どうやら世間ではウイルスが流行っているようです!!

うさ丸

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01. スローライフ生活開始

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 まだ日が昇らない時間帯。室内に入った冷たい風で身体が震える。
 寒い!寒すぎる!!朝晩は冷える。
 スマホからアラームが鳴るが、直ぐに切り二度寝に入る。掛け布団を引っ張り再度夢の中へ向かう俺を現実世界に戻そうとするヤツが現れた。
 「アウ、アウっ!」
 番犬として飼っている雑種のコロ助だ。
 中々起きない俺を起こしに来たのだ。何度も吠えるが反応が無かったので今度は前足で高速掘り掘りで起こしに来た。
 「イタタっ!ちょっ、コロ・・・」
 鼻をフンフン鳴らし、起きない俺に攻撃を続ける。たまらず掛け布団で防御するが難なく突破された。ウサギの様にピョンピョン跳ねたと思えば顔を突っ込み甘噛み攻撃。
 「分かった、起きる!起きるからっ!!」
 身体を起こしヨダレまみれになった顔を洗顔して愛犬に朝食を出し自分も朝ご飯を済ませた。冷蔵庫に食パンと野菜があったので、簡単なサンドイッチを作り食べた。さっきまで容赦なく飼い主を攻撃していたとは思えない愛犬コロ助はご飯にがっつきお皿をピカピカになるまで嘗めている。朝ご飯を済ませ30分休憩後またコロ助が鳴いた。尻尾をブンブン振る。
 「分かったよ、散歩だろ」
 リードを付けたとたんに猛ダッシュ!!
 待て!ちょっと待て!!
 俺を無視して走り出すコロ助に引っ張られる形で林の中から山道へ向かった。
 余り手入れされてない山道は熊や猪といった害獣も通るコトがあるので気おつける様にと山で狩猟をしている集落の人間のほりさんから注意を受けた事があった。
 集落に移住したばかりは山から大きな音が響いていたがここ二年位は銃声の音が聞こえない。
 今日もボウズか?と思える位に生活に慣れてきた。
 素人からすれば山に入っても熊や猪に出くわす心配が無いのは嬉しいコトだし、山菜取りもしやすいだろう。
 若いヤツの手が欲しいからって狩猟の免許取らされるとは思わなかったなぁ~。先に移住していた鉄さんなんてニヤニヤしながら「良かったな」って言いながら親指立ててたし。
 狩猟免許持ってると便利だぞって押し切る形で取らされたが今の処、役に立っている様には思えない。一時間掛け散歩を終えコロ助にオヤツを与えて家の中にいてもらった。
 今日も畑の雑草取りの作業から始めた。
 雑草も取り終わり水やりを行った。
 畑を見つめて思った。
 
 「長かった・・・ここまで来るのに約七年もかかってしまうとは」
 親と絶縁してまで選んだ、農業しながらスローライフ生活の計画が頓挫とんざする所だったのだ。
 予定ではニ~三年でお金を貯める計画だったはずが、五年も掛かってしまったのだ。
 それから移住して二年が経った。計画にやや変更が有ったものの問題無く生活を続けている。

 まさか、あんなイレギュラーな事に見回れるとは思っても見なかった。
 
 畑の作業を一時中断して休憩を取りながらテレビの電源を付け朝のニュース番組を見た。
 やはり、どのチャンネルも似た様な内容の番組だった。
 「また同じ内容か・・・」
 「今日も都心では感染者の数が増え対応している病院では・・・」と女性アナウンサーが淡々と話している。
 「感染者数は日に日に増えている為不要な外出は避け・・・」男性アナウンサーが注意事項を告げ終わるとCMに入った。
 「都会・・・怖いなぁ~」
 

 約七年前、両親と縁を切りスローライフ生活のお金を貯めるべく仕事をしていた時期。少しでも早く資金を貯めたかったので住み込みで働ける寮付きの派遣社員として働いていた。仕事にも慣れた頃、周りがヒソヒソと話をしていたのを耳にした。
 「ウイルス?折角、前の●●●が収まって来たのに・・・」
 「本当、怖いわぁ~」
 なんて内容だった。
 当時、ニュースなんて見ていなかった俺は高校卒業したばかりで世間知らず物知らずだった。コミュ章で奥手だった自分は人間関係につまずいた。
 働いて一年位して会社内で不穏な空気になった。
 「申し訳無いが明日から時短勤務でお願いします。」
 まさかの時短宣言!!
 スローライフ生活の資金が!!計画が!!!
 時短により給料の金額が減ってしまった。
 「俺の計画が遠のいたーーーっ!!!」
 その為、このまま働くか辞めて別の会社に転職するか悩み悶えた。
 親無し家無し資格無しの高卒なんて雇ってくれるか分からないと悩んだ末退職を思い留まり同じ所で働き続けた。

 なんやかんやで頑張った約五年間、目標の金額も貯まり計画していた"スローライフ生活"を開始した。
 「長かった、長かったんだよ~」と言いながら居間でくつろぐコロ助を抱きしめスリスリした。
 「ガウガウっ!!」
 コロ助がたまらず吠えた。
 それも構わずスリスリを続けコロ助の温もりを堪能たんのうする。
 「はぁぁ~たまらん、このモフモフ感と肉球・・・心が癒される~」
 逃げようと腕の中で暴れるコロ助と構わずスリスリを続ける俺の様子を室内で見ていた者がいた。
 「何してるの?いっちゃん・・・」
 「!!?」
 声に気づき振り返ると鉄さんの娘の優子と弟の大地がソコにいた。
 「優ちゃんに大くん、また勝手に入って来たの?!」
 「うん、コロを触りにきたの」と娘の優子が言った。
 「コロ~」と撫で始めた弟の大地にコロ助は俺の腕からすり抜け二人に尻尾を振り、お腹を見せアピールをした。
 相手に対しての接し方に温度差を感じる。
 コロ助も喜んでいる。俺の時と態度が違う!!
 優子、大地は俺と同じ移住組で先に移住した先輩に当たる西岡家の子供達である。鉄さん(鉄也)の子供でふもとの小学校に通っている。
 「ゆうだい遅刻するぞー!」
 声を掛けたのは父親の鉄さんだった。
 「鉄さんノックして下さいよ」
 「別にいらないだろう?ノックなんて」
 ノックせず室内に入る、田舎あるあるだ。都会育ちだった俺は未だに慣れない。
 「いっちゃん、いっちゃん家のお野菜ある?」
 「これから畑で取るけど?」
 「じゃあ、前に貰ったお野菜が欲しい~あのカラフルな野菜!」
 カラフル・・・?嗚呼、京野菜のヤツか。
 「アレは道の駅に出荷するから」と断ると頬を膨らませる優子。別の野菜をやるからと言ってもイヤの一点張りで引き下がらない。
 そもそも料理するのはお母親の美咲さんだろ。
 二人の襟首を掴んで車に押し込み麓の学校まで車を出発させた。車を見送り手を振った。
 行ってらっしゃい~。
 さて、邪魔者が居なくなったし出荷準備急ぐか!

 現在朝の六時三十分、出荷用とご近所に配る用と小分け作業を進めたのだった。
 畑で取れた野菜を道の駅へ出荷、終わる頃には九時を回る頃だった。急いで集落へ戻ると十時を回る前だったのでご近所へも取れた野菜を配って回った。
 配り終わるとちょうど、十二時だったのでお昼ご飯にした。準備しているとコロ助の胃袋が鳴る。
 キュルルル~・・・
 「動物の腹時計は正確だな」
 畑の見える縁側に座り昼ご飯を食べた。
 青空の元、涼しい風に当たりながら縁側でゴハン・・・スローライフ生活やっぱ最高ーーー!!

 七年前とは雲泥の差だ。取れたて野菜マジ最高。
 午後はゆっくりネットサーフィン!!
 
 ストレスフリー万歳!!

 
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