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勇英士試験
船上の通過者
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「この船が二次試験会場だ。健闘を祈ってるぜ!!」
そう言って巨鳥の操縦士はサイガにエールをを送ると巨鳥とともに飛び去っていった。船上にはすでに何人かの参加者がおり、一次試験を通過した顔ぶれはどんなものかとさりげなく観察していた。
通過者の方ですねと言われたサイガは試験官のもとへ向かう。試験官は先程サイガがいたブロックの担当試験官をしていたアレフという男であった。
「あれ、あんたは確か俺のブロックの試験官だった…」
「アレフです。そうでしたか、あなたは第10ブロックの会場にいた参加者なんですね。名前は…サイガさんですか。とりあえず一次試験通過おめでとうございます」
「ここが二次試験の会場だって言っていたけど…」
「そうですよ。丁度あなたで最後なので、これから二次試験の説明をさせていただきます。こちらのカードをお持ちください」
アレフはそう言うとサイガに一枚のカードを渡した。カードには何も描かれておらず、表であろう面に装飾が軽くなされている程度であった。
「これは…?」
「このカードは二次試験で使用しますのでなくすことのないよう大切にお持ちください」
アレフの言葉にサイガは頷くとカードをポケットに入れる。それではもうしばらくお待ちくださいと言いアレフは船内へと入っていった。
とりあえず見て回るかとサイガは探索ついでに船上を歩き始める。船内は試験官以外立ち入り禁止とかかれており中の様子を見ることはできない。定期的に叫び声と共に参加者が降ってきて巨鳥が受け止めるという光景を見ることができたが、そんな様子も次第に減ってきており飛んでいる巨鳥たちの姿もいつの間にか数えるほどになっていた。周りを牽制していた他の参加者達も次の試験はまだかと退屈そうに海が波うつ様子を眺めている。
「船上の様子はどうだった?」
一通り見終えたサイガは他の参加者同様に海を眺めていると男に話しかけられた。まだ若く眼鏡をかけている男はサイガの隣にくると笑顔を向けた。
「そうだな、特にこれと言って目立った物はなかった。他の参加者達も一次試験を通過しただけあって、なかなかの猛者達が集まっているようには見えるな」
「何でも一次試験の通過者は参加者の半分にも満たないって言う噂だからね、強者達が多いことは違いないよ」
それは僕たちにも言えることだけれどねと軽く笑いながら男は言う。
「僕の名前はカイル、第7ブロックから来たんだ」
「俺はサイガだ。第10ブロックから来た、よろしく」
「よろしく、か。この試験が始まってから誰もそんなこと言ってくれなかったからなんだか新鮮だよ。誰に話しかけてもお前は敵だろうと言わんばかりににらめつけてくるんだ」
「実際、俺達はライバルみたいなものだからな。数少ない椅子を狙って競い合っているわけだから邪険に扱われても仕方が無い」
「確かにそうだけれど僕はもっと参加者同士のつながりも大切だと思うんだ。この先の試験だってもしかしたら参加者同士が協力するような内容があるかもしれないだろう?」
そうカイルが言ったとき二人の前を参加者であろう女が通り過ぎた。丁度いいとばかりにカイルは女に近づき話しかける。
「君もそう思うだろう?」
女は話しかけたカイルに目を向ける。その目は今まで見たどの目よりも冷めた目をしており、二人は一瞬たじろいだ。しかしよく見てみると整った顔立ちとスリムで長身な体つきは目を見張るものがあり、だからこそより一層その冷ややかな目が際立って見えたとも言える。
「…何か用?」
その冷たく突き放つような声に思わず言葉を濁すカイル。女はその冷ややかな視線をカイルからサイガへ向ける。その目はお前はどうなんだと語っておりサイガも思わず顔を引きつらせる。
「なんでもこのカイルって男が参加者同士はいがみ合うんじゃなく親睦を深めるべきだと言っていてな。だから俺達も仲良くしようぜってことを話していたんだよ。あんたはどう思う?」
女はしばらく無言のままサイガを見つめていたが、くだらないとばかりに鼻で笑いそのまま去って行った。残された二人は安堵からか、ため息をつくと顔を合わせて苦笑いをした。
そう言って巨鳥の操縦士はサイガにエールをを送ると巨鳥とともに飛び去っていった。船上にはすでに何人かの参加者がおり、一次試験を通過した顔ぶれはどんなものかとさりげなく観察していた。
通過者の方ですねと言われたサイガは試験官のもとへ向かう。試験官は先程サイガがいたブロックの担当試験官をしていたアレフという男であった。
「あれ、あんたは確か俺のブロックの試験官だった…」
「アレフです。そうでしたか、あなたは第10ブロックの会場にいた参加者なんですね。名前は…サイガさんですか。とりあえず一次試験通過おめでとうございます」
「ここが二次試験の会場だって言っていたけど…」
「そうですよ。丁度あなたで最後なので、これから二次試験の説明をさせていただきます。こちらのカードをお持ちください」
アレフはそう言うとサイガに一枚のカードを渡した。カードには何も描かれておらず、表であろう面に装飾が軽くなされている程度であった。
「これは…?」
「このカードは二次試験で使用しますのでなくすことのないよう大切にお持ちください」
アレフの言葉にサイガは頷くとカードをポケットに入れる。それではもうしばらくお待ちくださいと言いアレフは船内へと入っていった。
とりあえず見て回るかとサイガは探索ついでに船上を歩き始める。船内は試験官以外立ち入り禁止とかかれており中の様子を見ることはできない。定期的に叫び声と共に参加者が降ってきて巨鳥が受け止めるという光景を見ることができたが、そんな様子も次第に減ってきており飛んでいる巨鳥たちの姿もいつの間にか数えるほどになっていた。周りを牽制していた他の参加者達も次の試験はまだかと退屈そうに海が波うつ様子を眺めている。
「船上の様子はどうだった?」
一通り見終えたサイガは他の参加者同様に海を眺めていると男に話しかけられた。まだ若く眼鏡をかけている男はサイガの隣にくると笑顔を向けた。
「そうだな、特にこれと言って目立った物はなかった。他の参加者達も一次試験を通過しただけあって、なかなかの猛者達が集まっているようには見えるな」
「何でも一次試験の通過者は参加者の半分にも満たないって言う噂だからね、強者達が多いことは違いないよ」
それは僕たちにも言えることだけれどねと軽く笑いながら男は言う。
「僕の名前はカイル、第7ブロックから来たんだ」
「俺はサイガだ。第10ブロックから来た、よろしく」
「よろしく、か。この試験が始まってから誰もそんなこと言ってくれなかったからなんだか新鮮だよ。誰に話しかけてもお前は敵だろうと言わんばかりににらめつけてくるんだ」
「実際、俺達はライバルみたいなものだからな。数少ない椅子を狙って競い合っているわけだから邪険に扱われても仕方が無い」
「確かにそうだけれど僕はもっと参加者同士のつながりも大切だと思うんだ。この先の試験だってもしかしたら参加者同士が協力するような内容があるかもしれないだろう?」
そうカイルが言ったとき二人の前を参加者であろう女が通り過ぎた。丁度いいとばかりにカイルは女に近づき話しかける。
「君もそう思うだろう?」
女は話しかけたカイルに目を向ける。その目は今まで見たどの目よりも冷めた目をしており、二人は一瞬たじろいだ。しかしよく見てみると整った顔立ちとスリムで長身な体つきは目を見張るものがあり、だからこそより一層その冷ややかな目が際立って見えたとも言える。
「…何か用?」
その冷たく突き放つような声に思わず言葉を濁すカイル。女はその冷ややかな視線をカイルからサイガへ向ける。その目はお前はどうなんだと語っておりサイガも思わず顔を引きつらせる。
「なんでもこのカイルって男が参加者同士はいがみ合うんじゃなく親睦を深めるべきだと言っていてな。だから俺達も仲良くしようぜってことを話していたんだよ。あんたはどう思う?」
女はしばらく無言のままサイガを見つめていたが、くだらないとばかりに鼻で笑いそのまま去って行った。残された二人は安堵からか、ため息をつくと顔を合わせて苦笑いをした。
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