社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木

文字の大きさ
62 / 88
2章天鬼鶏

社畜 真剣の模擬戦

しおりを挟む
「異能はあり」

(異能あり……いや、使わないでおこう)
大火傷になれば痛々しい傷が残ってしまう
制御も操作も出来るが人に向けて打てる程の精度と自信は無い

「異能ありにしないと私のこの槍使えないからね」
「それもそうか」

刃を潰してある訳でもない
蓮二は手加減をしようとする

「それじゃ二十秒後にセットしたこのタイマーがなったらスタート、終わりはどちらかが降参したら」
「分かった」

剣を構える
二十秒を数える
二十秒後訓練場にタイマーの音が響く
地を蹴り槍を振るう
剣で槍を受ける
剣の能力は使わない

「その剣の能力使っていいよ」

素早く突きを繰り出す
大きく避けて距離を取る
(今の危なかったな)
一鬼は突きを連続で繰り出す
回避と剣による防御で凌ぐ
突きを回避して接近する
接近すれば剣の方が有利になる
蓮二の使っている剣は片刃の剣、剣の向きを変えて峰を叩きつける
槍で防御する
押し合う、蓮二の方が体勢的に有利だ
(このまま押す)
更に力を込める
一鬼はニヤッと笑い槍を少し傾ける
槍の上を剣が滑る

「うおっ」

真っ直ぐ叩きつけるように力を入れていた事で傾いた際に勢いよく滑る
蓮二は剣につられて体勢を崩す
無防備な所を石突で叩かれる

「いっ……」
「押し切れると思うなんて甘い」
「ぐぬぬ」

切り合う
身体能力では蓮二の方が上だが技術では一鬼の方が格上
蓮二は力任せ、速度任せで戦う
一方一鬼は攻撃を受け流し、無駄の少ない動き、相手の隙を付いて戦う
槍で軽々と蓮二の攻撃を受けて槍を傾け流す
そして石突で小突く

「無駄が多い、鶏くんは異常な体力を持つから体力面は問題ないとしても無駄が多いから隙が多い」

反射神経と底なしとも思える体力で今までは戦っていた
無駄が多くても反応出来ていた
ただ一鬼相手ではそうは行かない
例え攻撃に反応出来ても攻撃した時に反撃でやられる
剣で突きを繰り出す
勢いよく剣先を叩かれる
剣先がブレてあらぬ方向へ剣先が行く

「技術はダメか。まぁ剣術習ってた訳でも無いなら仕方ないか」
「もはや何が起きてるか分からない」
「仕方ないね。技術面を磨けば間違いなく今より強くなれる」
「技術かぁ」
「私は教えるの下手だから戦い慣れて貰う」
「もしかしてスパルタ?」
「慣れるまでフルボッコにするだけ」
「マジか」
「マジ、ほらやるぞー」

ひたすら斬り合う
槍と剣がぶつかり合う
一鬼の一撃一撃が重い
槍の重量もあるだろうがしっかり構えて踏み込み攻撃する
剣で防御すると腕に衝撃が走る
(キツっ)
打ち合った後軽く距離を取り槍を振りかぶる
槍を振り下ろす単純な攻撃
余裕を持って剣で受け一鬼がやっている傾ける奴をしようとするが想像よりも素早く重い

「ぐっ……うぅ……」

なんとか剣を傾けるがその意図に気付いたのか槍を戻して半回転させた後石突で腹を突かれる
当たり所が悪かったのか蓮二は腹を抱えて悶絶する

「当たり所悪かった?」
「た、多分」
「あちゃぁ」
「ちょっと休憩を」
「OK、水とタオル持ってくる」

一鬼は上に上がっていく
暫くして痛みが引いてきて立ち上がる

「痛え……」

剣を見る
剣の能力を使えば一鬼に勝てるかもしれない
意志のある剣、血を使わずとも剣の意志を合わせれば普通に振るう時よりも重く鋭い攻撃を出せる
面倒なのは発動させると剣に貯まる分の血を吸われる事

「貯めておけば保管出来るのか? 出来れば便利だが……今日はダンジョン行かないし試すか」

試してみる
もし血を貯めておければ戦闘の無い時に貯めて必要な時に引き出すが出来る
血は吸い始めて剣に貯まるまで時間がかかる
その時間も無くせる
茨が腕に巻き付き棘が刺さり血を吸い始める
棘が血を吸って茨を通って剣に血が貯まっていく

「何してるんだ?」
「血を貯めておけないかと思って」
「成程、確かに血を貯めておけば楽だね。はい、水」

ペットボトルのお茶を渡される
(み……水?)
疑問に思うがお茶は飲めるので水分補給をする

「美味しい」
「その剣どう?」
「能力が使いづらいけどそれ以外は特に欠点は無いかな?」
「剣類は基本扱いやすいけど中でもその剣は軽量な部類だからね。問題は能力の扱いづらさ」
「血を操る能力は強いけど血の量には気を付けないと行けないから多用は出来ないのが考え物、問題は……」

血を使い過ぎれば貧血になる
人が活動するには一定量以上の血が必要
使い過ぎれば貧血になりそして本来の血液量の三十%を失えば命に関わる

「意思がある事、私は完全に扱えなかったあれね。でも鶏君は従えてるじゃん」
「今は従ってるだけな気はする。意思あるなら最悪反抗してくるかも」
「剣の逆襲……それは笑えないなぁ」

能力を使う時は戦闘中
戦闘中に反抗されるのは余りにも危険過ぎる
その懸念があるが故に実戦では余り使いたくは無い
本当に必要になった時にのみ使うつもりで居る
(意思あるならせめて会話出来ればなぁ)
意思疎通が出来ればその懸念も減るが常識的に考えて剣が喋る訳が無い

「必要な時は使うけど……そういう時以外は使わないな」
「不安要素あるならそれが良いと思う、なんなら他の武器貸そうか?」
「他の武器か……扱いやすい能力の武器なら」

そう考えると剣が動いて峰で頭を小突かれる

「痛え……」
「今動いたね。ふざけるなって事かな」
「お前言葉通じてるのか」

剣は何も返答しない

「休憩終えたら訓練続きやるぞ~」
「分かった。ちゃんと休憩するか」

血を貯め切って剣の能力を解除して一鬼が用意した椅子に座る
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~

あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。 それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。 彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。 シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。 それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。 すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。 〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟 そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。 同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。 ※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。  不定期投稿作品です。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

処理中です...