39 / 42
最終章
病弱聖女達は怒られる
しおりを挟む
落下するエルダーグリフォンの下には2人が居る
「風蹄鎌鼬」
「はぁぁぁ!」
剣に纏った状態で放つ風の斬撃
全力の一振り
2人のそれぞれの攻撃がタイミングと位置が噛み合いエルダーグリフォンを左右から両断する
「キィィィィ!!」
落ちたエルダーグリフォンは大量の血を流し動かなくなる
魔法を使っていた事で魔力が削れて纏う魔力の量も減っていたのだろう
「倒した!」
2人が戦闘体勢を解いている
2人も倒したという判断だろう
急いで駆け寄る
「倒しましたね」
「あぁ、アルト、強くなったな」
「ちゃんと鍛えてますから」
「本当に助かりました」
「あぁ、アナスタシア最後助かった。あれは良い判断だ」
「正直俺じゃ落とせなかったですからね」
「今がチャンスだと思ったので、落とせて良かったです」
「あとは回収ですね」
「解体します」
必要な素材を解体して回収してバックに詰め込む
食料を入れていた分が空いているのでそこに詰める
「私達が持っていたバックも使うか」
レオナルドさんはそう言ってバックに残りを詰め込んで持ち上げる
「他にやる事は?」
「後は帰って渡すだけです」
「ならすぐに帰るか。魔力の様子は?」
「まだ余裕あります」
戦闘の時間は想定より短く済んだ
これなら予定より早く帰れる
アカリさんに素材を渡せれば大きく研究が進むだろう
そうなれば早めに特効薬は作れる
……後は聖女の魔法について少し試して記すかな
2日掛けて国に戻る
道中の戦闘は2人が行い私とエルリカは荷物運びをしている
楽々倒していく
「そういえば行きの時、木々吹っ飛ばしてましたがあれは一体?」
「あぁ、魔物が沢山居て面倒になって一撃で仕留めてた」
「……あれ風蹄では無いんですね」
風蹄の威力を見てからアルトがやっているのかと思っていたが違ったようだ
「俺のじゃあそこまでの芸当は出来ません」
「そうなんだ……」
「急いでたしな」
私達も遅くは無いペースで進んでいたがあの岩の時に追い付かれている事から早いペースであった
「にしても病の研究に魔物の素材ですか」
「魔素が使えるかもって言ってた」
「魔素ですか。確かに魔素は魔物からしか取れませんね」
「それで高濃度魔素なら可能性があるって言ってたから」
「その研究が成功すれば薬が?」
「あくまで可能性だけどね。それに魔素をマナに近づける実験がまだ時間かかるらしいし」
「そうですか。他にも何かあれば手伝います」
道中問題無く国に戻れる
そして私達は王の部屋に集められた
集められる前に研究室に素材を送れた
後は待つだけだ
「全員、説明を」
「研究に必要な高濃度魔素を持つエルダーグリフォンの討伐に行きました。私が動ける間に挑まないと研究が止まる可能性があったので」
「大体似たような理由だ」
「俺は事情を聞いた上でレオナルドさんについて行きました。処罰は受けます」
「メイドとして付き従いました」
「言い訳の1つも無しか、潔いな。高濃度魔素の話は聞いていたし研究が止まらないようにこちらで動いていた。事情が事情だ。こちらに話をして貰えれば協力はした」
……そうなんだ。それは安心、ただ急ぐ必要があったから聞いたとしても動いたかな
どれだけ時間が掛かるか分からない研究だ
なら早いうちから取り掛からないと助けられる命も助けられない
「危険度Aとなると編成を組む場合、時間がかかる。だから勝てる可能性のある少数メンバーで挑んだ。最も予定は2人で、アナスタシアとエルリカとは道中で遭遇したんだがな」
「私が動くのは止められると思い隠れて支度して向かいました」
「レオの言う通り危険度A編成となると騎士団長を含めた大規模編成になる。だがそれは必要だから行う事だ」
危険度Aは難易度が高く当然敗北のリスクもある
死者も出る、だからこそ大規模編成で挑む相手
「無論分かっている。我々には私情ではなく非情な程の冷静さが必要だ。普段なら私もそうした。だがそれでは間に合わないと踏んだのだ」
「気持ちは分かるがお前は騎士団長だ」
「いつでも辞める覚悟はある」
「お前なぁ」
レオナルドさんは代わりが居ないと言われるほどの実力と実績がある
問題行動を起こしてもそれでも今までの実績の方が多い
「そしてアナスタシア、お前は病人だ。当然止める。病人が動き回るのを良しとする程、俺の精神は図太くない」
「なので動きました。私がやれる数少ない事なので」
王様は言葉を返さない
返す言葉が無いのかもしれない
「……お前達暫く謹慎だ。エルリカ以外は2度目だな。お前らはやんちゃなのか」
「そうかもな」
「そうかもなじゃねぇ、アナスタシアは絶対に安静にしろお前は病人なんだから聖女の役目も暫く休め」
「緊急時は?」
「それはこちらで判断する。話は終わりだ」
自室に戻る
ベットに倒れ込む
数日間の旅、疲労が溜まっている
……安静かぁ
やりたい事はまだあるがまぁ2度目の謹慎だから徹底されるだろう
「謹慎でも私はメイドとして仕事は出来ます」
「出来るんだ」
「ここに来れるメイドは数が少ないので」
「成程」
王様が信用するメイドの1人
聖女、騎士団長、メイド、今回ばかりは頭を抱えているかもしれない
私のせいだけど
「人の上に立つって大変なんだね」
「ここまで大変なのは案外珍しいかもしれません。レオナルドさんも今まではしっかり騎士団長としての役目を果たしてましたし勝手な行動も余りしませんでした」
「そうなんだ」
それから暫く安静にする
魔力の操作も辞めて休む
病が出来る限り悪化しないように安静にする
謹慎が解けた後、聖女の役目を果たせるように
ただ謹慎が解ける前に病は私を蝕んだ
「風蹄鎌鼬」
「はぁぁぁ!」
剣に纏った状態で放つ風の斬撃
全力の一振り
2人のそれぞれの攻撃がタイミングと位置が噛み合いエルダーグリフォンを左右から両断する
「キィィィィ!!」
落ちたエルダーグリフォンは大量の血を流し動かなくなる
魔法を使っていた事で魔力が削れて纏う魔力の量も減っていたのだろう
「倒した!」
2人が戦闘体勢を解いている
2人も倒したという判断だろう
急いで駆け寄る
「倒しましたね」
「あぁ、アルト、強くなったな」
「ちゃんと鍛えてますから」
「本当に助かりました」
「あぁ、アナスタシア最後助かった。あれは良い判断だ」
「正直俺じゃ落とせなかったですからね」
「今がチャンスだと思ったので、落とせて良かったです」
「あとは回収ですね」
「解体します」
必要な素材を解体して回収してバックに詰め込む
食料を入れていた分が空いているのでそこに詰める
「私達が持っていたバックも使うか」
レオナルドさんはそう言ってバックに残りを詰め込んで持ち上げる
「他にやる事は?」
「後は帰って渡すだけです」
「ならすぐに帰るか。魔力の様子は?」
「まだ余裕あります」
戦闘の時間は想定より短く済んだ
これなら予定より早く帰れる
アカリさんに素材を渡せれば大きく研究が進むだろう
そうなれば早めに特効薬は作れる
……後は聖女の魔法について少し試して記すかな
2日掛けて国に戻る
道中の戦闘は2人が行い私とエルリカは荷物運びをしている
楽々倒していく
「そういえば行きの時、木々吹っ飛ばしてましたがあれは一体?」
「あぁ、魔物が沢山居て面倒になって一撃で仕留めてた」
「……あれ風蹄では無いんですね」
風蹄の威力を見てからアルトがやっているのかと思っていたが違ったようだ
「俺のじゃあそこまでの芸当は出来ません」
「そうなんだ……」
「急いでたしな」
私達も遅くは無いペースで進んでいたがあの岩の時に追い付かれている事から早いペースであった
「にしても病の研究に魔物の素材ですか」
「魔素が使えるかもって言ってた」
「魔素ですか。確かに魔素は魔物からしか取れませんね」
「それで高濃度魔素なら可能性があるって言ってたから」
「その研究が成功すれば薬が?」
「あくまで可能性だけどね。それに魔素をマナに近づける実験がまだ時間かかるらしいし」
「そうですか。他にも何かあれば手伝います」
道中問題無く国に戻れる
そして私達は王の部屋に集められた
集められる前に研究室に素材を送れた
後は待つだけだ
「全員、説明を」
「研究に必要な高濃度魔素を持つエルダーグリフォンの討伐に行きました。私が動ける間に挑まないと研究が止まる可能性があったので」
「大体似たような理由だ」
「俺は事情を聞いた上でレオナルドさんについて行きました。処罰は受けます」
「メイドとして付き従いました」
「言い訳の1つも無しか、潔いな。高濃度魔素の話は聞いていたし研究が止まらないようにこちらで動いていた。事情が事情だ。こちらに話をして貰えれば協力はした」
……そうなんだ。それは安心、ただ急ぐ必要があったから聞いたとしても動いたかな
どれだけ時間が掛かるか分からない研究だ
なら早いうちから取り掛からないと助けられる命も助けられない
「危険度Aとなると編成を組む場合、時間がかかる。だから勝てる可能性のある少数メンバーで挑んだ。最も予定は2人で、アナスタシアとエルリカとは道中で遭遇したんだがな」
「私が動くのは止められると思い隠れて支度して向かいました」
「レオの言う通り危険度A編成となると騎士団長を含めた大規模編成になる。だがそれは必要だから行う事だ」
危険度Aは難易度が高く当然敗北のリスクもある
死者も出る、だからこそ大規模編成で挑む相手
「無論分かっている。我々には私情ではなく非情な程の冷静さが必要だ。普段なら私もそうした。だがそれでは間に合わないと踏んだのだ」
「気持ちは分かるがお前は騎士団長だ」
「いつでも辞める覚悟はある」
「お前なぁ」
レオナルドさんは代わりが居ないと言われるほどの実力と実績がある
問題行動を起こしてもそれでも今までの実績の方が多い
「そしてアナスタシア、お前は病人だ。当然止める。病人が動き回るのを良しとする程、俺の精神は図太くない」
「なので動きました。私がやれる数少ない事なので」
王様は言葉を返さない
返す言葉が無いのかもしれない
「……お前達暫く謹慎だ。エルリカ以外は2度目だな。お前らはやんちゃなのか」
「そうかもな」
「そうかもなじゃねぇ、アナスタシアは絶対に安静にしろお前は病人なんだから聖女の役目も暫く休め」
「緊急時は?」
「それはこちらで判断する。話は終わりだ」
自室に戻る
ベットに倒れ込む
数日間の旅、疲労が溜まっている
……安静かぁ
やりたい事はまだあるがまぁ2度目の謹慎だから徹底されるだろう
「謹慎でも私はメイドとして仕事は出来ます」
「出来るんだ」
「ここに来れるメイドは数が少ないので」
「成程」
王様が信用するメイドの1人
聖女、騎士団長、メイド、今回ばかりは頭を抱えているかもしれない
私のせいだけど
「人の上に立つって大変なんだね」
「ここまで大変なのは案外珍しいかもしれません。レオナルドさんも今まではしっかり騎士団長としての役目を果たしてましたし勝手な行動も余りしませんでした」
「そうなんだ」
それから暫く安静にする
魔力の操作も辞めて休む
病が出来る限り悪化しないように安静にする
謹慎が解けた後、聖女の役目を果たせるように
ただ謹慎が解ける前に病は私を蝕んだ
26
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
婚約破棄された聖女は、愛する恋人との思い出を消すことにした。
石河 翠
恋愛
婚約者である王太子に興味がないと評判の聖女ダナは、冷たい女との結婚は無理だと婚約破棄されてしまう。国外追放となった彼女を助けたのは、美貌の魔術師サリバンだった。
やがて恋人同士になった二人。ある夜、改まったサリバンに呼び出され求婚かと期待したが、彼はダナに自分の願いを叶えてほしいと言ってきた。彼は、ダナが大事な思い出と引き換えに願いを叶えることができる聖女だと知っていたのだ。
失望したダナは思い出を捨てるためにサリバンの願いを叶えることにする。ところがサリバンの願いの内容を知った彼女は彼を幸せにするため賭けに出る。
愛するひとの幸せを願ったヒロインと、世界の平和を願ったヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(写真のID:4463267)をお借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる