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Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議
第二幕 聖少女伝説 下 旧ニナルティナ軍崩壊① 猫弐矢退席
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「ん、んん……あ、あれ此処は……貴方達は?」
行き倒れていた猫耳美少女はわざとらしく目を開けた。
「此処は冒険者ギルドよ貴方は倒れていたの。一体貴方は何者なの?」
雪乃フルエレは水を与え掛けのコップを持ちながら聞いた。
「私は……諸般の事情で遠く東の海を越えたクラウディア王国から家出して来た、猫呼クラウディアよ。介抱してくれてありがとう」
『候補者No.3、猫呼クラウディア王女』
「猫呼クラウディアちゃんか、可愛い……」
アレスはぽっと頬を赤らめた。砂緒はアレスと猫呼の秘められた恋を捏造するつもりだ。
『諸般の事情って……』
「きっと言えない苦労があるのね。どうかしら、この冒険者ギルドで住み込みで働いてみない?」
「え、いいの? それは凄く嬉しい」
『こうして猫呼王女は冒険者ギルドに住み込む事になったので御座います』
そして舞台はライトが暗くなり夜の冒険者ギルドに。と言ってもセットは同じままだ。
「ちょっとぉ私のタオル使ったの誰!?」
『私知らないわ』
「私も知らな~い」
「あ、ごめん……これ猫呼ちゃんのだったんだ!?」
シャワーを浴びたてのアレスが肩に巻いたタオルをわざとらしく掲げた。
「アレス!? い、良いわよ別に。ちゃんと洗ってよね」
『あ~~猫呼ちゃん顔真っ赤だよ』
「べ、別に赤くなってないわよっ」
「あらあら~??」
(何だよこれ度ラブコメだな。アレスがハーレム化!)
もちろんアレスはギルドに寝泊まり等しないので捏造だった。しかしそれは兎も角、セレネは話に聞いていた砂緒と雪乃フルエレと猫呼の出逢いを実際に追体験している様で不思議な感覚にとらわれていた。
『じゃあ猫呼とアレスさん一緒の部屋に寝ればいいじゃない??』
「ブフーーーッ!!」
「ちょ、ちょっとスナコちゃん何言うんだ!?」
セレネが気付くと夕食の場面に移り、アレスが激赤面して何故か猫呼が牛乳を吹いていた。
「も~~汚い!!」
「げほっげほっ、そそんな訳には行かないでしょ。私はスナコお姉さまと一緒に寝るわよ!」
(おいおい、それはそれでヤバイ設定だな)
セレネは苦手なラブコメ展開に辟易した。
「ふふっ猫呼、偶然にもとても良い仲間に巡り逢えたね! 見届けたよ、これからも砂緒くんフルエレくん達と一緒に居れば安心だね。名残惜しいけどでももう僕は帰らなくちゃならない。アイツが暴走し過ぎ無い様に帰り道を確保する為にね。やっぱり僕は東の地の神聖連邦側の人間なんだ」
(ヤ、ヤベーくわばらくわばら)
偶然猫弐矢の隣に座っていた王族は、突然眼鏡の若いニーちゃんがブツブツ一人で喋り出して恐怖を感じて目を逸らした。構う事無くスクッと猫弐矢は席を立った。その手には丁度黒猫スーツがぴったり入りそうなケースがしっかり握られていた……
(猫呼頑張って! また会おうそして一緒に猫名兄さんも連れ戻そう……)
そのまま猫弐矢は何処かに去って行った。
『しかし楽しい日々は長くは続かなかったので御座います』
「た大変だっ!! 旧ニナルティナの大軍が攻めて来やがった!!」
急遽冒険者ギルドは前線基地として活用される事になった。此処でもセットに変更は無く先程までの喫茶店内に地図が広げられ武器が並べられた。
「俺達冒険者ギルド部隊もお城の兵達と共同してこの国を守る事になった。猫呼ちゃん達は安全なこの村内で待ってて欲しい」
アレスは真っすぐ猫呼の目を見て言った。
「そ、そんな心配だよ、私も行く!」
「駄目だっ! 猫呼ちゃんには危険な目に合って欲しくないんだっ」
アレス役の役者はすっと猫呼の両手指先を優しく握った。
「この戦いが終わったら……君に言いたい事があるんだ」
「え……? にゃに?」
「そ、それは帰ってから言うよ!!」
アレスはそのまま手を振って出陣して行った。
「気を付けてーーー!」
「スナコちゃん、私達も行くわよ! 何としても大軍を防ぐのよ!!」
『ええっ任せて下さい。魔戦車を潰して潰して潰しまくるわよっ』
『こうして猫呼王女は不安げな顔で皆を送り出したので御座います……』
舞台は戦場に変わった。
ドドドン!! ババーーン! バババ!!
背景に当てられる魔法ライトが激しく点滅し、慌ただしく兵達が駆け回った。
「だ、駄目だっ敵が多すぎる! 俺達だけじゃ……」
「俺達には聖少女さまと従者さんが居る! 必ず勝つ!! 勝って猫呼ちゃんと……」
ガシャーーガシャーーン
と、アレスが決心していた時、遠くから魔戦車とは違う不気味な謎の巨大な音が近付いて来る。
「何だこの音は!?」
「一体何が起きているんだっ」
「わーーー逃げろ!!」
我先にアレスの横を通り過ぎて行く兵達。
「お前達何処に逃げる!?」
「あんなの勝てっこねえよ! お前も逃げろ」
「何なんだよ」
が、その直後舞台上の兵士達が一斉に上を向いた。
「なんだこりゃ……」
「旧ニナルティナの魔ローダーだ」
「逃げろーーー!!」
アレスが仲間達に叫んだ所で暗転した。再び明るくなると、戦場の端っこに立つ猫呼の姿が。
「ああっアレスさん大丈夫かしら、凄く心配よ」
猫呼は不安げに頬に手を当てた。
行き倒れていた猫耳美少女はわざとらしく目を開けた。
「此処は冒険者ギルドよ貴方は倒れていたの。一体貴方は何者なの?」
雪乃フルエレは水を与え掛けのコップを持ちながら聞いた。
「私は……諸般の事情で遠く東の海を越えたクラウディア王国から家出して来た、猫呼クラウディアよ。介抱してくれてありがとう」
『候補者No.3、猫呼クラウディア王女』
「猫呼クラウディアちゃんか、可愛い……」
アレスはぽっと頬を赤らめた。砂緒はアレスと猫呼の秘められた恋を捏造するつもりだ。
『諸般の事情って……』
「きっと言えない苦労があるのね。どうかしら、この冒険者ギルドで住み込みで働いてみない?」
「え、いいの? それは凄く嬉しい」
『こうして猫呼王女は冒険者ギルドに住み込む事になったので御座います』
そして舞台はライトが暗くなり夜の冒険者ギルドに。と言ってもセットは同じままだ。
「ちょっとぉ私のタオル使ったの誰!?」
『私知らないわ』
「私も知らな~い」
「あ、ごめん……これ猫呼ちゃんのだったんだ!?」
シャワーを浴びたてのアレスが肩に巻いたタオルをわざとらしく掲げた。
「アレス!? い、良いわよ別に。ちゃんと洗ってよね」
『あ~~猫呼ちゃん顔真っ赤だよ』
「べ、別に赤くなってないわよっ」
「あらあら~??」
(何だよこれ度ラブコメだな。アレスがハーレム化!)
もちろんアレスはギルドに寝泊まり等しないので捏造だった。しかしそれは兎も角、セレネは話に聞いていた砂緒と雪乃フルエレと猫呼の出逢いを実際に追体験している様で不思議な感覚にとらわれていた。
『じゃあ猫呼とアレスさん一緒の部屋に寝ればいいじゃない??』
「ブフーーーッ!!」
「ちょ、ちょっとスナコちゃん何言うんだ!?」
セレネが気付くと夕食の場面に移り、アレスが激赤面して何故か猫呼が牛乳を吹いていた。
「も~~汚い!!」
「げほっげほっ、そそんな訳には行かないでしょ。私はスナコお姉さまと一緒に寝るわよ!」
(おいおい、それはそれでヤバイ設定だな)
セレネは苦手なラブコメ展開に辟易した。
「ふふっ猫呼、偶然にもとても良い仲間に巡り逢えたね! 見届けたよ、これからも砂緒くんフルエレくん達と一緒に居れば安心だね。名残惜しいけどでももう僕は帰らなくちゃならない。アイツが暴走し過ぎ無い様に帰り道を確保する為にね。やっぱり僕は東の地の神聖連邦側の人間なんだ」
(ヤ、ヤベーくわばらくわばら)
偶然猫弐矢の隣に座っていた王族は、突然眼鏡の若いニーちゃんがブツブツ一人で喋り出して恐怖を感じて目を逸らした。構う事無くスクッと猫弐矢は席を立った。その手には丁度黒猫スーツがぴったり入りそうなケースがしっかり握られていた……
(猫呼頑張って! また会おうそして一緒に猫名兄さんも連れ戻そう……)
そのまま猫弐矢は何処かに去って行った。
『しかし楽しい日々は長くは続かなかったので御座います』
「た大変だっ!! 旧ニナルティナの大軍が攻めて来やがった!!」
急遽冒険者ギルドは前線基地として活用される事になった。此処でもセットに変更は無く先程までの喫茶店内に地図が広げられ武器が並べられた。
「俺達冒険者ギルド部隊もお城の兵達と共同してこの国を守る事になった。猫呼ちゃん達は安全なこの村内で待ってて欲しい」
アレスは真っすぐ猫呼の目を見て言った。
「そ、そんな心配だよ、私も行く!」
「駄目だっ! 猫呼ちゃんには危険な目に合って欲しくないんだっ」
アレス役の役者はすっと猫呼の両手指先を優しく握った。
「この戦いが終わったら……君に言いたい事があるんだ」
「え……? にゃに?」
「そ、それは帰ってから言うよ!!」
アレスはそのまま手を振って出陣して行った。
「気を付けてーーー!」
「スナコちゃん、私達も行くわよ! 何としても大軍を防ぐのよ!!」
『ええっ任せて下さい。魔戦車を潰して潰して潰しまくるわよっ』
『こうして猫呼王女は不安げな顔で皆を送り出したので御座います……』
舞台は戦場に変わった。
ドドドン!! ババーーン! バババ!!
背景に当てられる魔法ライトが激しく点滅し、慌ただしく兵達が駆け回った。
「だ、駄目だっ敵が多すぎる! 俺達だけじゃ……」
「俺達には聖少女さまと従者さんが居る! 必ず勝つ!! 勝って猫呼ちゃんと……」
ガシャーーガシャーーン
と、アレスが決心していた時、遠くから魔戦車とは違う不気味な謎の巨大な音が近付いて来る。
「何だこの音は!?」
「一体何が起きているんだっ」
「わーーー逃げろ!!」
我先にアレスの横を通り過ぎて行く兵達。
「お前達何処に逃げる!?」
「あんなの勝てっこねえよ! お前も逃げろ」
「何なんだよ」
が、その直後舞台上の兵士達が一斉に上を向いた。
「なんだこりゃ……」
「旧ニナルティナの魔ローダーだ」
「逃げろーーー!!」
アレスが仲間達に叫んだ所で暗転した。再び明るくなると、戦場の端っこに立つ猫呼の姿が。
「ああっアレスさん大丈夫かしら、凄く心配よ」
猫呼は不安げに頬に手を当てた。
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