どうやら世間ではウイルスが流行っているようです!!

うさ丸

文字の大きさ
14 / 21

013. 集落に異変か?!

しおりを挟む
 今日はコロ助の散歩コースを変えてみた。
 いつも山や林ばかりだと味気無いので気分転換で違う場所にしてみたのだ。散歩コースを変えるのは犬にとってもストレス発散になるとか前にネットで見たコトがあったからだ。
 目的地は・・・様子見がてら瓦礫で埋もれたトンネルでも見ようというコトで、今はそのトンネルの前にいる。
 イヤ、トンネルだった場所だな。
 俺がトンネルの前に着くと数人の人の姿が見えた。どうやら先客がいたようだ。
 「どうも・・・」
 挨拶のつもりで声を掛けたら俺に気づいて逃げていった。
 何故?声を掛けただけなのに?
 見馴れない顔ばかりだったので、自衛隊の人達と避難して来た人達だろう。
 
 「うへぇ~、トンネルが瓦礫で潰れてらぁ~」
 俺にはこれ以上のリアクションは取れなかった。
 瓦礫を退かして通れるようにするにも重機が必要な程だった。
 「これ見たら、また皆怒るだろうなぁ~」
 次の説明会の事を考えると気が重い。そんな俺とは反対にコロ助は瓦礫に向かってオシッコをかけていた。
 マーキングか?
 片道だけで約四十分以上歩いたんだ、家に着けば疲れて動けないだろう。コロ助が静かだとこの後の畑仕事が楽で助かる、なんて先の事を見越して1日のスケジュールを立てていった。
 
 家に帰り畑仕事を行った。
 「いや~、コロ助が静かだと作業がはかどるわ!」
 いつも邪魔されて作業が大変だったので今後も散歩の時間を少し増やそうと思った。
 あらかた、野菜を収穫し畑がスッキリしてきた。
 一週間程休ませてから土作りを初め、種を植える作業が待っている。
 「今度は何の種にしようか?」
 思案を巡らせていると元気な声が聞こえて来た。
 「いっちゃん、おはようーーーっ!!」
 西岡鉄也の娘、優子だ。
 「なんだよ、朝から!」
 「学校休みで暇だから遊びに来たよ」
 「たよ~」
 目を細目て言った。
 「俺は忙しいんだ、遊ぶんなら他所で遊んでくれ」
 「ケチ~!遊んでよーーー!!」
 ブーブーと怒って遊び相手を要求してきたがそんな要求通る訳ないだろう。拒否を貫いていると足元に引っ付いてきた。
 「危ないだろ、離れろって!」
 「嫌っ!!離れない!!優はいっちゃんのお嫁さんになるんだもん、一緒だもん!!」
 何が嫁だ、俺はチンチクリン・・・子供なんて興味無い!!
 足をブンブン振って引き剥がそうとしたら弟の大地も参戦し背中によじ登ってきた。
 「コラ、離せ!降りろって!」
 相手が子供だと思って手加減していたが頭にきて、ついカッとなって怒ってしまった。
 イラっ!!
 「いい加減にしろっ!!!」
 「「!!?」」
 子供達がビクッと身体を動かし止まった。
 「遊ぶんなら他所でやれっ!!!」
 出てけっ!!と怒鳴ると二人は大音量で泣き出した。
 「「フ・・・フェェェ~~~ンっ!!!」」
 「!!?」
 (しまった、子供相手に!!) 
 「「いっちゃんのバカァーーーッ!!!」」
 優子は泣きながら走り出した。
 「あっ、ちょっと待て!」
 止める間もなく何処かへ行ってしまった。弟の大地を残して。俺は取り敢えず背中に引っ付いていた大地をベリッと引き剥がし西岡家に返品しに行った。
 玄関の戸を叩くと鉄也さんが出てくれた。
 「お返しに来ました」
 まだぐずっていた大地を返した。
 「どうしたんだよ?」
 「お願いですからお子さんから目を離さないで下さい!」
 畑仕事を邪魔され困っていたコトや優子は泣いて何処かへ行ってしまったコトを説明した。
 「すまん、ちょっと目を離した隙にいなくなってたんだ」
 「ごめんなさいね、ウチの子が迷惑かけて」
 午後まで畑仕事をする予定だったがいなくなった優子を探さなければならなくなった。
 「あいつ、何処へいったんだ?!」
 「山の方に行きました、俺も行きます」
 鉄也さんと二人で山へ優子探しを始めた。暗くなる前に見つかれば良いけど・・・。
 子供相手に何、ムキになってんだろ・・・。
 「優子ーーーっ!」
 「優子ちゃーーーん」
 鬱蒼と生えた草が邪魔をして捜査活動が難航した。奥へ行けば行く程に生えた雑草が行く手を阻む。
 「奥の方は人の手が入ってないから伸び放題ですね」
 「足元気おつけろ」
 前を進む為に邪魔な雑草を鎌や鉈で切って慎重に進む。場所によっては足場が脆かったりするので危険だ。山歩きをしている堀さんが山には生き物がいないって聞いていたけど、鳥のさえずりや羽ばたく音が聞こえない。
 熊や猪と鉢合わせしないコトを願い道なき道を西岡さんと進んでいった。

 日が傾き夕焼け刻になった頃、山の奥まで泣きながら歩いていた優子は疲れて木陰の影で体育座りの体勢で、ぐずついていた。
 「いっちゃんのバカ・・・ヒクッ・・・」
 カサカサカサ・・・
 吹き抜ける風が伸びた雑草を揺らす。それに驚き辺りを見渡しやっと気がついた。自分が今、覚えの無い山の奥まできてしまっていたコトに。
 「ここ・・・どこ?」
 何度も見渡すが知らない場所。
 記憶に無い場所で一人っきりとなってしまい恐怖心がまだ幼い優子を襲う。
 「どうしよう・・・どうしよう・・・」
 
 カサカサカサッ!!
 近くの茂みの雑草が揺れる音がした。
 「!!?」
 恐怖で身体が震え足が動かない。
 揺れる茂みが自分の方へ少しずつ少しずつ近づいてくる。
 カサカサッ・・・

 「キャァァァーーーッ!!!」
 耐えられずにその場で悲鳴を上げた。
 
 「アン、アン!」
 「えっ!?」

 聞き覚えのある声がする。
 「コロちゃん!!」
 茂みから出てきて優子に近づき顔を何度も嘗めた。
 「ゴロぢゃ~んっ!!!」
 コロ助を見た安心感からまた泣き出した。コロ助は優子が力強く抱きついても動かず受け入れた。
 「どうしよう帰り道が分かんなくなっちゃた」
 コロ助は前を少し歩いては優子に軽く吠えて尻尾を振った。優子は訳が分からずコロ助の後をついていった。子供の足に合わせ、進んでは優子を確認し、進んでは確認という動作を何度も続けた。
 日が大分落ちて辺りが薄暗くなって来た。
 優子が疲れて座りこんだのを確認するとコロ助も足を止めて座った。
 「お父さん怒ってるかな?」
 コロ助はまた優子の顔を嘗める。

 カサカサカサ・・・

 ピクッと耳を音のする方に向けると優子の前に出て唸り声を上げ牙をむき出しにした。
 「ガルルルーーーッ!!!」
 「コロ?」
 茂みがまた揺れ音がした。風で揺れるよりも大きく揺れて近づいて来る。
 「お父さん?」
 自分を探しに来た父親だと思って茂みに向かって呼ぶが返事は無かった。
 「お父さんっ!!」
 もう一度呼ぶが返事は返って来なかった。

 ガサガサガサーーーッ!!!
 「!!?」
 茂みの揺る音が強くなった。声のする方へ向かって来た。
 暗がりでよく分からないが茂みの中から出て来たのは人と同じシルエットの形をした何かだった。
 優子は集落の誰かだと思い近づこうとしたがコロ助が止めた。コロ助はに向かって唸り声を続けた。
 茂みから出たソレはユラユラと揺れながら、ゆっくり優子とコロ助に近づいた。

 「ガウガウッ!!」
 コロ助が吠えた。
 近づいて来るソレにコロ助は体当たりしたが、ソレにはね除けられた勢いで地面に倒れた。
 「キャイ~~~ンっ!!!」
 コロ助が鳴いた。
 「コロッ!!!」
 地面に倒れたコロ助は、そのまま動かなくなった。
 「コロ、コローーーッ!!」
 優子は動かなくなったコロ助の側へ寄り何度も名前を呼んだがコロ助は気を失ったのか起きなかった。

 ソレは身体を揺らしながら、また近づいて来た。
 もうダメだと思い優子はコロ助を抱きしめギュッと目をつむった。

 
 ドォーーーンッ!!!

 一本の猟銃が火を吹いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密

まさき
青春
 俺は今、東大院生の実験対象になっている。  ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。  「家庭教師です。住まわせてください」  突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。  桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。  偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。  咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。  距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。  「データじゃなくて、私がそう思っています」  嘘をついているような顔じゃなかった。  偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。  不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。

処理中です...