役立たずとパーティーからもこの世からも追放された無気力回復師、棚ぼたで手に入れたユニークスキル【銀化】で地味にこつこつ無双する!!

佐藤うわ。

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3話

アジト

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『そんな能力誰にも見せちゃダメよ……』

 的な事をさっきマリに言われたばかりだよなあ、でも小悪党のアジトってのにも妙な興味が。そんなに危険そうな連中にも見えないし、少し行ってみてヤバそうなら逃げてみるか? 結局俺は危険な方向に傾いてしまう。マリごめん。

「じゃ、じゃあちょっと付いてってみるかな」
「そうこなくっちゃ! 所でお兄さんの名前は何なんだい?」

 明らかに年上なのにお兄さんて。嘘付こうか。

「ナスビィーだっ」
「ナヨッとした名前だなあ」
「こらっ良い名前だよ……」

 なんか褒めて来るなこの女。気に入られた?


 お。
 クヌアーと名乗る女は馴れ馴れしく肩を組んで来た。

「な、何だよ」
「ここの主人、さっきからアンタを疑ってるよ。見なよウエイトレス達とヒソヒソ話してるよ」

 見ると本当に険しい顔でヒソヒソ話してる。でもこの3人も相当に怪しいと思うけどね。客の前ではにこにこしてる主人も、裏じゃ警戒心を解かないのはしっかりしてるという事かも知れない。俺達は食事を終えると静かに店を出た。
 ザッザザッザ


 アジトがあるという荒野に向かうのだが、少しだけ北の師匠の洞窟に近付いてしまう。師匠元気かな~? 程なくぽっかりと穴を開けた洞窟に辿り着いた。てっきり怪しい小屋か館かと……

「さぁ着いたよ。ここがあたしらの仮のアジトさ。中は入り組んだ洞窟になってて、いくつも出口があるんだ、追っ手が来てもすぐに逃げる事が出来る優れ物さ」

「モンスターが死滅した洞窟型のダンジョン跡なんだぜ」
「はぁ……そうなんだ」

 一応冒険者なんでそういう場所は慣れている。ちょっと怖いが、人一人がやっと通れる程の通路を言われるまま中に入って進んで行く。
 ザッザザッザ


「ここがリビングさ」

 かなり奥まった地点で少し広い場所に出た。リビングと言っても敷物が敷いてあって何個か謎の箱がある程度。本当にモグラみたいな生活だなあ。でも偽金偽造の大規模な設備なんか無くて、少し安心。

「じゃあもう後は寝るだけ?」

 俺は気軽に聞いた。すると小悪党達は顔を見合わせて笑った。

「いやあ、あの子の様子を見ないとな」
「だねえ」

 あの子って、ダレ?

「いやー明日大きな取引があるからねえ……」
「姐さんこんな奴にそこまで言ってしまっていいんですかい?」
「うるさいよ!」

 一瞬ドキッとしたが、前のルウィナ達のPTの様に俺を騙すとかそんな感じの様子では無さそうだ。むしろ逆に秘密を共有する様な。


「一体明日何があるんだよ?」

 クヌアーは自信タップリに笑う。

「兄さん、あたしゃアンタの技術に惚れ込んだから仲間にしてやりたいんだ、それでとって置きを教えてやるよ。実はね、あたしら外国の大規模な偽造団の作った偽金を、この国でせっせと流す役割してたのさ」

 え外国? 悪事の規模が一気にデカくなった……ヤバ。

「ほ、ほほぅ?」
「どうしたいビビッて来たかい?」
「んな訳ねーよ」

 というのは嘘だ。偽金作りは重罪、しかもそれが外国絡みの大規模な物となると……こりゃ隙を突いて走って逃げないと。俺は偽金の箱を見ながら思った。
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