2nd Life

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第1章 幼少期

8話 姫の秘密

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[コルラド城内  マイの部屋]



ソニアは、恐る恐るマイの部屋の扉を開ける。

キー


「わぁ!」


キャァー!


マイは、入ってくるソニアを脅かした。


「姫さま!ビックリさせないでください!腰抜けそうになりましたよ~!」


「じゃって、しょにあ、すごくびくびく、してちゃから!」



そう、たしかにソニアは、かなりビクビクしていた、それもそのはず、昨晩の事があったからだ。
ソニアは、マイの部屋を見渡す。


「あれ?姫さま?ゼム王様達いらっしゃらいのですか?」


「うん、じーじとばーば、あさはやくせつめいしたの、そしたあしごとあゆからかえるっていって、でてたよ、よかったね!」



「はい!…って、わたしはそんな事思ってませんから!もう、姫さま!人をからかって!」


でも、すごく安堵あんどした表情の、ソニア。


(姫さま!利口過ぎますよ!昨晩も、起きてから、わたし達を助けてくれたりして、こんな3才世界広しと姫さまだけです!)



マイ達の声が聞こえたのかコルラド王と、アイナが、勢いよく部屋に入ってくる。


「コルラド王、アイナ王妃おはようございます」


『マイ~!』


二人は、ソニアが目の前にいるのにマイに甘える。
その光景をみて、ソニアが思う。


(コルラド王達も、昨晩の事が余程答えたみたい。
わたしの前なのに、あんなに姫さまに、甘えて、これもまた面白い!って、わたしも姫さまに甘えたくてここに来たんだった!先を越されてしまった~!)



「パパ、ママ?たまごは?」


マイは、二人に頬ずりされながら質問する。


「卵なら、ユリウスが背負っていたから、ユリウスがもっておるぞ、そうだマイ、一緒に行こう!私もユリウスに、国の内政の事で話があるのだ」


「ず、ずるいですよ、あなた、私も今日はマイと一緒に居たいと思い、予定を全て開けたのに!」



(アイナ王妃、それはちょっとどうかと)




「じゃ、ママもいしょにたまご、といにいこ?しょにあも!」




「え?取りに?」



「うん!たまごは、あたしが、とらこんさんに、たのまえたの、たから、あたしがあたためて、そだてうの!」




(ドラゴンの卵って温めて育てるの?)



三人は、少し戸惑ったが、マイがそうすると言っているのだから好きにさせないと、とまた、甘さを出していた。



[コルラド王国 ユリウスの寝室]




「ゆりぃうす?おきてう?」


マイが扉を開け見渡す。ものすごい数の本が、所狭しと並べられている。そしてベッドが一つと、テーブルセットが一つ、とてもシンプルな部屋だ。

(ユリウスの寝室始めて入ったけど、ものすごい数の本がある!すごい、私ここで勉強したい!ユリウス教えてくれるかな?)



ムズムズ



ベッド中でうずくまるユリウスがいた。


ソニアがユリウスに、声をかける。



「ユ、ユリウス様?ご気分悪いのですか?昨晩の事気にしているのですか?」



「わ、私は、丞相失格なのだよソニア、自分の、王に、あんな事させてしまい、ましてや、王妃様にまで…」



「ユリウス!私達は、そんな事気にしておらんぞ!あれは、マイの為に、した事なのだから、お主が、気にする事ではないのだ!」


アイナも、頷く。



「ゆりぃうす?ごめんね、あたしのせえで、きじゅつけて、でも、あえは、あたしがわりゅいの、だから…」


マイの目に涙が。



それを見てソニアが、ユリウスの布団を取る。



「ユリウス様らしく、ありませんよ!そんなに、うじうじして!いつもの、私は正しいオーラは、何処にいったのです!
後、卵!姫さまに、返して下さい!こんな小さい子泣かして!なさけない!」


ソニアは、昨晩からユリウスの行動を見ていて、とても悔しく腹立たしくなり、爆発した。



パチパチパチパチ



コルラド王と、アイナが、拍手する。



ユリウスが、勢いよく起き上がった。



「そうだ!私は何をビクビクしていたのだ!そう、私はこの国!大陸一の丞相ではないか!ゼム王達は、もういらっしゃらないですよね!」


(切り替え早!でも、一応、二人がいないの確認するあたりは、ユリウスらしい)



四人は、笑顔で頷く。



「王様!早速打ち合わせしましょう!今後の政策の事を!マイ姫様!卵は、ここに!ソニア、マイ姫様の部屋にお運びしろ」


ユリウスが、指を指す。
ベッドの中に卵があった。


(ユリウスも、卵温めてたのね!だからうずくまっていたのか)


「あいがと!ゆりぃうす!もうひとつおねがいあうの、きいてくえる?」


「はい、何でしょう?私にできることならなんなりと」



「あたしに、このくにや、たいいくのこと、せえじのこと、おしえて?そえと、ここのほん、よませてほしいの、ため?」


コルラド王が、答える。


「マイ?ここの本は、凄く難しいのだぞ!それに、魔法書などもある、マイには、早すぎると思うが?」



アイナと、ソニアも同じ意見であったが、ユリウスだけが違った。


「マイ姫様、ひとつうかがってもよろしいですか?」


マイは頷く。


「精霊は、ご存知ですか?」




『精霊とは、魔法を使うために、必要な普通の人の目には、見えないが感じることの出来るもの、それは自然の中に存在していると、言われる。
この世界には大きく分けて。七つが存在している。

火・水・地・風・光・闇・無

これを、七大属性と言われている。

その他にも、マグマや氷、雷など自然の中に存在している物も、精霊がいると言われる。

その精霊が認めた人は魔法を使う事ができるが、その代わり自分の精神力を代償だいしょうとして精霊に、分け与える。

精霊の力が、強いとより強力な、魔法を使えるが、精神力が、必要、そして精霊と、仲良くなる事でその代償はへる。

なので、どの国々も、精霊と神をまつうやまう。

精霊の上位種を幻獣と呼び、幻獣と、契約すると、一国滅ぼす事の出来る程の強大な力を手に入れれるが、代償の精神力も並ではなく、大魔導士でも、一度使うと、精神崩壊してしまうと言われている。

精霊も、幻獣も、モンスターの、一種であると、最近の研究で分かったらしい』




「しょにあに、えほんなどで、おしぇてもらってるよ、でも、しぇいれいしゃんはえほんと、すこしちがうの、もっとかわいいよ、でも、はじかしがいやで、なかなかでてこないの!」



四人の目が点になる。


「姫さま?今なんと?精霊を見た事があるのですか?」

ソニアが、聞く。
他の三人も、興味津々だ。


「うん、どこでもかんじうし、たまに、でてくうよ、でも、はなしは、したことない、なんかいいたそうなときあうけど、ちいさくて、きこえないかんじ!よく、あたしのへやにきて、あそんでうの、いろいろな、いおのおようふくきてうよ!たぶん、あえがゆりぃうすのいう、ぞくせいかも」




「マ、マイ姫様?どんな形とか絵とかに出来ます?」


ユリウスが、紙とペンをマイに渡す。


「あたし、えあまりかかないから、じょうじゅに、かけるかわかぁないよ!」


「全然構いません、マイ姫様の見たまんま、感じたまんまでいいので、お願いします」

そう言うと、ユリウスは、本棚から一冊の古めかしい本を取り、ペラペラと、中身を見ている。


マイがペンを持ち書き始める。


紙には、芋虫いもむしみたいな物が、洋服を着て、帽子を被っている。

そして、その後妖精ようせいみたいなものを書いた、こちらも洋服と、帽子。


ユリウスが、コルラド王達に自分の見ていた本を見せる。



「そっくりでは、ないか!多少の容姿は、違うが、この本に書かれている物に、似ているぞ!」


「マイ?このお洋服に、色があるの?」


アイナが質問する。


「うん!でも、ものすごいちいさいの、はねが、はえてうこは、すこしおおきいけど、でも、あたしのちゅめぐらい」


マイは、3才の自分の小指を前に出し四人に見せる。

ユリウスが、見ていた本は、昔この世界に、君臨した、三代大賢者の残した遺物であった。
その中に、こうつづられている。

『私はやっと精霊を見ることが叶った、これまで、幾百の荒業を行い、やっと八十と半ばで、これを体得した、この奇跡とも言える事を、私は後世に残す、これが私の最後の使命とする』


四人は、生唾を飲む。
それもそのはず、伝説の大賢者が、死ぬ間際に出来た事を、まだ3才の子供が、平然と出来ているのだから。


ユリウスが、話し出す。


「マイ姫様、その、精霊が見える事は、私達以外知りませんよね…」

マイは頷く。


「分かりました、明日から、私がマイ姫様の、家庭教師になります。魔法の基礎から、政治、この国、世界の事、そしてモンスターの事も、私の知識を全てマイ姫様に、お教えします。なのでコルラド王達も、協力して頂きたい!
それと、マイ姫様に約束してもらう事が、あります、精霊が見える事は他言しない、ここにいる五人だけの秘密です。
後、魔法は5才まで使用させません、守れますか?」


「あい!まもう!」

(やったは!これで私は、この世界の勉強ができる、魔法は5才まで、使えないみたいだけど、基礎は、教えてくれるのね、早く大きくなって使ってみたい!
でも、なんで5才なのかな?早すぎると、体に良くないとかかな?それでも、焦らないで一つずつ物にしていけばいいのね、だって私まだ3才なのだから!)


「ソニアも、マイ姫様と一緒に勉強してもらいます!後コルラド王達は、絶対に勉強については甘やかさないと誓えますか?」



いつになく真剣なユリウスに、コルラド王達も、了解した。


「わ、わっかた、努力する」


(わたしも勉強するのですね、高等部も終わり、もう勉強しなくてもいいと思ったけど、ユリウス様に直接お教えいただけるなら、この上ない話、頑張ろうっと!)

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