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48話
ありがとう……
しおりを挟むーマリの館を出発してから約一週間、俺達は既にゼブランド領内に居た。
ソラを連れてはいるが全員で乗るとギュウギュウなので、基本は馬車で移動しソラには上空の監視をお願いしている。
それにしてもヒイラギちゃんとアジサイの事が気にかかる。仲間が捕まってるかも知れない国に行って呑気に領地もらうとかって、やっぱり俺は相当に常識ハズレの事をしてるんだろうか!? はたまたゼブランドに居るかもとも思っていたけど、ただ西に進んでるだけで手掛かりは全く無い。
「おい話聞いてるのかよユリナス! 何ぼーっとしてるんだよっ父上の前で無礼は許されないぞっ」
いけね、アルフレッドの話全然聞いてないや!
「聞いてるよ! 人をボケ老人扱いしないでくれる?」
「フフ、ユリナスは常にワシの事を考えておるのじゃ」
「もーリリー様はユリナスのお姉さんみたいなものね」
「お姉さんじゃないフィアンセじゃ」
「リリー様フィアンセは冗談でも止めるべきです」
「冗談じゃないのじゃ」
「あははー」
等と言う他愛も無い会話も全然頭に入らない。もしかしてあの人混みの中にヒイラギちゃんがいるかも!? そんな事を考えながら昼食を取り始めた。
「ユリナス、本当は行きたくないんじゃないの?」
ドキッ
レミランに小声で話し掛けられた。
「そ、そんな事無いよ」
「ううん、ユリナス心ココにあらずというか、前と違って憂いを帯びてるというか、なんだか前より成長してる気がするの……」
ス、スルドイ! というかレミラン俺の事観察してるんだ……ドキドキ。
「それともマ、マリさんの事が気になって?」
「違う! というのも違うけど、今はそうじゃないよ」
「もし行きたくないなら私からアルフレッドに言うから」
「行きたいよ! 俺レミランの生まれた国を見てみたいんだ!」
あー言ってしまった。
「そう……なら良かった……」
レミランは赤面して笑顔になった。俺の事心配してくれて凄く優しい子だな。
ーそして夜、ユリナス達はジイが確保したゼブランドの高級ホテルで休む事になったので御座います。
「ふぅ冒険の度に高級ホテルで泊まるって贅沢な話だよ。結局アルフレッドの奴金持ちのお坊ちゃんなんだよな」
本当はそれ処じゃない、俺は夜の度に当ても無くヒイラギ達を探す活動をしなきゃならないんだ! ゼブランドこそ彼らがいるかも知れない本命だからな……などとふかふかの高級ベッドの上で一人考えていた時だった。
コンコン、コンコン
不意に窓ガラスが鳴った。風の音なんかじゃない、完全に人間のノック音だ。でもここ三階だよ、多分隣部屋の師匠が窓から忍び込んで来たんだ……忙しいのに妙にドキドキしてしまう。
「何ですか? もう寝る時間ですよこんな時間に男の部屋に忍び込んで」
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