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六章 実家へ
閑話6 横恋慕(??視点)
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「兄上のせいで、リヴィアス様がウチの家に嫁いで来なくなっちゃった……」
溜め息を吐き、僕は窓の外を見る。
「兄上があのままリヴィアス様に酷い扱いをした後、僕が助けて、僕の婚約者になってもらおうと思ったのに……残念だなぁ……」
テーブルに置いてあるクッキーを齧り、僕はまた溜め息を吐く。
兄上がリヴィアス様のことが本当は好きなことを知っている。
リヴィアス様は兄上のことが好きではないことも。
好きではないということは、僕にも可能性がある。
酷い扱いをする兄上とは反対に、優しく接する弟の僕。
同じ家の中で、真逆の兄弟を比べれば、どちらが良いのかなんて、火を見るように明らかだ。
それに、兄上は加護がない。
僕は加護を持つ。
加護がない兄上より、加護がある僕の方が優れているし、美しいリヴィアス様を守るのも容易い。
兄上のように、リヴィアス様に振り向いて欲しくて、リヴィアス様より美しくもない他の女に浮気するようなことは僕はしない。
どうして、隣に美しい人がいるのに、他に余所見が出来るのか。
僕なら、愛を告げて、僕なしでは生きられないようにするのに。
装飾品のように隣に立たせ、パーティーで見せびらかすより、僕以外に見せず、閉じ込めて僕だけのものにするのに。
僕の加護をリヴィアス様に使って、僕しか見えないようにしたかったのに。
「流石にレイディアンスに、リヴィアス様と僕の婚約の打診をもう一度することも出来ないし、本当に馬鹿な兄上のせいだよね……」
紅茶を一口飲み、クッキーをまた齧る。
「まぁ、あれだけ酷い扱いを六年もされたんだがら、リヴィアス様にすぐには婚約者も出来ないだろうし、長男というだけで侯爵家を継ぐ兄上より僕の方が優れてるってところを父上達に見せないとね」
そうしないとリヴィアス様を手に入れることが出来ない。
綺麗で、聡明で、月の女神のように輝く美しさを持つリヴィアス様を婚約者にと望む者は多い。
外見の美しさはもちろん、薬に詳しく、効果の高い薬を齎すリヴィアス様は引く手数多だ。
それなのにウチの家が婚約者として選ばれたのは、父上と大公殿下が学友で仲が良かったことが理由で、何の加護もない兄上よりは、加護を持つ僕が婚約者の方が良くない?
僕の方がリヴィアス様を守れると思う。
だが。
「リヴィアス様の前では良い弟のようにしてたから、今の僕を見たら、リヴィアス様は幻滅するかなぁ……」
リヴィアス様は優しいからそんなことを思わないだろうけど、それでも気になってしまう。
「ホント、僕の邪魔ばかりするよね、兄上って。しかも、レイディアンスまで浮気相手と行くなんて、悪手以外の何ものでもないよ。何で分からないかなぁ……」
何も考えていないとしか思えない。
普通は謝罪をするなら、先触れを出して、相手の都合を聞くと思うけど……まさか、謝罪ではなく、婚約破棄の撤回をさせるため?
「うわぁ……馬鹿だ……。どんなことをしてもリヴィアス様に選ばれることはもうないのに……。嫌われるような行動ばかりだから、リヴィアス様に嫌われたのに、分からないかなぁ……」
その点、僕は嫌われていない。
僕なら、リヴィアス様は選んでくれるかもしれない。
今度、リヴィアス様に会う機会があれば、兄上の代わりに謝罪して、今まで以上に交流を深めたら、僕を選びやすい?
「ふふ。そういう方向で進めていこうかな。兄上と浮気相手を上手く使えば自滅して、僕が当主になれるかも」
クッキーを摘んで口にした後、僕は紅茶を飲む。
リヴィアス様を手に入れることを思い浮かべて、自然と笑顔になる。
「リヴィアス様。少しだけ、辛抱なさって下さいね? もう少ししたら、僕がお迎えに行きますから」
笑みを浮かべ、僕は窓の外を見た。
青い空から曇り空へと変わっていくのを見つめる。
ふと浮かんだ計画を兄上にどう伝えるかを考える。
この時、リヴィアス様が既に誰かのモノになっているとは僕は思いもしなかった。
※いつも読んで下さり、ありがとうございます。
遅くなってごめんなさい。
うっかり、公開時間を設定し忘れていました。
続きも20時から日付が変わるまでに更新しますので、宜しくお願い致します!
溜め息を吐き、僕は窓の外を見る。
「兄上があのままリヴィアス様に酷い扱いをした後、僕が助けて、僕の婚約者になってもらおうと思ったのに……残念だなぁ……」
テーブルに置いてあるクッキーを齧り、僕はまた溜め息を吐く。
兄上がリヴィアス様のことが本当は好きなことを知っている。
リヴィアス様は兄上のことが好きではないことも。
好きではないということは、僕にも可能性がある。
酷い扱いをする兄上とは反対に、優しく接する弟の僕。
同じ家の中で、真逆の兄弟を比べれば、どちらが良いのかなんて、火を見るように明らかだ。
それに、兄上は加護がない。
僕は加護を持つ。
加護がない兄上より、加護がある僕の方が優れているし、美しいリヴィアス様を守るのも容易い。
兄上のように、リヴィアス様に振り向いて欲しくて、リヴィアス様より美しくもない他の女に浮気するようなことは僕はしない。
どうして、隣に美しい人がいるのに、他に余所見が出来るのか。
僕なら、愛を告げて、僕なしでは生きられないようにするのに。
装飾品のように隣に立たせ、パーティーで見せびらかすより、僕以外に見せず、閉じ込めて僕だけのものにするのに。
僕の加護をリヴィアス様に使って、僕しか見えないようにしたかったのに。
「流石にレイディアンスに、リヴィアス様と僕の婚約の打診をもう一度することも出来ないし、本当に馬鹿な兄上のせいだよね……」
紅茶を一口飲み、クッキーをまた齧る。
「まぁ、あれだけ酷い扱いを六年もされたんだがら、リヴィアス様にすぐには婚約者も出来ないだろうし、長男というだけで侯爵家を継ぐ兄上より僕の方が優れてるってところを父上達に見せないとね」
そうしないとリヴィアス様を手に入れることが出来ない。
綺麗で、聡明で、月の女神のように輝く美しさを持つリヴィアス様を婚約者にと望む者は多い。
外見の美しさはもちろん、薬に詳しく、効果の高い薬を齎すリヴィアス様は引く手数多だ。
それなのにウチの家が婚約者として選ばれたのは、父上と大公殿下が学友で仲が良かったことが理由で、何の加護もない兄上よりは、加護を持つ僕が婚約者の方が良くない?
僕の方がリヴィアス様を守れると思う。
だが。
「リヴィアス様の前では良い弟のようにしてたから、今の僕を見たら、リヴィアス様は幻滅するかなぁ……」
リヴィアス様は優しいからそんなことを思わないだろうけど、それでも気になってしまう。
「ホント、僕の邪魔ばかりするよね、兄上って。しかも、レイディアンスまで浮気相手と行くなんて、悪手以外の何ものでもないよ。何で分からないかなぁ……」
何も考えていないとしか思えない。
普通は謝罪をするなら、先触れを出して、相手の都合を聞くと思うけど……まさか、謝罪ではなく、婚約破棄の撤回をさせるため?
「うわぁ……馬鹿だ……。どんなことをしてもリヴィアス様に選ばれることはもうないのに……。嫌われるような行動ばかりだから、リヴィアス様に嫌われたのに、分からないかなぁ……」
その点、僕は嫌われていない。
僕なら、リヴィアス様は選んでくれるかもしれない。
今度、リヴィアス様に会う機会があれば、兄上の代わりに謝罪して、今まで以上に交流を深めたら、僕を選びやすい?
「ふふ。そういう方向で進めていこうかな。兄上と浮気相手を上手く使えば自滅して、僕が当主になれるかも」
クッキーを摘んで口にした後、僕は紅茶を飲む。
リヴィアス様を手に入れることを思い浮かべて、自然と笑顔になる。
「リヴィアス様。少しだけ、辛抱なさって下さいね? もう少ししたら、僕がお迎えに行きますから」
笑みを浮かべ、僕は窓の外を見た。
青い空から曇り空へと変わっていくのを見つめる。
ふと浮かんだ計画を兄上にどう伝えるかを考える。
この時、リヴィアス様が既に誰かのモノになっているとは僕は思いもしなかった。
※いつも読んで下さり、ありがとうございます。
遅くなってごめんなさい。
うっかり、公開時間を設定し忘れていました。
続きも20時から日付が変わるまでに更新しますので、宜しくお願い致します!
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