白龍は祈り紡ぐ、異界最強を〜安寧望み描いて覇道を往く〜

代永 並木

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一章 目覚め

9話 ★魚捕獲

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 水場の傍に座った。
 剥き出しのおしりで、草や土の感触を感じる。
 そっと、ゆっくりと足を水に入れる。
 足に水の冷たい感覚が来る。瞬く間に全身に駆け巡った。
 何も阻む物を身につけていないから、冷たさが直接来る。
 身体を震わせる。

「これはゆっくり慣らしていこう」

 魚取りは、急ぎではない。
 初挑戦の今回は、魚が獲れればいいなくらいの気持ちで居る。
 水の温度に身体を慣らしながら、ゆっくりと落ち着いて、水に体を浸す。

 足の次は股間、秘部やおしりを入れる。
 冷たい水が股間をびしょびしょに濡らし、多少の水がおしりの割れ目と、秘部の穴に侵入した。

「冷たっ」

 時間をかけて、首から下を入れ切る。
 水は冷たいけど、プールではなく、風呂に入っている時のような感覚がする。
 水の流れが全身を優しく撫でる。
 水風呂というのは、きっとこういう感覚の物なのかもしれない。
 風呂感覚に近いのは今、僕が何も着ていない裸の状態だからだろう。

 ……水関連の力はない……使うなら身体能力強化かな

 水に関係する力は、持っていない。
 しかし、何か使える力を使って挑みたい。
 身体強化の力に切り替えてから、潜る。
 身体に関する強化なら潜り、泳ぎにも使える。
 潜ると、水の抵抗で乳房やおしりが、押されるようにムニュと形を変える。
 水の中で目を開けて、周囲を見渡す。
 目の痛みもなく、水の中をはっきりと見える。
 ゴーグルがないから、痛みを覚悟していたけれど、不要だった。

 ……目が痛くない。よし、これなら……魚は

 周囲を見ると、魚が水中を自由自在に、泳いでいるのが見えた。
 何種類もいる魚の中で、食べられそうな見た目の魚を探す。
 独特な色をしていない、毒を持っていなそうな魚、小さ過ぎない身のある魚。
 基本的に、生態系は相当の災害や環境が壊れる事態にでもならない限り、大きく変動はしない。
 定期的に獲るであろう魚に、目星を付ける。

 ……あの魚、よさそう。あっちも食べられそう。あれは小さくて身が少なそう

 見ていって、標的を選んだ。
 そこそこのサイズがある大きい魚、食べる身は充分にありそう。
 泳ぎを見ても、動きは特段早いという印象は受けない丁度よさそうな魚。

 ……あれなら狙えるかな

 水の中なんて、学生時代ぶりでカナヅチではなかったけれど、自在に動ける自信はない。
 試しに近くの魚に手を伸ばして、早速捕まえようとする。
 しかし、魚は気づいて急加速して、反転して、逃走してしまった。
 僕の手は水だけを掴んで、狙いの魚は捕まえれなかった。
 知識としては知っていたけれど、想定よりかなり早い、狙えそうなど甘く見ていた。
 何度か挑むけど、ことごとく逃げられる。

 ……早い。これは追っても難しそう

 高い身体能力で、水の中を自在に動ければ、捕まえるのは難しくない。
 ただ今は水の中の動きに慣れていないため、それはできないだろう。
 少し考える。

 ……呼吸はまだ持ちそう。これなら

 呼吸が長続きするのか、息苦しさはまだない。
 身体能力が強化されているからなのか、この身体の元々のスペックなのか。
 どちらにしてもありがたい。水中の活動時間が長いのは便利。

 ……活動時間が長い?

 作戦がひらめき、一度水面に上がる。
 一度深呼吸を挟み、大きく吸ってからまた水中に潜る。
 そして、静かに警戒されないように潜む。
 追って無理なら、待ちの手を取る。
 先程、息が長続きすることがわかった。
 だからその身体能力を充分に利用する。
 狙いの魚が近くに来るまで、水中で潜み待つ。
 身体能力の高さを利用した戦法、近くに来たら素早く捕らえる。

 静かに潜み、集中を始める。
 周囲で魚が泳ぐ際に発生する水の流れを、全身の肌で感じる。
 水着などの衣服もなく、裸になったお陰で、水が肌に触れる範囲と時間が長い。
 特に敏感な乳首や秘部などは、水の流れを上手く拾える。
 これならより正確に流れが掴める。
 そして、しばらく待っていると、標的の魚が近くを通ろうとしているのを見つけた。
 でもまだ動かない、今はまだ違う。

 ……来た。あれを狙おう

 動きを確認してじっと構える。
 チャンスは一瞬、近くを通った瞬間に、素早く全力で片手を振るう。
 身体能力強化も相まった腕は、水の中ですら視認出来ないほどに、高速で放たれた。
 反応する事も許さず、1匹を鷲掴みにした。
 魚、初ゲットである。

 ……獲れた! この身体本当に便利!

 魚が反応できないほどの速度の振り、人間時代ではまず不可能だったもの。
 この調子ならば人用の道具は、むしろ邪魔かもしれない。
 魚が手の中で逃げようと抵抗しているけれど、がっしりと捕まえている。
 逃げられそうにもならない。

 一度水面に上がって、近くに待機していたゴーレムに取った魚を手渡す。
 この身体は、あまり胃が大きくない。
 魚1匹といくつかの果実があれば事足りる。
 それに何匹も食べる前に味の確認も必要。
 まだ夕方まで時間があるので、魚を取るのではなく、泳ぎの練習を行う。
 魚を捕まえるなら、泳ぎ慣れることは重要だ。
 裸で水の抵抗を全身で感じながら泳ぐ。

「さて、美味しいかな」

 時間が経ち夕方になって、水から上がる。
 全身の肌に付着していた水滴が重力に従い、股間などからポタポタと滴り落ちる。
 水滴が乳やおしりの曲線に沿って落ちるため、肌を撫でる感覚がくすぐったい。

 ……穴に入ってた水も出たか

 結構な時間泳いだ事で、水に慣れて来た。
 ゴーレムに命令を出して、枯れ葉、枯れ木を集めさせる。燃やす物だ。
 ゴーレムが取ってきた中にあった1本の長い枝を、軽く水洗いした後、先端を削って鋭くした。
 そして、魚の口から突き刺して串刺しにする。

 目に触れて切りかえて、手元に炎を発生させて、枯れ木に移して燃やす。

 パチパチ、と音を立てて燃え始める。
 枯れ木を燃やしたら煙が出てしまうけれど、それは仕方がない。
 魚を焼く、濡れた身体を暖める為に炎は必要。
 魚を刺した木の枝を燃えないように、少し距離を取って地面に突き刺して焼く。
 余っていたゴーレムが運んだ木の幹に座り、身体を温める。

「温かい」

 濡れた身体が温まっていく。
 炎に近い手足から温まり、乳房、お腹と順に熱を感じる。

 ……閉じてると温まりづらいか

 おもむろに股を開き、秘部に炎の熱が直接当たるようにして乾かす。
 足を閉じてては乾きづらいと思った。

 炎で暖を取っていると、気づく。
 今、枯れ木を燃やしているけれど、何故か煙が出ていない。
 なぜ煙が出ていないのか、分からないけれど、煙が出ないのは助かるから良い。

 魚が焼けた良い匂いがし始める。
 程々に焼けた魚に、かぶりついて食べる。
 魚の味は、そこそこ美味しい。
 焼き魚って感じの味、焼いているから当然なのだけど。
 魚の身は多く感じるけれど、やたらに小骨が歯に引っかかる。

「小骨多い魚だこれ……それにパサパサしてる」

 引っかかった小骨を、引き抜いて捨てる。
 小骨が多い以外にも、パサついていて食感はあまり良くない。
 焚き火で魚を焼くのは初めてだから、少し焼きすぎたかもしれない。
 だけど、美味しいからそれほど不満は無い。
 骨は噛み砕く。
 もぐもぐと魚と果実を食べる。
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