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06. 避難して来た自衛隊?!
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なんでこうなった。
「すみません、おぶって貰って・・・」
「構いませんよ、コチラも助けて頂いたので」
自衛隊の真壁さんにおんぶされる形で集落までの山道を歩いてもらう事になったが、これは恥ずかしい!
だが、こればかりはどうしようも無いのだ。
山道を登ろうとした途端、コロ助が急にダッシュを決め走り出したが膝に力が入らず倒れてしまい真壁さんにおぶられ集落へ向かう羽目になった。山道を登り約一時間程で開けた場所が見えて来た。
「着きました、此処が暮らしている集落です」
「あーーーっ!!いっちゃんっ!!!」
遠くにいても響く大きな声、この声の主を俺は知っている。
そう・・・声の主こそ西岡鉄也の娘、集落の怪獣優子である。その後ろに小さな怪獣がもう一匹くっついていた。
「おんぶー!おんぶー!」
俺を指さしおんぶを連呼する弟の大地。恥ずかしいっ!!
「樹?!今まで何処にいたんだ?」
真壁さんのおんぶから解放され簡単に紹介した。
「コチラ自衛隊の真壁さんです」
どうも、どうもとお辞儀を交わした。
「コチラは俺と同じ集落に移住した人で西岡さんです」
「自衛隊ってこの近くにあったか?自衛隊の人が、どうしてウチの集落に?!」
西岡鉄也が疑問を口にする。
「実はーーー」
キュルルル~・・・
腹の虫がまた鳴ってしまい話しを中断してしまった。
「すいません、朝から何も食べてなくて・・・」
お腹を抱えた。しかし限界が来たのはコロ助の方だった、ヨダレが滝の様に流れ出していた。
「詳しい話しは後日しますので今日は失礼します」
真壁さんに自分の連絡先を教え、コロ助のリードを引き家に入りエネルギーを補充した。遅くなってしまったが朝食を済ませた。
「ハフン!ハフン!」
喋りながら遅目の朝ご飯を平らげ、お皿がピカピカになっても嘗め続けるコロ助。
「ご馳走様~」
前足でお皿をトントンと触るコロ助、おかわりを要求。
「ご飯だとカロリーオーバーだからコレでもかじってろ」
猪の骨をあげると器用に前足で挟みガツガツ音を立てながらかぶり付いた。
朝食を済ませ一息着き、今日おきた事を思い出した。
(それにしても自衛隊か~・・・✕✕市から来たって言っていたけど何があったんだろう?自衛隊の動向が気になるけど荷台に乗っていた一般人の人達もちょっと・・・何と言うか表情が暗いし俯いていたし)
地震や災害が原因ならニュースで流れるはずだ。
テレビの電源を付けチャンネルを次々と変えたが載っていなかった。
「地震とかじゃないのか?!」
ふと気になり文明の叡知であるパソコンの電源を立ち上げるが調子が悪い。
「どうなってるんだ?テレビは付くのにパソコンはエラーって・・・」
パソコンをいじっていると付けっぱなしにしていたテレビの画面が映らなくなった。
「はぁ?!何だこれ!!」
パソコンに続きテレビまでおかしくなってしまった。
「イヤ、イヤちょっと待て!」
リモコンで他のチャンネルも確認するが次第に映らなくなった。
「樹くんいるかい?」
突然声をかけられ一瞬ビクリと肩を動かし振り向くと同じ移住組の相河家の旦那の藤さんが声をかけた。
「相河さん?」
「実は家のテレビが映らなくなってね。君の所は大丈夫かと思って見に来たんだよ」
相河さんが言うにはどうやら他のお宅でもテレビが映らなかったりパソコンが使えなくなったようだ。
「急にどうしたんだろう?妻もパソコンが使えなくて困っているし・・・」
「何処の電線ケーブルが電線したんですかね?」
「う~ん、他の人にも聞いてみるよ」
じゃあと言い去っていく相河さん。
(夕方になってもこのままなら電力会社に電話してみるか・・・)
一方、麓の学校では教師達が集まり会議が行われていたが重々しい雰囲気だった。
「では、先生方はしっかりと児童達に伝えて下さい。配布するプリントも忘れずに」
校長先生が今後についての話しを行った。
その後先生達は各、担当のクラスでプリントを配り話しを始めた。
「えー皆さん、そのプリントは必ずご両親に見せるように」
プリントには時短午前のみ→学校閉鎖と閉鎖に伴い詳しい説明が記載されていた。
「やったーーーっ!!休みだぁ!!!」
学級閉鎖は小中学校共に行われた。
子供の親達は急な事で驚いた。
その頃旅館場々では自衛隊の人達が慌ただしく動いていた。一緒に行動をしていた一般人は食事を取り温泉で身体を温め休息の場を設ける事ができ安堵した拍子に涙を溢す人や身を寄せ会い無事である事を確認した。
「無線で何か拾えたか?」
「何も・・・」
無線機を扱っていた自衛隊が首を振る。
「情報が何も入って来ない、この状況も何時まで持つか分からないというのに・・・」
女性の自衛隊が作業中の隊員に飲み物を配って回っている。
「お疲れ様です。温かいお茶でも如何ですか?」
「ありがとう桃山さん」
無線機で作業していた男性隊員瀬戸が勢い良くそのお茶を飲み干した。
「休む場所を提供して頂いて助かりましたね」
女性隊員の桃山の顔から疲れの色が伺える。
「そうだな、しかしこの辺りにもまだ人がいるとは思わなかった。てっきり・・・」
傍で作業を見守っていた他の隊員も口を開いた。
「この周辺まで上手く伝達されて無い可能性がありますね」
「そうだな。見るからにネットワーク関係が良くなさそうだし、反ってそれが功を奏したんだろう」
仲間達と話し合い後日、周辺に住む住民に説明をする機会を設ける事になった。
その後の話し合いで麓の住民の代表と山奥に住む集落の代表と話し合いが行われ外の情報を知る事となったがこの話し合いが亀裂を生むコトになるとは、まだ誰も知る良しもなかった。
「すみません、おぶって貰って・・・」
「構いませんよ、コチラも助けて頂いたので」
自衛隊の真壁さんにおんぶされる形で集落までの山道を歩いてもらう事になったが、これは恥ずかしい!
だが、こればかりはどうしようも無いのだ。
山道を登ろうとした途端、コロ助が急にダッシュを決め走り出したが膝に力が入らず倒れてしまい真壁さんにおぶられ集落へ向かう羽目になった。山道を登り約一時間程で開けた場所が見えて来た。
「着きました、此処が暮らしている集落です」
「あーーーっ!!いっちゃんっ!!!」
遠くにいても響く大きな声、この声の主を俺は知っている。
そう・・・声の主こそ西岡鉄也の娘、集落の怪獣優子である。その後ろに小さな怪獣がもう一匹くっついていた。
「おんぶー!おんぶー!」
俺を指さしおんぶを連呼する弟の大地。恥ずかしいっ!!
「樹?!今まで何処にいたんだ?」
真壁さんのおんぶから解放され簡単に紹介した。
「コチラ自衛隊の真壁さんです」
どうも、どうもとお辞儀を交わした。
「コチラは俺と同じ集落に移住した人で西岡さんです」
「自衛隊ってこの近くにあったか?自衛隊の人が、どうしてウチの集落に?!」
西岡鉄也が疑問を口にする。
「実はーーー」
キュルルル~・・・
腹の虫がまた鳴ってしまい話しを中断してしまった。
「すいません、朝から何も食べてなくて・・・」
お腹を抱えた。しかし限界が来たのはコロ助の方だった、ヨダレが滝の様に流れ出していた。
「詳しい話しは後日しますので今日は失礼します」
真壁さんに自分の連絡先を教え、コロ助のリードを引き家に入りエネルギーを補充した。遅くなってしまったが朝食を済ませた。
「ハフン!ハフン!」
喋りながら遅目の朝ご飯を平らげ、お皿がピカピカになっても嘗め続けるコロ助。
「ご馳走様~」
前足でお皿をトントンと触るコロ助、おかわりを要求。
「ご飯だとカロリーオーバーだからコレでもかじってろ」
猪の骨をあげると器用に前足で挟みガツガツ音を立てながらかぶり付いた。
朝食を済ませ一息着き、今日おきた事を思い出した。
(それにしても自衛隊か~・・・✕✕市から来たって言っていたけど何があったんだろう?自衛隊の動向が気になるけど荷台に乗っていた一般人の人達もちょっと・・・何と言うか表情が暗いし俯いていたし)
地震や災害が原因ならニュースで流れるはずだ。
テレビの電源を付けチャンネルを次々と変えたが載っていなかった。
「地震とかじゃないのか?!」
ふと気になり文明の叡知であるパソコンの電源を立ち上げるが調子が悪い。
「どうなってるんだ?テレビは付くのにパソコンはエラーって・・・」
パソコンをいじっていると付けっぱなしにしていたテレビの画面が映らなくなった。
「はぁ?!何だこれ!!」
パソコンに続きテレビまでおかしくなってしまった。
「イヤ、イヤちょっと待て!」
リモコンで他のチャンネルも確認するが次第に映らなくなった。
「樹くんいるかい?」
突然声をかけられ一瞬ビクリと肩を動かし振り向くと同じ移住組の相河家の旦那の藤さんが声をかけた。
「相河さん?」
「実は家のテレビが映らなくなってね。君の所は大丈夫かと思って見に来たんだよ」
相河さんが言うにはどうやら他のお宅でもテレビが映らなかったりパソコンが使えなくなったようだ。
「急にどうしたんだろう?妻もパソコンが使えなくて困っているし・・・」
「何処の電線ケーブルが電線したんですかね?」
「う~ん、他の人にも聞いてみるよ」
じゃあと言い去っていく相河さん。
(夕方になってもこのままなら電力会社に電話してみるか・・・)
一方、麓の学校では教師達が集まり会議が行われていたが重々しい雰囲気だった。
「では、先生方はしっかりと児童達に伝えて下さい。配布するプリントも忘れずに」
校長先生が今後についての話しを行った。
その後先生達は各、担当のクラスでプリントを配り話しを始めた。
「えー皆さん、そのプリントは必ずご両親に見せるように」
プリントには時短午前のみ→学校閉鎖と閉鎖に伴い詳しい説明が記載されていた。
「やったーーーっ!!休みだぁ!!!」
学級閉鎖は小中学校共に行われた。
子供の親達は急な事で驚いた。
その頃旅館場々では自衛隊の人達が慌ただしく動いていた。一緒に行動をしていた一般人は食事を取り温泉で身体を温め休息の場を設ける事ができ安堵した拍子に涙を溢す人や身を寄せ会い無事である事を確認した。
「無線で何か拾えたか?」
「何も・・・」
無線機を扱っていた自衛隊が首を振る。
「情報が何も入って来ない、この状況も何時まで持つか分からないというのに・・・」
女性の自衛隊が作業中の隊員に飲み物を配って回っている。
「お疲れ様です。温かいお茶でも如何ですか?」
「ありがとう桃山さん」
無線機で作業していた男性隊員瀬戸が勢い良くそのお茶を飲み干した。
「休む場所を提供して頂いて助かりましたね」
女性隊員の桃山の顔から疲れの色が伺える。
「そうだな、しかしこの辺りにもまだ人がいるとは思わなかった。てっきり・・・」
傍で作業を見守っていた他の隊員も口を開いた。
「この周辺まで上手く伝達されて無い可能性がありますね」
「そうだな。見るからにネットワーク関係が良くなさそうだし、反ってそれが功を奏したんだろう」
仲間達と話し合い後日、周辺に住む住民に説明をする機会を設ける事になった。
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