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動物園⑥
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翌日、漢は、残りの金をほぼすべて使って名古屋駅まで移動した。『ハイ!今日逝こう』の管理人クレイから、待ち合わせ場所について細かい指示が送られてきた。
名古屋駅から徒歩10分のところにあるビジネスホテル前。名古屋駅正面の華やかな通りから少し離れたところにある、安いビジネスホテルである。
漢は、藤田たち追手が近くにいないか、誰も見ていないか気を配りながら、18時を少し過ぎたところで待ち合わせ場所に立った。
クレイからダイレクトメッセージが届く。
『斜め向かいの白のワンボックスカーに乗ってください』
漢はスマホから視線を動かして、近くにワンボックスカーが停まっているのを見つけた。漢はすぐに歩き出し、ワンボックスカーの後部座席のドアに手をかけた。
突如、後方に異様な気配を感じ取った。さっきまではなかった。たしかに、誰もいなかった。なんで。どうして。
漢はちらっと振り向いた。そして、そのことを後悔した。
道路の真ん中に、藤田と義堂が立っていた。
漢の額から汗が噴き出す。声にならない声をあげながら、ワンボックスカーのドアをスライドさせた。転がり込むように乗ると、必死でドアを閉めようとした。ドアが自動で閉まるスピードでは遅すぎる。
藤田が近寄ってくる。漢はドアを閉めながら、運転席に向かって怒鳴った。
「出せ! 早く、出発してくれ!!」
後部座席のドアが閉まるや否や、ワンボックスカーは前に進み始めた。それを、藤田は愉快そうに見ている。
「どこに行くんですかねえ」
すぐに、ワンボックスカーが停まっていた場所に、黒のワゴンが移動してきた。運転席には義堂が乗っている。藤田が助手席に乗り込むと、義堂はアクセルを踏んだ。
「カーチェイスといきましょうか」
藤田と義堂が追跡してくる。漢は、運転席のシートにつかみかかり、運転手に向かって怒鳴った。
「おい、急げ! もっとスピード出せねえのかよっ」
「ちょっとあんたさあ、うるさいんだけど。なんなの? いったい」
後方から若い女性の声がした。前から3列目つまり最後尾のシートに、オフショルダーの白いブラウスに、美しい脚線美が一目でわかる細身のデニムを身に着けた、黒いロングヘアの女性である。
「な、なんだよ。俺以外にも参加者がいるのかよ」
「いたら悪いの? てかさ、いったい何なのよ。私たちに迷惑かけないでよね」
私たち。漢は、女性の隣にもう一人座っていることに気が付いた。真夏だというのに黒の長袖のシャツを着た男である。胸元には金色の太いネックレス、手首にもいかにも高級そうな時計。何より漢が驚いたのは、男の額に真一文字の傷痕があることだ。鋭利な刃物でつけられた傷だろう。が、どうやってそんなところに怪我をしたのか。
男は細い目で漢を見た。ただ見ただけである。だが、漢の全身から力を抜くだけの効果があった。
漢は崩れるようにして2列目の席に座り、そろそろと前を向いた。
「これで皆さんそろいましたね」
運転席に座っている男――久礼が、落ち着いた様子で言った。
「これから皆さんを実験場にご案内します」
久礼からの言葉は以上である。実験場とはどこにあるのか、そこまでどのくらい時間がかかるのかなどの説明はない。
「ちょっとあんた」
女性が漢に声をかけた。
「説明がまだじゃない。どうして追いかけられてんの?」
「そ、そんなの説明する義理なんか……」
「あるわよ! しばらく一緒に行動するんだから。そうだ、自己紹介しておきましょう。私は安達穂歩。隣のあなたも、名前を教えてください」
穂歩に促されて、穂歩の隣に座っている男が口を開き、しゃがれた声で言った。
「河原虎臣」
それ以上は何も言わない。何も質問させないオーラが出ている。穂歩は、漢を見た。
「あんたの名前は?」
「お、俺は、中村漢だ」
「さっきの説明して」
「その……」
借金取りに追われていると言うのは、屈辱的だ。プライドが傷つく。しかし、ここまで着て守る恥などあるだろうか。どうせ死ぬのだ。穂歩も虎臣も、久礼の実験に協力するということは死ぬつもりなのだ。
漢はうつむきがちに言った。
「借金取りに追われてんだ」
「借金取り? 闇金に手を出したってこと?」
「闇金だってわからなかったんだ! 最初は、普通の金貸しだと思って、それで……」
「中村さん、大手の消費者金融なり、カードローンを使うことができなかったんだろう。あんた、もともと大きい借金があったんじゃないのかい。やむにやまれず、自分でも借りられるところを探してヒットしたのが闇金だったんだろう」
虎臣に的確につっこまれて、漢は押し黙った。虎臣は抑揚のない声で言った。
「さっきの奴ら、友簾会の人間だ。たしか、光福差手とかいう名前で金貸しをやって、奴隷を作ってる。あいつらに狙われて逃げられた奴は聞いたことがねえが……」
この男、なんでこんなに詳しく知っているんだ?
漢は虎臣の額の傷を見て、さっとうつむいた。この男もヤバい奴だ。関わったらいけねえ類の人間なんだ。
「で……その友簾会の奴ら、しっかり追いかけてきてるみてえだが、いいんですかい?」
虎臣に訊ねられて、久礼は淡々と返事をした。
「いいですよ。ついでに一緒に来てもらいましょう」
「な、何言ってんだ、てめえ! まさか、俺をあいつらに突き出すつもりか!?」
わめく漢を、久礼は「いいえ」と制した。
「いっしょに実験に参加してもらいましょう。今回は参加者が多いほうが良いので」
「どういう意味?」
穂歩が怪訝そうな表情を浮かべたが、それに対して久礼は答えなかった。
「行けばわかります」
しん、と車内が静まり返った。そのまま会話が終わるかと思われたが、穂歩はまたも漢に話しかけた。
「ねえ、なんで借金なんかしたの?」
「それは、金がねえからだろ」
「だから、どうしてお金がなくなったのよ。あんた、仕事は? 見た感じ20代後半とかじゃないの? 普通働いているよね。親はいないの?」
ズケズケ聞いてくる穂歩に対して苛立ちを覚えながらも、もう守るものが何もないことに気付いた漢は、ぽつりぽつりと身の上話を始めた。
「親は、いるよ。いるけど、勘当された。
俺は、それなりに良い大学行って、まあまあ有名な企業に就職した。結婚を約束した彼女もいた。ただ……高校んときからスロットが趣味で。大学行ってもやってたし、就職してからはオンラインカジノにハマって。億単位で金動いたな。負けも億いってたけど勝ちも億いってた。うまくやってたし、誰にも迷惑かけてねえし、俺の趣味だし……でも、彼女はずっとやめてほしいって言ってた。それがうざくて、ちょっと浮気したらバレて。結婚式とか決まってたから、そのキャンセル費用だのなんだので慰謝料取られて。別れて。で、むしゃくしゃしてやったカジノで大損こいて……自己破産したんだ。
仕事も行く気力がなくなって、自主退職したけどほぼクビみてえなもんだった。でも、金がねえと生活できねえし、適当に選んで再就職したけどやる気出なくて……そうしているうちにどんどん金がなくなって。自己破産したら借金できねえって、そのくらい知ってた。けど、金がなかったんだ。俺、10万しか借りてねえんだ……なのにあいつら、500万返済しろって……くそっ」
漢は頭を掻きむしった。穂歩は呆れた表情を浮かべて言った。
「控えめに言ってクズだね」
「んだと……っ」
「ギャンブル狂、浮気、借金男。クズじゃん。彼女さん、別れられて良かった~」
「お前、女だからって殴られねえと思ってんのか?」
「わー、さらに暴力もかあ。言葉遣いも悪いし、とても良い大学出てると思えないわあ」
「くっ……」
「で? 死んで借金から逃げようってこと。逃げてばっかの男ってやだなあ~。ここぞってときに信用ならないし、頼りがいないし。いっしょにいてもしんどくなるのが目に見えてる」
「そういうお前は、どうしてここにいんだよ! 死にてえ奴が集まってんだよな? お前こそ、ただの性悪女でとうてい死にたくなるような繊細なメンタルなんか持ち合わせてなさそうだがな!」
漢に怒鳴られて、穂歩の表情が曇った。
名古屋駅から徒歩10分のところにあるビジネスホテル前。名古屋駅正面の華やかな通りから少し離れたところにある、安いビジネスホテルである。
漢は、藤田たち追手が近くにいないか、誰も見ていないか気を配りながら、18時を少し過ぎたところで待ち合わせ場所に立った。
クレイからダイレクトメッセージが届く。
『斜め向かいの白のワンボックスカーに乗ってください』
漢はスマホから視線を動かして、近くにワンボックスカーが停まっているのを見つけた。漢はすぐに歩き出し、ワンボックスカーの後部座席のドアに手をかけた。
突如、後方に異様な気配を感じ取った。さっきまではなかった。たしかに、誰もいなかった。なんで。どうして。
漢はちらっと振り向いた。そして、そのことを後悔した。
道路の真ん中に、藤田と義堂が立っていた。
漢の額から汗が噴き出す。声にならない声をあげながら、ワンボックスカーのドアをスライドさせた。転がり込むように乗ると、必死でドアを閉めようとした。ドアが自動で閉まるスピードでは遅すぎる。
藤田が近寄ってくる。漢はドアを閉めながら、運転席に向かって怒鳴った。
「出せ! 早く、出発してくれ!!」
後部座席のドアが閉まるや否や、ワンボックスカーは前に進み始めた。それを、藤田は愉快そうに見ている。
「どこに行くんですかねえ」
すぐに、ワンボックスカーが停まっていた場所に、黒のワゴンが移動してきた。運転席には義堂が乗っている。藤田が助手席に乗り込むと、義堂はアクセルを踏んだ。
「カーチェイスといきましょうか」
藤田と義堂が追跡してくる。漢は、運転席のシートにつかみかかり、運転手に向かって怒鳴った。
「おい、急げ! もっとスピード出せねえのかよっ」
「ちょっとあんたさあ、うるさいんだけど。なんなの? いったい」
後方から若い女性の声がした。前から3列目つまり最後尾のシートに、オフショルダーの白いブラウスに、美しい脚線美が一目でわかる細身のデニムを身に着けた、黒いロングヘアの女性である。
「な、なんだよ。俺以外にも参加者がいるのかよ」
「いたら悪いの? てかさ、いったい何なのよ。私たちに迷惑かけないでよね」
私たち。漢は、女性の隣にもう一人座っていることに気が付いた。真夏だというのに黒の長袖のシャツを着た男である。胸元には金色の太いネックレス、手首にもいかにも高級そうな時計。何より漢が驚いたのは、男の額に真一文字の傷痕があることだ。鋭利な刃物でつけられた傷だろう。が、どうやってそんなところに怪我をしたのか。
男は細い目で漢を見た。ただ見ただけである。だが、漢の全身から力を抜くだけの効果があった。
漢は崩れるようにして2列目の席に座り、そろそろと前を向いた。
「これで皆さんそろいましたね」
運転席に座っている男――久礼が、落ち着いた様子で言った。
「これから皆さんを実験場にご案内します」
久礼からの言葉は以上である。実験場とはどこにあるのか、そこまでどのくらい時間がかかるのかなどの説明はない。
「ちょっとあんた」
女性が漢に声をかけた。
「説明がまだじゃない。どうして追いかけられてんの?」
「そ、そんなの説明する義理なんか……」
「あるわよ! しばらく一緒に行動するんだから。そうだ、自己紹介しておきましょう。私は安達穂歩。隣のあなたも、名前を教えてください」
穂歩に促されて、穂歩の隣に座っている男が口を開き、しゃがれた声で言った。
「河原虎臣」
それ以上は何も言わない。何も質問させないオーラが出ている。穂歩は、漢を見た。
「あんたの名前は?」
「お、俺は、中村漢だ」
「さっきの説明して」
「その……」
借金取りに追われていると言うのは、屈辱的だ。プライドが傷つく。しかし、ここまで着て守る恥などあるだろうか。どうせ死ぬのだ。穂歩も虎臣も、久礼の実験に協力するということは死ぬつもりなのだ。
漢はうつむきがちに言った。
「借金取りに追われてんだ」
「借金取り? 闇金に手を出したってこと?」
「闇金だってわからなかったんだ! 最初は、普通の金貸しだと思って、それで……」
「中村さん、大手の消費者金融なり、カードローンを使うことができなかったんだろう。あんた、もともと大きい借金があったんじゃないのかい。やむにやまれず、自分でも借りられるところを探してヒットしたのが闇金だったんだろう」
虎臣に的確につっこまれて、漢は押し黙った。虎臣は抑揚のない声で言った。
「さっきの奴ら、友簾会の人間だ。たしか、光福差手とかいう名前で金貸しをやって、奴隷を作ってる。あいつらに狙われて逃げられた奴は聞いたことがねえが……」
この男、なんでこんなに詳しく知っているんだ?
漢は虎臣の額の傷を見て、さっとうつむいた。この男もヤバい奴だ。関わったらいけねえ類の人間なんだ。
「で……その友簾会の奴ら、しっかり追いかけてきてるみてえだが、いいんですかい?」
虎臣に訊ねられて、久礼は淡々と返事をした。
「いいですよ。ついでに一緒に来てもらいましょう」
「な、何言ってんだ、てめえ! まさか、俺をあいつらに突き出すつもりか!?」
わめく漢を、久礼は「いいえ」と制した。
「いっしょに実験に参加してもらいましょう。今回は参加者が多いほうが良いので」
「どういう意味?」
穂歩が怪訝そうな表情を浮かべたが、それに対して久礼は答えなかった。
「行けばわかります」
しん、と車内が静まり返った。そのまま会話が終わるかと思われたが、穂歩はまたも漢に話しかけた。
「ねえ、なんで借金なんかしたの?」
「それは、金がねえからだろ」
「だから、どうしてお金がなくなったのよ。あんた、仕事は? 見た感じ20代後半とかじゃないの? 普通働いているよね。親はいないの?」
ズケズケ聞いてくる穂歩に対して苛立ちを覚えながらも、もう守るものが何もないことに気付いた漢は、ぽつりぽつりと身の上話を始めた。
「親は、いるよ。いるけど、勘当された。
俺は、それなりに良い大学行って、まあまあ有名な企業に就職した。結婚を約束した彼女もいた。ただ……高校んときからスロットが趣味で。大学行ってもやってたし、就職してからはオンラインカジノにハマって。億単位で金動いたな。負けも億いってたけど勝ちも億いってた。うまくやってたし、誰にも迷惑かけてねえし、俺の趣味だし……でも、彼女はずっとやめてほしいって言ってた。それがうざくて、ちょっと浮気したらバレて。結婚式とか決まってたから、そのキャンセル費用だのなんだので慰謝料取られて。別れて。で、むしゃくしゃしてやったカジノで大損こいて……自己破産したんだ。
仕事も行く気力がなくなって、自主退職したけどほぼクビみてえなもんだった。でも、金がねえと生活できねえし、適当に選んで再就職したけどやる気出なくて……そうしているうちにどんどん金がなくなって。自己破産したら借金できねえって、そのくらい知ってた。けど、金がなかったんだ。俺、10万しか借りてねえんだ……なのにあいつら、500万返済しろって……くそっ」
漢は頭を掻きむしった。穂歩は呆れた表情を浮かべて言った。
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「わー、さらに暴力もかあ。言葉遣いも悪いし、とても良い大学出てると思えないわあ」
「くっ……」
「で? 死んで借金から逃げようってこと。逃げてばっかの男ってやだなあ~。ここぞってときに信用ならないし、頼りがいないし。いっしょにいてもしんどくなるのが目に見えてる」
「そういうお前は、どうしてここにいんだよ! 死にてえ奴が集まってんだよな? お前こそ、ただの性悪女でとうてい死にたくなるような繊細なメンタルなんか持ち合わせてなさそうだがな!」
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