てるる綴れ

てるる

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ムスコン 2

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こーちゃんのママは心配症だ。

うちのナオはエネルギーがありあまったやんちゃな子で、
暑い日も寒い日も、朝から晩まで公園につきあわされるのに
耐え切れず、3歳から幼稚園に放り込んだ。
ナオがご機嫌で通ってくれたので、本当に
ホッとした。
子どもが求めるもの、必要とするものを
イマドキの核家族の生活の中だけで満たすことは
不可能だ。
子どもがそれを望むのなら、なるべく早く
社会に出してやるのがいいと、わたしは強く思う。

こーちゃんのママは、なんなら小学校まで
ずっと手元に置いておきたかったけど、
さすがにそれはよろしくないと思い、
泣く泣く年中さんから幼稚園に預けたそうだ。


「もー気になって気になって、毎日幼稚園の
垣根から中を覗いていたの。
そしたら通りすがりのおばあちゃんに、
『ほかの楽しみをみつけないとダメよ』
って言われちゃった」

親の過剰な心配は子どもの心に不安を植え付ける。
でも、まだ判断力のない子どものことだ。
特に男の子は口が重いから、何かあったとしても、
親に言わないことも多い。
その理由は多くの場合、本当に自分の気持ちが
よくわからなかったり、「めんどくさいから」なんだけど、
女親としては、ナットクできないものである。
こーちゃんのママは姉妹育ちだけど、
わたしは兄も弟も居るし、そのあたりは心得ている
つもりだ。

こうした場合、男の子のママの強い味方は
女の子のママである。

女の子はママの化身。
密偵のごとくつぶさに幼稚園であった出来事などを
報告してくれるし、概ね正確である。
オソロシイ。


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