せんせい、僕に描き方を教えてください

てるる

文字の大きさ
31 / 38

テーマ1

しおりを挟む
生徒の親のことを悪く言いたくはないが、
このグローバル化時代に、
職人に学問は要らないとか、女の子は勉強が
できなくても、と平気でのたまう保護者は
まだ多い。
昔のように変化が少なく、流れが緩やかな時代ではない。
想定外を想定内に、機敏に対処できるようにならないと
世渡りは難しい。
時流を読むことの大切さは、狭い世界に棲んでいては、
気づくことさえできないのだろう。
そもそも自分が狭い世界の住人であることさえ、
自覚していないのではなかろうか。

翔の両親は、大卒だからだろう、担任の卵先生の
説得に応じ、すんなり大学受験をする方向で
進路変更した。
ひょっとすると、渡りに舟だったのかもしれない。



受験勉強の合間にも、俺たちは創作よもやま話をつづけた。
世界史などは、わからないとか教えるとかいうことなど
そう無いからな。
疑問に思うことがあれば、議論にはなるけど。


「作者は何か伝えたいことを明確に持って
読者に間違いなく届けるべきでしょうか?」


「そうあるべきだと主張していた作家は知ってる」


読者に丸投げするのではなく、こちらの意図を
正確に伝える技術が大事だということだったと
思うが、まあ、そうだよな。

エンタメでありつつ、行間を読ませつつ、
かつ、確実に作者の思うところに到達させる。

すごい技量だよな。

それができないシロトは、本来本文中で
読み取らせなくてはいけない設定などを
箇条書きにしてしまうのだ。
まあ、そういう「設定集」を愉しむ向きは
相互方向に満足できるだろうが、
表現の巧拙にかかわらず、読者が読み間違うのを
ひどく嫌うひともいるから、WEBなどでは、
うっかりコメントもできやしない。

そう読んでほしいなら、そのように読めるように
描かないとね。
いちいち解説するんじゃなくてね。


この話に及ぶと、俺はいつも『星の王子様』を
思い出す。
あの「帽子」だ。
小学生の頃に読んだきりで、うろ覚えだが、
あれは確か、大人は頭が固くてイマジネーションに
乏しいから、あれが本当は何かを呑んだ蛇であることが
わからないとか、そういうことだったと思っているんだけど、
多分、本当は子どものほうが頑なである。

チビこい甥や姪が、何か絵を描いてもってくる。
それを読み解くのが俺にとっては試練だ。
もしちょっとでも間違ったら、大騒動。
彼らは、何かを正確に描けるのがいいことだと
思い極めているからな。
そうでないものに見えたら、たいへんなのだ。

ん?あれも何かを呑みこんだ蛇が正解だから、
結局、同じことか?
まあ、いい。

俺は、いろんなものに見えたほうが面白いと思う。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

同級生

真田直樹
青春
主人公:新田里奈(にった・りな) 彼氏:藤川優斗(ふじかわ・ゆうと) 二人の共通のクラスメイト真奈 (まな) 同じ高校の同級生 笑 涙 人生を一生懸命に生きる物語

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

処理中です...