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21話
キス危機……
しおりを挟む「ゆユリナス、こんな公衆の面前でキスしちまうのかい? くっ耐えるよあたしの仲間を救う為だものね」
君が一人見てるだけじゃないか! 変な実況しないでよ、余計に緊張するでしょ!?
「ひゃにをしゅちぇおる、ひゃおうキシュせにゅきゃ」
目を閉じ口を尖らせたまま師匠が急かして来る。
はっきり発音出来ない様子が可愛い、見た目美人お姉さんタイプなのに子供みたいに無邪気で可愛過ぎるよっ! もう耐えられないっ今すぐ抱き締めてキスしてやるんだっ
ぎゅみっ
俺は師匠の両肩に手を置いてしまう。凄いパワーなのになんて柔らかいんだ……でもこれはクヌアーとツキーの為なんだからなっ
「やっちまうのかい? 二人はキスしちまうのかい!? ひゃーもぅあたしゃ見てらんないよ……」
クヌアーは両目を隠して指の間からしっかり見てる。
徐々に接近する二人の唇。師匠とは1年以上の付き合いなのにキスは当然初めてだよ。綺麗すぎるよ師匠の白い肌に長いまつ毛……ドキドキドキ。
ポカッ
あ痛っ!?
「私の家でハレンチ行為は禁止です。外でして下さい!」
振り向くと恐ろしい顔のマリが立っていた。
「何じゃマリ、邪魔をするで無いわ」
「忘れてたっ! ツキーは入魔院しててゴブリィは首を長くして父親の帰りを待ってるんだったよ。こんな事してる場合じゃ無かった」
「あと危険な女格闘家が野に放たれたしねえ」
マリがぴくっと反応する。
「ユリナスの代わりに私が狙われないでしょうね!?」
「君の事は俺がずっと全力で守るよ……」
「ユリナス」
少しだけ頬が赤くなるマリ。あうっそういう意味じゃ!? 師匠とのキス危機から一転、俺とマリは何だか気恥ずかしい状態になってしまう。
「ほほぅフィアンセのワシの前で勇気があるのぅ?」
「いやっだからそういう意味じゃっ」
「あっそ、私も自分の身は自分で守りますからっ」
ぷいっ
二人に背中を向かれてしまう。いけない、ビスマスと師匠とマリとって最近気が多過ぎる。
「良かったねえユリナスさん人気者でさ」
「クヌアーの事も感謝してるよって、そういう話じゃ無くて! じゃあ俺は早速シルバー・リリー村に戻るけど?」
「そうねぇそんな危険な格闘家がウロウロしてるなら、しばらくは村の代官館に避難するわ」
つまりまたお姫様抱っこ飛行だな。
「ゴメン師匠、そういう訳で一刻も早く解決させたいから」
「分かっておる。ワシはそなたを信じておるぞよ」
うっそう言われると何だか浮気を疑われてるみたいな……だがうかうか出来ない。背中に金の麻袋を背負いこむとマリを両手で抱えた。
「ツキーの事は任せておいてよ」
「うん、クヌアーに師匠またね」
シュバッ
早速村へ帰った。
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