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33話
偉そうに
しおりを挟むこのハイザン廃鉱山はアルフレッド達が全滅した場所。ふと俺はもしかして彼らが舞い戻って来て、リベンジしてるんじゃって気がして期待に胸が膨らんだ。
「ヒイラギッ早く撃てっ!!」
妄想は終了した。戦っているのは男女のペア、ヒイラギって子の名前を呼んだのが男だ。恐らくカップルであろう、俺の興味は急速に減退した。
「無理だよっこれだけクルクル動いてちゃ、弱点の後頭部を魔銃で狙うなんて出来っこ無いよ!?」
意外に機敏に動くゴーレムになかなか弾は当たらない感じ。
ボシュッ!
でも後頭部が弱点だったの?
魔銃って……魔力で魔法の弾を撃ち出す物か、もしくは魔力が無くても魔力がこもった弾を撃ち出す武器だが、凄くレアだ。そんな物使う前に魔法使いを仲間に探す。
「くそっここまで順調に影縫いや隠れ身の術で上手くボス部屋まで進めたのに! 何故倒せない!?」
俺はコケた。まさか自分がアルフレッド達を全滅に導いた間違いを、自ら犯してここまで進んで来たとは。気の毒な奴らだ……
「今すぐ10万エピ以上の金を稼がないとダメなのに!」
「ブツクサ言うな! 弱点を狙えっ煙幕!!」
ボワッ
必死に短剣の様な物で戦っている男は、なにやら煙玉的な物を投げつけた。辺りはモクモクと茶色い煙に包まれる。
でも10万エピで人は苦労するんだよな……
カキンッ!
「しかしこいつら、身の上話をしながら戦うとか器用な奴らだな……そろそろ帰るか」
とか思って背中を向けた時だった。
「グオオオオーーーーッ!!」
黄金のゴーレムが一際大きく叫んだ。イカン、もしかして……
キラキラッ
赤い目が輝いたゴーレムはグインッと右手を振り上げた。アレは!
「危ない! 二人とも正面から避けろ!!」
無意識に俺は叫んでいた。
シュバッ!
「何だ!?」
俺の叫びに男の方は疑問を感じながらも、無意識にゴーレムの前面から飛び避けた感じだった。けどヒイラギって方は一瞬の空白が出来て、振り向いた魔物の前でじっとしてしまってる。
ブゥーーーン!
黄金のゴーレムは必殺の広範囲攻撃をしようと腕を振り下ろし……
「何をやっている!?」
バシュバシュバシュバシュバシュ!
女の子の方の前に飛び出た俺は、一瞬で背中から六枚の魔法陣の羽を生やし自動で広範囲攻撃を防いだり撃ち落としたりしていた。
だがライトニングスプラッシュでいきなりコイツを破壊するよりも、ちょっと引っ張って二人に有難みを湧かせようと俺は思った。
「え、え、何っ何が起こったの!?」
「大丈夫かヒイラギッ!」
二人は本当に何事が起ったのか混乱している。
「バカ者っ! 今ゴーレムが金の疾風という広範囲攻撃を行ったのだぞっ避けなければ死んでいた!!」
気持ち低めの声で威厳を持って説教してみる。
「も、申し訳ありません!」
「知りませんでしたっ!」
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