私だけの素敵な仲間達〜この世界に生まれて〜

北山雪美

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誇波の中の世界の誕生

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私の名前は、美船誇波。
歳は19で、大学1年生だ。

自分で言うのなんだが、幼い頃は優秀で、成績も良い方だったし、人との関わりも得意だった。

でも、そんな順調な日々は、長く続くことなく、県立の高校に入学し、半年がすぎた頃くらいから幸せだった日々は一気に崩れ落ちる。

高校1年生の秋頃に日々のストレスなど、今まで積もりに積もったものが抑えきれず溢れだしてしまい、抜毛症を発症した。
厳しい両親だった為、親にも言えず、学校の先生に相談すると親にバレると思った為、先生に相談することも出来ずに、独り考え悩む日々だった。

ある時、いつも行動を共にしていた3人のうち、特に仲の良かった子が私の様子がこの頃おかしい事に気付いてくれたらしく、話しかけてきた。

「ねぇ、誇波~。
最近元気ないじゃん。どしたの?
なんかあった?話聞くよ?」

初めて周りの人に掛けてもらったその言葉が嬉しくて、私はその子に抜毛癖があることを話した。

「大丈夫だよ。
気なしない、気にしない~
抜毛は、悪いことじゃないよ。
誇波は、優しいから、自己嫌悪が強いんだよ。
なんかあったら私にいつでも相談して?
私だけは誇波の味方だよ!」

彼女はわたしにそう言ってくれ、私にとっての相談相手ができた。

12月
抜毛症が酷くなり、自分では隠しきれなくなってしまい、相談相手の彼女に、ヘアセットを頼んだ。
彼女は快く受け入れてくれ、私の髪型を毎日直してくれていた。

1月
冬休み明けで久しぶりに学校に行き、3人の友達に会ったら、何故かほか2人も抜毛症のことを知っていた。

「うわ~、マジでハゲじゃん!キモイんだけど~」
「そうやって、髪の毛抜いて、心配して欲しいわけ?かまってちゃんじゃん!」

などと言ってきた。
相談相手の彼女は何も言わずにその様子を見ているだけだった。

そのうち、彼女も口では言わないが、行動で2人の味方をするようになり、私のヘアセットをしてくれなくなった。

その為、隠しきれずに、下を向いた時に教壇にたっていた担任にバレてしまい、別室で話をした。

幸い、優しい担任だったため、担任がヘアセットをしてくれることになった。
だが、両親にはちゃんと自分から告白しなね。といわれ、その日の夜に私は勇気をだして、母親に告白した。

精神病に理解のない母親は、私を厳しく叱り付けた。
2時間ほど説教を受けただろうか?
その時ちょうど父親が帰宅して、その話を聞いた父親は、何故、自分を傷つける?自分を傷つけて何になる?と、当たり前の質問をした。
だが、当時の私にはその質問ほど辛い質問はなく、両親の前で弱い姿を見せることも出来ずに、自分の部屋に閉じこもった。

その頃からだろうか?
頭の中で声が響き始めたのは…
その頃は、すごく小さい声で、何を言っているかもわからず、なにかの音が声に聞こえたのだろうと思い全く気にせずにいた。

時は経ち、高校二年生になった。
家畜動物の獣医になりたかった私は、理数科に進んだ。
今思えばその選択が失敗だったのだ。

理数科の担任は女性の先生だったが、気が強い先生だった。
前の担任から事情は引き継いでいたものの、精神病に対する理解は浅く、気の持ちようで何とかなる。という考えの先生だった。

行動を共にしていた3人のうち1人は同じ理数科に進み、ほか2人は別々の科に進んだ。
それでも休み時間や集会などがある時には行動を共にしていた。

その頃から軽い登校拒否をし始めた私は週に1~2日は学校を休むようになっていた。

私からしたらたったの2日だが、彼女達にとっては物凄く長い時間だったようで次に登校した時には私は「仲良し4人組の一員」ではなく、「仲良し3人組のパシリ」という位置付けになっていた。

それでも、友達がいないと親に心配かけると思い、親の前で仲のいいフリをしてもらう為に言われるとこはなんでもやった。

昼食の時も3人は椅子に座って食べていたが、私だけ床に座り、3人の食べた後片付けをしたり、購買に買い物に行ったりした。
移動教室や集会の時に4人分の荷物を持ち、足をかけられて転ばされてもめげずに行動を共にしていた。

だが、それも限界というものがあったみたいで、高校二年生の5月頃から自傷行為が酷くなり、リスカやアムカをするようになった。 
人混みに行くと、息が荒くなり過呼吸を起こすようにもなった。
聞こえるはずのない声が聞こえる幻聴、見えるはずのないものが見える幻視、ないものがあるように感じる幻覚と言った症状が出てきた。
それと同時に拒食症にもなり、ものも食べれないような状態だったが、食べないと親に心配をかけたり、怒られたりするのが怖くて、少ない量を時間をかけて食べ、親にバレないように戻したりしていた。

担任が親に私の状態を話してくれ、精神科を受診するように勧めてくれたが、精神科に嫌な固定概念がある母親は近くの内科に連れていってくれた。
幸い、内科の医院長と知り合いだった為、母親を説得してくれ、すぐに精神科を受診することが出来た。

だが、受け持ってくれた先生が悪く、仮病扱いされた挙句、カルテにも散々なことを書かれたようで、同じ病院のほかの先生2人にも診てもらったが結果は変わらなかった。

見るに見兼ねた父親が知り合いのつてで、とある病院の副医院長先生を紹介してくれ診てもらうことが出来た。
そこで診断された病名が、統合失調症、双極性障害、パニック障害等であった。

病名がついても、精神病に理解のない母親には私が仮病を使ってるとしか思ってもらえずに母親の態度はいつも通り…それどころか以前にも増して強くあるようになった。

その頃から徐々に頭の中で響く声が大きくなり始めた。
その頃はまだ幻聴だと思い、気にしないようにしていた。

二学期からはろくに学校にも通えず、好きだった外出も出来なくなり部屋にこもりがちになった。
パニック障害が理解出来てない母親は無理やり私を家の外に連れ出したりしていた為、病状は悪化し、薬は増えるばかりだった。

毎日、大量の薬を飲まないとまともに生活をできない日々にうんざりしていた。

病状が悪化し、前のように生活が出来なくなり、自己嫌悪に陥り、希死念慮、自殺願望が芽生え、薬の多量摂取(オーバードーズ)、リスカ、アムカ、レグカ、抜毛を繰り返す日々。
信じていた相談相手にも裏切られ、どうしようもなくなった時に、中学校時代からの友達が連絡をくれた。

彼女も中学校3年生の頃から精神病を発症していたため、私にとって唯一の病気に理解のある相談相手であった。

当時の私は彼女に依存しすぎてしまっていたようで、彼女なしでは生きていけない、彼女は私の生き甲斐、自分なんかよりも彼女が大切だと思っていた。
その為、自分の悩みを相談して彼女に負担をかけるなら、自分一人で抱え込んでいた方が良いと想いこみ、誰にも相談できずに、自殺未遂を繰り返す日々を過ごしていた。

自傷行為が徐々にエスカレートしていき、いっその事死んでしまおうと思い、いつも以上にODをして、救急搬送され、1週間入院した後に退院し、今まで通り、自傷行為をする日々を過ごしていた時に、とあるSNSで、病気仲間を見つけ、意気投合し、メッセージや電話でのやり取りをし、実際に会ったりしていた。

彼は今では私たちにとってはとても偉大な存在であり、感謝してもしきれない人になった。
私は彼のことを進さんと呼ぶようになった。
進さん自身も精神病を持っていて、現在も闘病中なことから、色々なことを相談し、アドバイスなどをもらったりしていた。

それから少ししたくらいから頭の中の声がハッキリと聞こえるようになった。
初めは幻聴かと思っていたが、そうではなかったらしく、徐々に頭の中で姿まで見えるようになっていた。

その頃から、私の記憶にはないことを進さんがいいはじめたのだ。
例えば、話した記憶のない話をしっていたり、私の記憶にない会話を教えてくれたり。
それだけではなく、日常生活を送っていても、ふと気づくと前に覚えている場所と全く違う場所にいたり、買ったり貰ったりした記憶がないものが家にあったりと、日常生活の中で違和感を覚えるようになっていた。

それからすぐに、私は自分の頭の中が見えるようになった。
見えるようになったと言っても、脳の細胞等が見える訳ではなく、白い部屋と7つの水槽だけが見えた。
そのうち、6つの水槽の中には人が丸くなって寝ている姿が見えていた。
そのうち、脳内にいる人たちとの会話、意思疎通ができるようになり、自分が中にいる時の記憶を貰えるようになった。

進さんがそれぞれの人格に名前をつけてくれた。

私はどうやら主人格というものらしく名前はそのまま誇波とよばれていた。

清潔なものが好きで丁寧語を話すましろさん。

鳥(特にオウム)が好きで、歌を口ずさむのが好きなハミングさん。

主人格である誇波に近く、星を見るのが好きなほしみさん。

静かにしているのが好きで、鬱状態の時の誇波に近く、喋るのが苦手で、基本うんしか言わないしずかさん。

テンションが高く、躁状態の誇波に近く、喋ることとお花が好きで、誇波に1番近いまどかさん。

年齢は恐らく5歳くらいで子供っぽく、「あそぼ!」が口癖なみよこちゃん。

彼女達と話をし、このままそれぞれが好き勝手にやっていたら誇波の両親や周りの人にバレてしまい、統合されてしまう恐れがあるから、基本は主人格である誇波が外に出て、自室のなかや、進さんの前でだけ他の人が出てきても良いことに決まった。

それまであまり友達のいなかった誇波にとって、脳内の人達は良き友で良き相談者にもなった。

だが、やはり良い日々は長く続くことはなく、まどかさんが脳内にある「白いクスリ」を見つけて大量に飲んでしまう。
その、「白いクスリ」を3粒飲むと、半分消えかかってしまい、5粒飲むと死んでしまうという恐ろしい薬が脳内には存在しているのだ。

脳内にいる人の中で1番明るかったまどかさんは主人格ではないが、主人格の誇波よりも明るかったために外の人と関わる可能性が高い時(外出時など)には常に外に出ていた。

主人格以外の人が外に出ることはその人にとってとても負担の大きいことである。
それは、肉体的にも、精神的にも言えることである。
それ故に、精神的苦痛に耐えられなくなったまどかさんは「白いクスリ」を探し、15粒飲んで死んでしまう。

その後すぐに、精神があまり強くない主人格の誇波は突然死んでしまう。



では、今は誰が主人格で、誇波の代わりをしているのか?…って?

失礼。申し遅れました。
あたしの名前はスカーレットと言って、この前まで主人格だった者。
いまは、主人格を交代制にして皆で変わりながら生活しているので、あたしではなく、後に出てくる瑠璃姫という子が主人格を務めている。

外に出て、外の人と会ったりといったような日常生活をする時は皆もともとの体の持ち主である誇波の振りをして生活している。

精神的に参っていた誇波(身体)の脳内は、たくさんの人格が一気にできて、今思えば脳処理が追いついていないような状態で、脳の支配者が元通りの1つの人格に絞ろうとして、人格を死ぬようにしむけていたのだと思うが、それ以上に誇波(身体)自身が、自分一人の考えだけでは決断できず、色々な考え方をする為に、あえて、たくさんの人格を生み出したのだと思う。
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