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情報は速さが命である。先に知ることで先手が打てる。
未子たちは後れをとった。波間が広島に来た夜、忠行のもとに遊保組と関係のある者から「波間が広島に発った」と連絡が来た。
忠行はすぐに未子に伝えようとした。リビングルームから出て、未子のいる2階に上がろうとした。
そのとき、背後に人の気配を感じた。
馬鹿な。玄関のドアが開く音も、足音も、何も聞こえなかった。
おそるおそる振り向くと、白い手が顔面に伸びた。
「こんばんは」
忠行の両のこめかみを白い手がつかむ。
「あ」という間もなかった。突然、目の前に広がる我が家が見知らぬ場所に変わる。少年の手だったはずの自分の手が、筋張ってしわだらけになっていることに気付く。
忠行の中から50年という月日が消える。確かに身体の中にあったはずの記憶がすっと取り去られる。記憶だけは若々しく、老いた身体の感覚に馴染まない。
ここはどこだ。この身体はなんだ。激しい混乱の渦に落とされ、気分が悪くなる。
忠行は床に膝をつき、吐き気をこらえている。
「あなた……?」
長年連れ添ってきた夫の異変を直感したのか、芳江がリビングルームから出てきた。刹那、芳江の顔にも白い手が伸びる。
忠行に起こったことと同じことが芳江の身にも起きる。
しばらく2人は動けまい。
璃星は台所に入り、山下家に来る道中で調達した灯油をまいた。ライターの火をつけて、まるで空き缶でも捨てるように灯油の上に落とした。
勢いよく火がまわる。璃星は来た道を引き返そうと、廊下に出た。
玄関に向かう途中、璃星の足首を忠行が掴んだ。
「待……て……」
記憶がなくても、目の前の少女は敵であると判断したのだ。忠行は璃星を下から睨みつけた。
「あなたはもう、スマホもわかんないでしょ?」
「すま……ほ……?」
今では知らない人間はまずいない。しかし、50年前には存在しなかったもの。記憶をなくした忠行は、「スマホ」という知らないものの言葉を言われるだけで、混乱に陥ってしまう。そのときにできる隙を見て、璃星は忠行の身体を蹴飛ばし、自分から離した。
「う……」
忠行は蹴られた腹を押さえて、痛みに耐えている。
再び前進しようとした璃星の足首を、次は芳江が掴んだ。
「……しつこいな」
記憶を取り払ったのに、なぜこんなに動ける?
記憶とは頭に残るものだけではない。身体にも残るものである。年齢やライフスタイルとともに身体の動かし方が変わる。その記憶が奪われれば、身体の動かし方もわからなくなるのである。
過去の記憶のまま動こうとしても、身体は追いつかない。
だが、芳江の手には力があった。芳江も璃星を睨んでいた。
「あ、あんたは、私から大切なものを奪おうとしている」
芳江が言っているのは、記憶のことではない。
芳江はたしかに、忠行と同じくこの50年の記憶を失っている。見知らぬ場所、見知らぬ初老の男性、見知らぬ少女。混乱することばかりだ。
つい昨日、中学校の同級生といっしょに田んぼの畦道を歩いて帰ったはずなのに。
毎日炊き立てのご飯を用意してくれている母親、遅くまで働いて帰ってくる父親。小学校低学年の、やんちゃざかりの弟。
これから好きな人ができて、いつか結婚して、いつか子どもを育てることができたらいいな。
お母さんになるのが夢。
現実には、子宝に恵まれなかった。それを忘れて、いつか子どもを授かりたいと願う少女に戻ってしまった。
そのはずである。
「……あんた、私の、娘に、何するつもりなの」
璃星は小さく驚いた。芳江の口から「娘」なんて言葉が出てくるとは思いもよらなかった。
記憶を奪われてもなお、失わない想いというものがあるのか。
璃星は芳江に問いを返した。
「娘って、誰?」
「……それは……」
わからない。どうして「娘」という言葉が口から出たのかもわからない。さっきまで自由に動いたはずの身体が重たくて動かない。あちこちが痛い。頭も痛い。めまいがする。
覚えていない。でも、何か、とても大切な。とても大切にしていた存在が、いたような気がする。
それが娘だと、なぜ思うのかもわからないけれど。
「離して」
璃星は冷たく言い放ち、芳江の身体も容赦なく蹴った。芳江は階段方向に転がり、段差で頭を激しく打った。
「ちっ……」
璃星は舌打ちをうった。持っているポリタンクには、まだ灯油が残っている。璃星は芳江と忠行に灯油をかけ、ライターの火をつけた。
一方、未子は、2階の自分の部屋で、芳江が頭を階段で打ち付ける音を聞いた。
「な、何っ!?」
部屋から出ると、煙の臭いが襲い掛かってきた。階段の下には、忠行と芳江の気配がある。
助けて!
忠行と芳江の心の悲鳴が聞こえた。
未子は急いで階段から降りようとした。その目前に炎が上がる。
「ぎゃあああああああああああ!」
今まで聞いたことのない、張り裂けるような叫び声。それが、忠行と芳江の声だと気づくまで、コンマ数秒かかった。
信じたくない光景だった。
忠行と芳江が燃えている。火だるまになり、激しい苦痛から逃れようと手足を動かすが、そこに力はない。
「おじさんっ、おばさんっ!」
未子の声を聞いて、忠行は少しだけ顔を持ち上げたが、目や口から火を噴きながら倒れた。
芳江の顔も炎に包まれているが、未子には泣いているように見えた。芳江の口がかすかに動く。
逃げて。
芳江は階段の下で力尽きた。
1階は炎が広がっている。黒い煙が充満し、とてもじゃないが階段を降りることはできない。
未子はなんとか自分の部屋に戻った。
考えている暇はない。
スマホと財布をバッグに入れた。ふいに、アリスたちにプレハブ小屋に閉じ込められたときに拾ったままのスマホの存在を思い出し、それもバッグに入れた。
ベッドの枕元に置いてある、スナメリのぬいぐるみ。千宙からもらったものだ。
紫藤とやりとりをしていたパソコン。紫藤との思い出。そこまで抱えて2階から脱出できるかわからなかった。
炎は2階に上がってくる。迷っていられなかった。
未子はバッグとスナメリを抱えて、2階の窓から庭に飛び降りた。
両足で着地することに成功したが、衝撃でしびれてしまう。
未子はよろよろと山下家の敷地から出て、スマホで119番に通報した。
通報したところで、忠行と芳江は助からない。わかっていた。
2人が何者かによって火を放たれたのだということも、2人の叫び声を聞いた時点でわかっていた。
いったい誰が。
慈盛組? 天城?
波間さんのこと、おじさんが調べていたから狙われた?
じゃあ、私は?
どうして私のことは殺しにこなかったの?
波間さんに対して、人質にとるわけでもなく。
紫藤先生のことも、そう。
どうして私じゃなくて、私の周りの人を傷つけるの? 私の大切な人を奪っていくの。
未子は消防車と救急車の到着を待たずに、住宅街を歩いた。Tシャツに緩めのショートパンツといったルームウェアで、辺りをさまよった。
まだ、犯人は遠くに行っていない。犯人の声を聞こうと思えば聞けるはず。
感覚を研ぎ澄ませる。
外灯の青い光。空に星は見えない。生ぬるい夜風。聞こえてくるのは、それぞれの家庭の団欒の声。家の中にいることで感じられる安心感。
突然、家を奪われることなど、誰も考えていない。それが、未子に伝わってくる。
それこそ、家の正しい在り方だ。
理不尽に家を奪われた、家族を奪われた。私は、今、他人の日常の声を聞くのがつらい。
でも、逃げない。犯人の声を聞かなくては。見つけなくては。
その先、どうするのかなんて、考えていなかった。
未子たちは後れをとった。波間が広島に来た夜、忠行のもとに遊保組と関係のある者から「波間が広島に発った」と連絡が来た。
忠行はすぐに未子に伝えようとした。リビングルームから出て、未子のいる2階に上がろうとした。
そのとき、背後に人の気配を感じた。
馬鹿な。玄関のドアが開く音も、足音も、何も聞こえなかった。
おそるおそる振り向くと、白い手が顔面に伸びた。
「こんばんは」
忠行の両のこめかみを白い手がつかむ。
「あ」という間もなかった。突然、目の前に広がる我が家が見知らぬ場所に変わる。少年の手だったはずの自分の手が、筋張ってしわだらけになっていることに気付く。
忠行の中から50年という月日が消える。確かに身体の中にあったはずの記憶がすっと取り去られる。記憶だけは若々しく、老いた身体の感覚に馴染まない。
ここはどこだ。この身体はなんだ。激しい混乱の渦に落とされ、気分が悪くなる。
忠行は床に膝をつき、吐き気をこらえている。
「あなた……?」
長年連れ添ってきた夫の異変を直感したのか、芳江がリビングルームから出てきた。刹那、芳江の顔にも白い手が伸びる。
忠行に起こったことと同じことが芳江の身にも起きる。
しばらく2人は動けまい。
璃星は台所に入り、山下家に来る道中で調達した灯油をまいた。ライターの火をつけて、まるで空き缶でも捨てるように灯油の上に落とした。
勢いよく火がまわる。璃星は来た道を引き返そうと、廊下に出た。
玄関に向かう途中、璃星の足首を忠行が掴んだ。
「待……て……」
記憶がなくても、目の前の少女は敵であると判断したのだ。忠行は璃星を下から睨みつけた。
「あなたはもう、スマホもわかんないでしょ?」
「すま……ほ……?」
今では知らない人間はまずいない。しかし、50年前には存在しなかったもの。記憶をなくした忠行は、「スマホ」という知らないものの言葉を言われるだけで、混乱に陥ってしまう。そのときにできる隙を見て、璃星は忠行の身体を蹴飛ばし、自分から離した。
「う……」
忠行は蹴られた腹を押さえて、痛みに耐えている。
再び前進しようとした璃星の足首を、次は芳江が掴んだ。
「……しつこいな」
記憶を取り払ったのに、なぜこんなに動ける?
記憶とは頭に残るものだけではない。身体にも残るものである。年齢やライフスタイルとともに身体の動かし方が変わる。その記憶が奪われれば、身体の動かし方もわからなくなるのである。
過去の記憶のまま動こうとしても、身体は追いつかない。
だが、芳江の手には力があった。芳江も璃星を睨んでいた。
「あ、あんたは、私から大切なものを奪おうとしている」
芳江が言っているのは、記憶のことではない。
芳江はたしかに、忠行と同じくこの50年の記憶を失っている。見知らぬ場所、見知らぬ初老の男性、見知らぬ少女。混乱することばかりだ。
つい昨日、中学校の同級生といっしょに田んぼの畦道を歩いて帰ったはずなのに。
毎日炊き立てのご飯を用意してくれている母親、遅くまで働いて帰ってくる父親。小学校低学年の、やんちゃざかりの弟。
これから好きな人ができて、いつか結婚して、いつか子どもを育てることができたらいいな。
お母さんになるのが夢。
現実には、子宝に恵まれなかった。それを忘れて、いつか子どもを授かりたいと願う少女に戻ってしまった。
そのはずである。
「……あんた、私の、娘に、何するつもりなの」
璃星は小さく驚いた。芳江の口から「娘」なんて言葉が出てくるとは思いもよらなかった。
記憶を奪われてもなお、失わない想いというものがあるのか。
璃星は芳江に問いを返した。
「娘って、誰?」
「……それは……」
わからない。どうして「娘」という言葉が口から出たのかもわからない。さっきまで自由に動いたはずの身体が重たくて動かない。あちこちが痛い。頭も痛い。めまいがする。
覚えていない。でも、何か、とても大切な。とても大切にしていた存在が、いたような気がする。
それが娘だと、なぜ思うのかもわからないけれど。
「離して」
璃星は冷たく言い放ち、芳江の身体も容赦なく蹴った。芳江は階段方向に転がり、段差で頭を激しく打った。
「ちっ……」
璃星は舌打ちをうった。持っているポリタンクには、まだ灯油が残っている。璃星は芳江と忠行に灯油をかけ、ライターの火をつけた。
一方、未子は、2階の自分の部屋で、芳江が頭を階段で打ち付ける音を聞いた。
「な、何っ!?」
部屋から出ると、煙の臭いが襲い掛かってきた。階段の下には、忠行と芳江の気配がある。
助けて!
忠行と芳江の心の悲鳴が聞こえた。
未子は急いで階段から降りようとした。その目前に炎が上がる。
「ぎゃあああああああああああ!」
今まで聞いたことのない、張り裂けるような叫び声。それが、忠行と芳江の声だと気づくまで、コンマ数秒かかった。
信じたくない光景だった。
忠行と芳江が燃えている。火だるまになり、激しい苦痛から逃れようと手足を動かすが、そこに力はない。
「おじさんっ、おばさんっ!」
未子の声を聞いて、忠行は少しだけ顔を持ち上げたが、目や口から火を噴きながら倒れた。
芳江の顔も炎に包まれているが、未子には泣いているように見えた。芳江の口がかすかに動く。
逃げて。
芳江は階段の下で力尽きた。
1階は炎が広がっている。黒い煙が充満し、とてもじゃないが階段を降りることはできない。
未子はなんとか自分の部屋に戻った。
考えている暇はない。
スマホと財布をバッグに入れた。ふいに、アリスたちにプレハブ小屋に閉じ込められたときに拾ったままのスマホの存在を思い出し、それもバッグに入れた。
ベッドの枕元に置いてある、スナメリのぬいぐるみ。千宙からもらったものだ。
紫藤とやりとりをしていたパソコン。紫藤との思い出。そこまで抱えて2階から脱出できるかわからなかった。
炎は2階に上がってくる。迷っていられなかった。
未子はバッグとスナメリを抱えて、2階の窓から庭に飛び降りた。
両足で着地することに成功したが、衝撃でしびれてしまう。
未子はよろよろと山下家の敷地から出て、スマホで119番に通報した。
通報したところで、忠行と芳江は助からない。わかっていた。
2人が何者かによって火を放たれたのだということも、2人の叫び声を聞いた時点でわかっていた。
いったい誰が。
慈盛組? 天城?
波間さんのこと、おじさんが調べていたから狙われた?
じゃあ、私は?
どうして私のことは殺しにこなかったの?
波間さんに対して、人質にとるわけでもなく。
紫藤先生のことも、そう。
どうして私じゃなくて、私の周りの人を傷つけるの? 私の大切な人を奪っていくの。
未子は消防車と救急車の到着を待たずに、住宅街を歩いた。Tシャツに緩めのショートパンツといったルームウェアで、辺りをさまよった。
まだ、犯人は遠くに行っていない。犯人の声を聞こうと思えば聞けるはず。
感覚を研ぎ澄ませる。
外灯の青い光。空に星は見えない。生ぬるい夜風。聞こえてくるのは、それぞれの家庭の団欒の声。家の中にいることで感じられる安心感。
突然、家を奪われることなど、誰も考えていない。それが、未子に伝わってくる。
それこそ、家の正しい在り方だ。
理不尽に家を奪われた、家族を奪われた。私は、今、他人の日常の声を聞くのがつらい。
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