20年ぶりの出会い、そして宗介は3年後、同棲も兼ねてから信子と結婚をした。

お互いの両親は意外に良心的だった。

信子は、宗介の父、源四郎から聞かされたことがあった。宗介は血縁関係はなく、源四郎がまだ亡き妻を亡くしてから、その後に宗介が三浦家に来たことを。

源四郎曰く「竹藪から拾ったもの」と語ってる。
昔話のような話に信子は信じられないでいた。


ただ、このことは宗介は知らないでいた。

「このことはせがれには内緒な」と祝いの席の時に言われた。

「まあ、信子さんとお腹の子がいるんだ。あいつにとっては最高の幸せさ。信子さん、せがれをほんとに頼みます。」

頭を下げられてから信子は、謙遜した。

「いえいえ、私こそです。 宗介さんいなかったら私、東京で独り身でした。私って近寄りがたい感じで、人付き合いが苦手なところもあるので・・・」

「そんな私を宗介さんは支えてくれたんです。」

隣に親戚にイジられている宗介が笑顔で振り向いてくれた。



1年後、春日和に桜が咲く季節に「勝」が産まれた。

「三浦勝」にした理由は、単純だった。
何事も勝つ!人生に勝つ!が理由だった。




都内にアパートを借りて信子と勝の家族生活をすることとなった。

勝は、泣きはするものの至って静かなものだった。

おそらく信子に似たのであろう。

顔立ちも宗介より信子よりであった。

深夜に泣くことも少なかったが、父である宗介は、よく「ばあ~ばあ~」と変顔で勝をあやしたものだ。

その姿を信子は、嬉しそうに見ていた。

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