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イケメン登場
5狙った獲物は逃しません!押せ!押せ!
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「ふっ…黙りこくっちまって…そんなに俺が怖いか?これに懲りたらもう来んなよ!しっしっ!」
「はぁぁあああん♡すきっ!!すてきっ!!結婚しませんか?私と婚約してぇ♡♡私が幸せにしますぅ~!!お願い~♡♡♡」
「はぁあああああっっ!!!???」
「私の名前はミーミ!公爵家の1人娘だよ!7歳!こっちのぷにぷにでかわいいスライムはライちゃん!ねぇ~♡あなたの名前教えてほしいなぁ~」
「…ジャスパー」 (思考停止中)
「ジャスパー!覚えたわ!ジャスパー大好きっ!これから毎日会いにくるから!あっ、もうこんな時間!!私家出してきてるの、名残惜しいけど…また明日18:00にここへ来るね!待っててね!絶対じゃあまたねージャスパー」
私は転移魔法で家に帰った。
☆
ミーミが帰った後のジャスパーはその場にヘナヘナと座った。
「なん…だったんだ……?幻覚?夢か?俺死んだのか??あいつ、明日とか言ってなかったか??なんなんだ??詐欺か?んー、でも金持ってそうだったし、俺に取り入る理由ねぇよなぁ………変な女。」
ジャスパーはもう何にも期待することはないだろうと思っていたはずなのに、少しだけ心が騒いだ…でも、その気持ちを見て見ぬふりをして沈めた。
「どうせ遊びだ…傷つく前に傷つけないと…」
---
翌朝。
屋敷の窓から差し込む光を浴びながら、ミーミは胸の奥で決意を固めていた。というか、昨日帰宅してすぐ、般若のような顔をした両親と、使用人達にこっぴどく叱られ、絞られたのに、寝たらケロッと忘れたように…今日の夜の脱出について思いを馳せていた。
昨日の「結婚してください!」発言は、ジャスパーを混乱させただけで終わってしまった。だがそれで諦めるような彼女ではない。ミーミにとっては始まりだった。
☆おっひさー!神様だよー!!いや~最近仕事が忙しくてねぇ…だけどこのままにしておいたらミーミが暴れて大変な世界になっちゃいそうだったから解説入れました~!ジャスパーくん…アホの子に目をつけられてしまったね、可哀想に。じゃ、またね~。
私は転移魔法が使える!――一度訪れた場所へ飛べるというチート的な力だ。だが、魔力の消費が激しい為、1日往復1回分だけしか飛べない。昨日は街に直接飛べるように、色んなところを回った。それに。万が一の時の為に魔力を温存していたのだ。帰りは使ったけどね!幼い頃から魔導書を読み漁り、練習を重ねてきた成果だ!!屋敷の外へ堂々と出ることはできない。けれど、この魔法ならこっそりジャスパーの元へ通える。
その日の夜
転移の光に包まれ、片腕にライちゃんを抱き、昨日、ジャスパーと話した建物の裏に転移する。昨日と同じ空気の重さが漂っていた。ジャスパーは壁にもたれ、鋭い瞳でこちらを見据える。
「チッ…ほんとに来たのか」
冷たい声。だがミーミは笑顔で駆け寄る。
「待っててくれたの!?超嬉しいっ!!ジャスパー会いたかった~♡」
押せ押せの勢いに、ジャスパーは深いため息をつき「…勝手にしろ」と呟いた。拒絶の言葉でありながら、受け入れの片鱗がそこにあったことに私は口角が上がるのを抑えられなかった。
そこからは質問責めだ。
「年齢は?」
「15」
「私のこと好き?」
「……嫌いだ」
「燃えてきた~!!!ゼッテー落とす!」
「…」
「ねぇ、ジャスパー食べれないものとかある?」
「は?なんだよ急に、特にない」
「わかった!!」
「???」
この後も私はジャスパーを質問責めは続いた。ジャスパーも私が諦めないと観念してくれたのか、目は合わないし相変わらずむすーっとしているが、質問には答えてくれるようになった。
「ジャスパー、最後にこれだけ教えて…ジャスパーは、私のことどう見えてる?」
「…どうって?」
「んー、その、可愛いとか可愛いとか可愛いとか?」
「ふっ…なんだそれ、可愛いしかねーじゃん。まー、悪くないんじゃねー?知らんけど。」
「……そっか、そっかぁ…ジャスパーはそっかぁ」
「ソッカー?なんかの呪いか??」
「ジャスパー、星が綺麗だよ」
私はジャスパーの純粋な返しに涙が出そうになってしまったので誤魔化すように空を見た。本当は涙で滲んで星なんか見えていない。
私はどんな答えが返ってきても自分が複雑な気持ちになるだろうことがわかっていたけどどうしてもこの質問がしたかった。ジャスパーは私の中身を見てくれてる気がした。産まれてからずっと、甘やかされて、褒められて、すべてを与えてもらった。だけど私はそんなに貰って良いほど、できた人間でもなくて、皆んなに愛されていいのかずっと不安だった。鏡を見ても私は私を好きになれないかった。
ジャスパーは今の私をみてくれている気がした。彼の正直で飾らない少しぶっきらぼうな答えが私は気に入った。
私はこの日決意した。どうせならこの容姿を利用して、世界を変えてやろうと。
この人が幸せに生きられる世界を作りたいと、そう思った。
二日目
再び転移の光を抜け、昨日と同じ場所へ。この日は雨が降っていたが、しょうがない…私は傘もなにも持っていない馬鹿ちんだったのでずぶ濡れだ。
「また冷やかしに来たのかよ」
「ジャスパー!また待っててくれたの!嬉しい!大好き!会えて嬉しい!!」
「チッ…変な女、おい、こっち来いよ」
そう言ってジャスパーはグイッと私の腕を引いた。
ーーー俺様なジャスパーかっこいい!雨も滴るいい男!イケメンさいこーー!
しばらく手を引かれているとボロボロな小屋の中に案内された。
「ここは俺の巣だ…お前が風邪引くとそのプルプルが可哀想だからな…別にお前の為にとかじゃないからな!勘違いすんなよ…」
「あーもう♡すてき!!かっこいい!!優しい!!嬉しい!!どーしよう。ジャスパーそんなに私をメロメロにさせてどうする気なの??あーんすき!」
「……馬鹿女」
ジャスパーは耳を隠すようにフードを深くかぶっていた。ミーミは目を輝かせ、手を伸ばす。
「耳ふわふわ触らせて!」
ジャスパーは慌てて避けるが、結局捕まってしまう。指先が柔らかな毛並みに触れた瞬間、彼の頬が赤く染まった。
「最高!尊い!」
能天気な声に、ジャスパーは顔を背け「どうすりゃいいんだよ……」と呟いた。心の奥で、長年否定され続けた耳を肯定された衝撃が揺らぎを生んでいた。
三日目
日中に作ったクッキーや、サンドイッチを抱えて転移。我ながら美味しそうな香りが路地に広がる。
「馬鹿女、毎日毎日飽きねえのか?」
「うんっ!ジャスパーに会う為に生きてるようなもんだからね」
「…」
「良かったらこれ一緒に食べよ!私が作ったんだ!」
私はクッキーを1つ摘んで差し出した。
「…」
あまりにも無言なので私は不安になった。
「あ、その…もし手作りダメとかなら全然食べなくて大丈夫だからね、ごめんね、余計なことしちゃったね」
「食う」
「え?」
「よこせ」
ジャスパーは私の手首を掴み自分の口に運んでパクッとクッキーを食べた。私の指先に彼の唇がふにっと当たって…
「…うまいな」フッ
ーーふぇっ!?ジャスパーが笑っ………た…、??えっ、えっ、えっ、エロい…どうしよう心臓が爆発しそう。うっ、、尊い。好き…
きっと私の顔は真っ赤になっているだろう。夜で暗いことが幸いだ。
(狼獣人のジャスパーにはしっかり見えていました。)
「わっ!わたっ!わたしっ!!もう今日は帰るね!クッキーとサンドイッチ置いてくから良かったら食べてね!また明日!」
私は早口で言い放って転移で帰った。
四日目
私は今日も路地に転移した。
「よう、馬鹿女」
「ジャスパー!!今日も待っててくれて嬉しい!大好き!」
「…」
ジャスパーの様子がいつもと違った。
眉間に皺を寄せて、苦しそうな声で語り始めた。
「俺は、物心ついた時にはここにいた。俺は貴族の私生児だったが、醜かったので捨てられたらしい。たまに、俺を冷やかしに来る貴族がいるんだ。そいつが言ってた…」
その声には諦めと痛みが滲んでいた。
「1度だけ…このスラムの外に興味を持って、希望を抱いて、出て見たことがあるんだ。見たことのない物が沢山あって心が躍った。だけどその気持ちはすぐに潰された。俺と目があった屋台のジジイを筆頭に街中が、悲鳴と罵声で包まれ、中には嘔吐したり、帰ってくださいと懇願する物までいた。そして俺はすべてを諦めたんだ。」
ジャスパーはふーっと溜息をはいた。
「だからよ、もうここに来ないでくれ!期待して……絶望するのは、もう嫌なんだ!俺は…怖いんだ。怖くて仕方ない。お前も、外の人間も…俺自身も!」
ミーミは即答する。
「嫌!私にはそんなの関係ない!ねぇ…どうやったらあなたに伝わる?私はあなたを愛してる。」
「…そんな…そんなわけないだろっ!お前は恵まれてるから俺の気持ちがわからないんだ!」
「わからずやはあなたよ!確かに私は恵まれてるわ…だからあなたの苦しみを一緒に受けて理解することはできない…でも、貴方は私自身をみてくれてる。私も今のあなた自身が好き。なんなら、この気持ちが伝わるまで朝まであなたの好きなところを語ってあげましょうか??」
「あ…いや…いいです」
「ふっ…私のジャスパーへの愛を否定しようなんざ100年早いのよ!舐めんなよ!」
ミーミの真っ直ぐな言葉に、ジャスパーは目を伏せ「…お前の言葉は不思議だな」と呟いた。
ジャスパーの心の奥に閉ざしていた扉が、ほんの少し開いた瞬間だった。
「俺は…信じてもいいのか…?」
五日目
私はまた、お決まりの路地へ転移した。
「また来たのか、ミーミ」
お決まりのぶっきらぼうな声が聞こえた。
「え…今私のこと名前で…!」
ジャスパーは呆れたように肩をすくめ
「さあな」と返す。だがその瞳には、微かな期待が宿っていた。
「えー!えー!どうしよう!嬉しすぎて死んじゃいそう♡ジャスパー!ジャスパー!もう一回!ねー、お願いっ!もう一回!!」
「早く帰れ、ミーミ」
「きゃーーーー♡♡♡すきー!もうすき!ねー結婚でしょ?いいよね?ね?結婚しよー!!」
こうして、2人の距離は少しずつ…でも確実に縮まっていったのだった。
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「はぁあああああっっ!!!???」
「私の名前はミーミ!公爵家の1人娘だよ!7歳!こっちのぷにぷにでかわいいスライムはライちゃん!ねぇ~♡あなたの名前教えてほしいなぁ~」
「…ジャスパー」 (思考停止中)
「ジャスパー!覚えたわ!ジャスパー大好きっ!これから毎日会いにくるから!あっ、もうこんな時間!!私家出してきてるの、名残惜しいけど…また明日18:00にここへ来るね!待っててね!絶対じゃあまたねージャスパー」
私は転移魔法で家に帰った。
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ミーミが帰った後のジャスパーはその場にヘナヘナと座った。
「なん…だったんだ……?幻覚?夢か?俺死んだのか??あいつ、明日とか言ってなかったか??なんなんだ??詐欺か?んー、でも金持ってそうだったし、俺に取り入る理由ねぇよなぁ………変な女。」
ジャスパーはもう何にも期待することはないだろうと思っていたはずなのに、少しだけ心が騒いだ…でも、その気持ちを見て見ぬふりをして沈めた。
「どうせ遊びだ…傷つく前に傷つけないと…」
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翌朝。
屋敷の窓から差し込む光を浴びながら、ミーミは胸の奥で決意を固めていた。というか、昨日帰宅してすぐ、般若のような顔をした両親と、使用人達にこっぴどく叱られ、絞られたのに、寝たらケロッと忘れたように…今日の夜の脱出について思いを馳せていた。
昨日の「結婚してください!」発言は、ジャスパーを混乱させただけで終わってしまった。だがそれで諦めるような彼女ではない。ミーミにとっては始まりだった。
☆おっひさー!神様だよー!!いや~最近仕事が忙しくてねぇ…だけどこのままにしておいたらミーミが暴れて大変な世界になっちゃいそうだったから解説入れました~!ジャスパーくん…アホの子に目をつけられてしまったね、可哀想に。じゃ、またね~。
私は転移魔法が使える!――一度訪れた場所へ飛べるというチート的な力だ。だが、魔力の消費が激しい為、1日往復1回分だけしか飛べない。昨日は街に直接飛べるように、色んなところを回った。それに。万が一の時の為に魔力を温存していたのだ。帰りは使ったけどね!幼い頃から魔導書を読み漁り、練習を重ねてきた成果だ!!屋敷の外へ堂々と出ることはできない。けれど、この魔法ならこっそりジャスパーの元へ通える。
その日の夜
転移の光に包まれ、片腕にライちゃんを抱き、昨日、ジャスパーと話した建物の裏に転移する。昨日と同じ空気の重さが漂っていた。ジャスパーは壁にもたれ、鋭い瞳でこちらを見据える。
「チッ…ほんとに来たのか」
冷たい声。だがミーミは笑顔で駆け寄る。
「待っててくれたの!?超嬉しいっ!!ジャスパー会いたかった~♡」
押せ押せの勢いに、ジャスパーは深いため息をつき「…勝手にしろ」と呟いた。拒絶の言葉でありながら、受け入れの片鱗がそこにあったことに私は口角が上がるのを抑えられなかった。
そこからは質問責めだ。
「年齢は?」
「15」
「私のこと好き?」
「……嫌いだ」
「燃えてきた~!!!ゼッテー落とす!」
「…」
「ねぇ、ジャスパー食べれないものとかある?」
「は?なんだよ急に、特にない」
「わかった!!」
「???」
この後も私はジャスパーを質問責めは続いた。ジャスパーも私が諦めないと観念してくれたのか、目は合わないし相変わらずむすーっとしているが、質問には答えてくれるようになった。
「ジャスパー、最後にこれだけ教えて…ジャスパーは、私のことどう見えてる?」
「…どうって?」
「んー、その、可愛いとか可愛いとか可愛いとか?」
「ふっ…なんだそれ、可愛いしかねーじゃん。まー、悪くないんじゃねー?知らんけど。」
「……そっか、そっかぁ…ジャスパーはそっかぁ」
「ソッカー?なんかの呪いか??」
「ジャスパー、星が綺麗だよ」
私はジャスパーの純粋な返しに涙が出そうになってしまったので誤魔化すように空を見た。本当は涙で滲んで星なんか見えていない。
私はどんな答えが返ってきても自分が複雑な気持ちになるだろうことがわかっていたけどどうしてもこの質問がしたかった。ジャスパーは私の中身を見てくれてる気がした。産まれてからずっと、甘やかされて、褒められて、すべてを与えてもらった。だけど私はそんなに貰って良いほど、できた人間でもなくて、皆んなに愛されていいのかずっと不安だった。鏡を見ても私は私を好きになれないかった。
ジャスパーは今の私をみてくれている気がした。彼の正直で飾らない少しぶっきらぼうな答えが私は気に入った。
私はこの日決意した。どうせならこの容姿を利用して、世界を変えてやろうと。
この人が幸せに生きられる世界を作りたいと、そう思った。
二日目
再び転移の光を抜け、昨日と同じ場所へ。この日は雨が降っていたが、しょうがない…私は傘もなにも持っていない馬鹿ちんだったのでずぶ濡れだ。
「また冷やかしに来たのかよ」
「ジャスパー!また待っててくれたの!嬉しい!大好き!会えて嬉しい!!」
「チッ…変な女、おい、こっち来いよ」
そう言ってジャスパーはグイッと私の腕を引いた。
ーーー俺様なジャスパーかっこいい!雨も滴るいい男!イケメンさいこーー!
しばらく手を引かれているとボロボロな小屋の中に案内された。
「ここは俺の巣だ…お前が風邪引くとそのプルプルが可哀想だからな…別にお前の為にとかじゃないからな!勘違いすんなよ…」
「あーもう♡すてき!!かっこいい!!優しい!!嬉しい!!どーしよう。ジャスパーそんなに私をメロメロにさせてどうする気なの??あーんすき!」
「……馬鹿女」
ジャスパーは耳を隠すようにフードを深くかぶっていた。ミーミは目を輝かせ、手を伸ばす。
「耳ふわふわ触らせて!」
ジャスパーは慌てて避けるが、結局捕まってしまう。指先が柔らかな毛並みに触れた瞬間、彼の頬が赤く染まった。
「最高!尊い!」
能天気な声に、ジャスパーは顔を背け「どうすりゃいいんだよ……」と呟いた。心の奥で、長年否定され続けた耳を肯定された衝撃が揺らぎを生んでいた。
三日目
日中に作ったクッキーや、サンドイッチを抱えて転移。我ながら美味しそうな香りが路地に広がる。
「馬鹿女、毎日毎日飽きねえのか?」
「うんっ!ジャスパーに会う為に生きてるようなもんだからね」
「…」
「良かったらこれ一緒に食べよ!私が作ったんだ!」
私はクッキーを1つ摘んで差し出した。
「…」
あまりにも無言なので私は不安になった。
「あ、その…もし手作りダメとかなら全然食べなくて大丈夫だからね、ごめんね、余計なことしちゃったね」
「食う」
「え?」
「よこせ」
ジャスパーは私の手首を掴み自分の口に運んでパクッとクッキーを食べた。私の指先に彼の唇がふにっと当たって…
「…うまいな」フッ
ーーふぇっ!?ジャスパーが笑っ………た…、??えっ、えっ、えっ、エロい…どうしよう心臓が爆発しそう。うっ、、尊い。好き…
きっと私の顔は真っ赤になっているだろう。夜で暗いことが幸いだ。
(狼獣人のジャスパーにはしっかり見えていました。)
「わっ!わたっ!わたしっ!!もう今日は帰るね!クッキーとサンドイッチ置いてくから良かったら食べてね!また明日!」
私は早口で言い放って転移で帰った。
四日目
私は今日も路地に転移した。
「よう、馬鹿女」
「ジャスパー!!今日も待っててくれて嬉しい!大好き!」
「…」
ジャスパーの様子がいつもと違った。
眉間に皺を寄せて、苦しそうな声で語り始めた。
「俺は、物心ついた時にはここにいた。俺は貴族の私生児だったが、醜かったので捨てられたらしい。たまに、俺を冷やかしに来る貴族がいるんだ。そいつが言ってた…」
その声には諦めと痛みが滲んでいた。
「1度だけ…このスラムの外に興味を持って、希望を抱いて、出て見たことがあるんだ。見たことのない物が沢山あって心が躍った。だけどその気持ちはすぐに潰された。俺と目があった屋台のジジイを筆頭に街中が、悲鳴と罵声で包まれ、中には嘔吐したり、帰ってくださいと懇願する物までいた。そして俺はすべてを諦めたんだ。」
ジャスパーはふーっと溜息をはいた。
「だからよ、もうここに来ないでくれ!期待して……絶望するのは、もう嫌なんだ!俺は…怖いんだ。怖くて仕方ない。お前も、外の人間も…俺自身も!」
ミーミは即答する。
「嫌!私にはそんなの関係ない!ねぇ…どうやったらあなたに伝わる?私はあなたを愛してる。」
「…そんな…そんなわけないだろっ!お前は恵まれてるから俺の気持ちがわからないんだ!」
「わからずやはあなたよ!確かに私は恵まれてるわ…だからあなたの苦しみを一緒に受けて理解することはできない…でも、貴方は私自身をみてくれてる。私も今のあなた自身が好き。なんなら、この気持ちが伝わるまで朝まであなたの好きなところを語ってあげましょうか??」
「あ…いや…いいです」
「ふっ…私のジャスパーへの愛を否定しようなんざ100年早いのよ!舐めんなよ!」
ミーミの真っ直ぐな言葉に、ジャスパーは目を伏せ「…お前の言葉は不思議だな」と呟いた。
ジャスパーの心の奥に閉ざしていた扉が、ほんの少し開いた瞬間だった。
「俺は…信じてもいいのか…?」
五日目
私はまた、お決まりの路地へ転移した。
「また来たのか、ミーミ」
お決まりのぶっきらぼうな声が聞こえた。
「え…今私のこと名前で…!」
ジャスパーは呆れたように肩をすくめ
「さあな」と返す。だがその瞳には、微かな期待が宿っていた。
「えー!えー!どうしよう!嬉しすぎて死んじゃいそう♡ジャスパー!ジャスパー!もう一回!ねー、お願いっ!もう一回!!」
「早く帰れ、ミーミ」
「きゃーーーー♡♡♡すきー!もうすき!ねー結婚でしょ?いいよね?ね?結婚しよー!!」
こうして、2人の距離は少しずつ…でも確実に縮まっていったのだった。
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