社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

2章天鬼鶏

社畜 苦戦と圧倒

風と炎がぶつかり相殺される
（強さは同等）
数を増やして攻撃する
複数の方向から同時攻撃
風が魔物の周囲を囲み球体状の風の結界を作る
炎を防ぐ

「防がれるか」

一点に集めた炎を放つ
風を前方に集めて防ぐ
続けて炎を放って接近を試みる
魔物は接近に気づく
炎を風で防ぎ距離をとる
走って接近している蓮二より風を利用して移動してる魔物の方が早い
（接近できないか）
魔物の風による攻撃を回避と炎の防御で凌ぐ
拮抗している

「決定打が足りないな」

接近しないと剣は使えない
血の斬撃も風で防がれかねない
血は炎と違って乱発が出来ない
そして血を使った状態で大きな傷を負えば意識を失うリスクがある
ここぞという時にしか使えない
防御に回していた炎を攻撃に回して炎を撃ち込む
風を放って幾つかを相殺し球体状に風を展開して炎を防ぎ切る

「まじか」

防御分も回した総攻撃、一発くらいは入ると考えていたが甘くは無かった
少しの間炎は使えない
その隙を逃す訳もなく風で攻撃を仕掛けてくる

「防げ！」

剣に命じて風を剣で受け止める

「ぐぅ……」

腕が痛む
回避も混ぜて攻撃を凌ぐ
魔物は防御分の風を残していた為ギリギリで凌げた

「危うく今ので終わる所だった……きついな｣

炎を放つが避けられ複数の風による攻撃を受ける
炎と剣の防御で凌ぎ攻撃をする
余裕で防がれる
風による攻撃を炎で防ぎ炎で攻撃をする
進展がない、時間がかかればかかるほど蓮二の体力が奪われていく
長期戦になれば圧倒的に不利、かと言って攻め落とす術が無い
どんどん時間が過ぎていく


拳を避けて槍で切り裂く
槍による攻撃は深く入らない
相手が巨体過ぎる
（だいぶ削れてるだろうが時間かかるな）
片目を失った巨体が女性目掛けて拳を振るう
何度も拳を叩きつける
余裕を持って攻撃を回避する

「あちらは進展無しか」

蓮二を一瞥する
炎と風がぶつかり合う
（拮抗してるな、早く倒して参加するか）
蓮二の負傷を見て確認している
負傷している事も考えればいずれ押されるのは蓮二
異能を使い巨体のうなじに回り槍を突き立てる

「骨が硬いな。肉は柔らかいが厄介だ」

何度か斬りかかる
蚊を叩くかのように魔物は手のひらを叩きつけてくる
異能で避けて手の甲に槍を突き立てる
そして飛び降りて距離を一旦取る

「だいぶ削れたよな」

巨体の魔物は全身傷だらけになっている
ひたすら回避と攻撃を繰り返して削っていた
地を蹴り接近する
拳を回避して何度も槍で拳に切りかかる
蹴りが来るが異能で回避して槍を突き刺す
走って攻撃を避けて攻撃を加えるを繰り返して削っていく

「そろそろ倒れろ！」

槍を横に振るい足を切り足骨に槍を叩きつける
巨体の魔物は自分の体重を支え切れず膝をつく
腕もボロボロで支えられない
立ち上がれなくなった魔物は藻掻く
異能で後頭部に乗り槍を短くして素早く何度も刺し切る
頭蓋骨をそのまま槍で削る
どんどん速度を上げて削っていく
硬い骨が少しずつ削れていきヒビが入っていく
ヒビが広がったところに勢いよく槍を叩きつけて砕く

「終わりだ｣

槍の長さを戻して勢いよく突き刺す
そして巨体の魔物は動かなくなる
黒いモヤになって消滅していく

「討伐完了」
『倒したのか？』
「巨体の魔物は、あとは異能持ち」

蓮二を探す
（飛んでるがあそこなら異能で詰めれるな。このまま参戦しても倒せるか分からない。隙を付くか）

『一人で倒したのか』

三人で戦っていた相手をたった一人で討伐した
少なくともそれは一鬼にはできない事だった

『何者なんだあんたは』
「私の正体などどうでもいい。それより仲間の心配をした方がいい」

一定の距離を保って隙を伺う


蓮二は押されていた
疲れが見え始め魔物の攻撃が激しさを増していたからだ
そして炎で防げない攻撃を撃たれて負傷した
少し横腹が抉れている
傷は深くは無いがそれでも血が流れる
血を使う予定の蓮二にはかなりの痛手
その上傷の痛みで動きが鈍る
（薬を使うか）
炎を前方に展開してから薬を取り出して掛ける
激痛が走る

「ぐっ……痛えが仕方ない」

激痛は使用時のみ、痛みが引いてからは治癒するのを待つだけ
時間がかかる
もう薬は残っていない

「あっちはどうなった？」

風で攻撃を仕掛けてくる
風で展開した炎が削られていく

「副作用の痛みは引いた」

削りきられる前に副作用が終わり横に飛ぶ
蓮二の居た所の地面が風の刃で抉られる
間に合わなければ切り刻まれていた
炎を放って移動する
風で防がれ大量の風の球が蓮二を襲う
炎を盾のように展開して防ぐが防ぎきれない
剣が動いて切り裂く
魔物は次の攻撃を放つ
一気に押し切るつもりのようだ
まだ傷は癒えていない、傷の痛みも残っている
このままでは捌ききれず押し切られてしまう
炎と剣で攻撃を凌ぐ
炎を放つが避けられる
死角から迫っていた風の球を食らう
風の球は爆発して蓮二は吹き飛ばされる
地面を転がる
外傷は無いが衝撃が重い
すぐに立ち上がって剣を構える
そして飛んできた風の球を炎で相殺しつつ残ったのを切り裂く
疲れと痛みで動きが鈍る
剣が動いて何とか捌き切る
次の攻撃が来る、また数を増やしている
防御用に取っていた風の大半も攻撃に回している
蓮二に攻撃する余裕は無い

「これは凌げるか？」

拮抗していた事が嘘のように押されていく
ギリギリで攻撃を避けるがいつまで避けられるか分からない
魔物を見る
魔物はかなり余裕がありそうだ
次の攻撃をしようとしている
蓮二は魔物の背後に視線を向ける
攻撃に夢中の魔物に背後から槍が襲いかかる
頭に槍を突き刺そうと振るうが防がれる

「流石に頭は無理か」

重要部位は風で護っていた
魔物が気づくがそれより先に槍を回して石突を肩に叩きつけて地面に落とす