役立たずとパーティーからもこの世からも追放された無気力回復師、棚ぼたで手に入れたユニークスキル【銀化】で地味にこつこつ無双する!!

佐藤うわ。

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45話

撤収命令

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「早く本気で斬りかかって!」
「ハッ?」
「早くやるんだヒイラギ!」

 飲み込みの早い兄さんの方が抜いた短剣で斬りかかって来て、俺もおっとり刀で腰の長剣で受け止める。俺、剣持ってたんだな……

 チャリンカキン!
 斬りあいながら徐々に視線から離れて行く俺達。

「あっ殿下、鎧の男が何者かと斬り合いを始めましたぞっ!?」
「ははは、奴はいつもあんな感じなんだ」
「そうなのよねえ」
「強いんです!」

「はぁ?」(殺さず正体を明かさねば)

 やきもきするロルフをよそに俺達は上手く路地裏に身を隠した。


「もういいぞ」
「ハッ」

 俺はちらりと背後を見た。 

「これは一体!?」

 そりゃ分からないよね。俺は二人に正直に事の次第を、もうアルフレッドがアルパカインの第三王子である事も包み隠さず話した。

「そうでありましたか」
「ユリナス様、とても複雑な御立場ですね」
「怒らないの?」

 二人がギョッとした顔をした。

「まさかっユリナス様には何の落ち度もありません」
「そうです、悪いのはアルデリーゼという者」
「うん、だからもう追跡は終わりで撤収してくれ!」
「いえ、まだまだ」
「ダメだっ! もう面が割れている、君達は撤退だ命令だぞ」

 二人には俺は怖い顔で注意した。

「ハッ分かりました」

 二人は渋々でも分かってくれたから、その場を後にしたよ。

「どうするの兄さん?」
「距離を取って奴らが国境を越えるかどうかだけ目視で確認しよう」


 ガッシャガッシャ……
 俺は悠然としてアルフレッド達の前に凱旋がいせんした。

『戻り申した。不審な足音を感じ接近すれば何かの敵あった故、爆散させ申した』
「凄い!」
「やり過ぎだよ君は」

「ば爆散とは?」

 ロルフは唖然とした顔をしてるよ。生かせて何者か調べる気だったんだな。

「この人凄いのよ~」
「なんだか説明出来ないくらいに強いの」
「あれは魔法と言って良いのか見た事も無い力だ」

「は、はぁ?」(親バカの王が無能な第三王子に付けた手練れの護衛か?)

 こいつ本当なら俺が成敗してやりたいが……

「ふふ、では僕達は先を急ぐんで!」
「は、はぁそれは御名残おなごり惜しゅうございますな」(ふん急いでいるのはこっちだ!)

 王子に言われてロルフの奴そそくさと出て行こうとしやがる。

『またれい』

 俺は超高速でスケッチブックを見せた。

「は?」
『一体何をされた方かは知らぬが、第二第三それ以上のあの様な追っ手があるやも知れぬ。十分注意されよ』
「こ、これはご配慮痛み入り申す」

 ぎこちなく頭を下げるとロルフ一行は走って行った。ヒイラギ、ちゃんと命令守れよ。


「よーし僕らも再出発だっ!」
「そうね」
「行きましょ鎧さん」

 レミラン凄く優しい笑顔で……でも誰にでも優しい子だけなのかなって心配にもなって来た。そんな感じでゼブランドを歩いていると……突然妙な呼び声が。

「坊ちゃま~坊ちゃまではありませんか~~」
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