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13話
彼の国
しおりを挟む「良かったじゃな~~い。だーい好きな師匠様の近くの土地が手に入って!」
またマリ嫌味な言い方。そうだ忘れてた、この土地は借金まみれでも俺と師匠の絆を繋ぐ物だったぜ。
「よしユリナスよシルバーリリー村を要塞化するのじゃ! それでワシの洞窟に来る冒険者どもを阻んでザコモンスター達を守るのじゃ!」
う~ん、いきなりそんな国に背く様な怪しい行動しても良いのかな?
けれど師匠はあくまでモンスター側視点なので、俺が逆に冒険者優遇する宿を建設したり、攻略の助けになる道具屋を誘致したら凄く怒って嫌われちゃうだろうな……
「ごめん、今はそんな資金ないよ。でも考えとく」
「そうか~残念じゃのぅ」
師匠は残念そうだ。本当にモンスターに優しい人だな、いや竜だな。
「考えとく前に一回は視察に行かんかっ!」
行きたくない……正直に言って行きたくない。
借金抱えてる上に代官様って言う言葉にどうしても偏見が。もし悪人だったら断罪して首にしたりしなければいけない……いや言葉だけで悪人にしちゃダメだなっ。
「う、うん近々絶対に行くよっ楽しみだな~~!」
「本当かっフィアンセみょうりなのだっ!」
ファニーがべったり抱き着くが、俺の頭の中にはさっきのレミランの笑顔が……ダメな奴だっ。
「そうじゃときにファニーよ、おぬしアルパカインゼット王国なる国を知っておるかえ? ワシは最近の国々の動向を知らんのでな。洞窟に籠っておって情報が数百年前で止まっておるのじゃ!」
「偉そうにしてても国際情勢も知らぬバカなのだなっキャハハハ」
ペシッ
俺は師匠が怒らない様に先回りして頭を叩いた。
「痛い何をするのだ」
「君の命の為だよ……」
マリが両手を広げる。
「分かったよいよいアルパカインゼット王国か? どこで聞いたか知らぬが、かの国は泣く子も黙る超軍事国家として有名ぞ? 常に王家内で血で血を洗う争いがあり、その王族は角とキバが生え獣の生き血をすするなぞと言われておる。周辺の国々では言う事を聞かぬ子供がおれば、アルパカインが来るぞ~~と脅してやれば言う事を聞くくらいなのだっ!」
シィーン
俺は言葉が出なかった。え、あんなアルフレッドみたいなのほほんとしたバカ正直な奴が親族同士で血で血を洗う争いをしてて、角と牙が生えてるだって? 生えてたっけ??
でもあいつ第三王子とか言ってたしそんな権力闘争とか関係無いんだよな。
「……そんなの絶対ウソだよ」
「どうしたのじゃ、わらわが変な事を言ったか?」
俺はしばらく言葉が出なかった。その日はファニーはそれだけ伝えると、ひっそり現れた護衛と共に城に帰って行った。
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