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31話 救援③
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数日後、キリは無事回復したようで。
それなりに人望はある故か心配してた人は多く、でもそれぞれと深くはないようで軽い挨拶に忙しそうで。
中々話すタイミングが無いまま時間は過ぎ。
ともあれ無事なら良かった。そう傍観で通そうと決め込んだ昼休みにスマホの通知は来た。
飯を済ませた後、そのメッセージにあった場所、この時間には人通りの無い駐輪所前へ。
ちょっと予定時間から遅れてキリが来る。
「…悪いな、呼び出す形になっちまって。」
「いや、どうせ暇してただろうし別に。」
「やっぱ世話になったし、中途半端にはしたくなくてさ。返すもんもあるし。
…助かった、ありがと。」
実際自分が動いたのは初日だけだったが、ハルルとの仲介として役に立てたのならよかった。
「ところで、ハルルとはどうだったんだ?」
「それなんだけどさ……。」
キリの方としても溜め込んでた話のようで、身を乗り出しながら続ける。
「エルフは予想外すぎてなんていうか、こう…!」
言葉を選びすぎて、何も言えない状態のようだ。
そして結局諦め、切り替える。
「……まぁ悪い奴じゃないってのは分かった。」
「何かあったのか?」
「いや、うちの個人的な問題だ。気にしないでくれ。」
誤魔化すように、立て替えてた分を手渡される。
そう言われると余計に気になるが、深入りはやめておこう。
「で、まぁ、なんだ、貸し作ってそれっきりってのも悪いし。」
何か礼になるような事とか、ないか?」
別にそういうつもりは無かったが、気持ちは分からんでもない。
ならばとずっと前から、ほんのり気になってた事を。
「じゃあ、尻尾触ってみていいか?
…あ、嫌ならいいんだけど。」
キリの慌てた反応を見て、こちらも慌てて言葉を足す。
でもこんな豊かなもふもふを見たら触ってみたくなってしまう。それを解消しなければ、今後も気になり続けてしまうだろう。
「いや、慣れない事だから戸惑っただけだ。
…別にいいぞ。」
ベンチの上で揺れ動いた尻尾が、指先に当たる。こちらも手を寄せ、その内に触れる。
より一層ふわふわな被毛に、その中の芯の部分。触れた時にびくっと揺れ、先端の方の毛が手首あたりまで包み込む。
普通の動物なら嫌がるような場所を触らせてもらってる。自分で頼んどいてだが、妙な背徳感。
「こうして人間に紛れて暮らしてるからさ、違和感が出ないよう自分自身でも人間って思いこむようにしてるし、ばれた事なかったから周りからも人間として扱われてきたんだ。
だからこうして化狸として扱われる事は無くて、なんか妙な感じ。」
「そっか。そういう扱いして、なんかごめん。」
「別にいーよ、無暗に人に話したりしなけりゃ。
あと…一応、女子のお尻の延長線上だぞ?」
「え、あ、ごめん!」
確かに、と思い、慌てて手を放す。
「いーんだよ、こっちは気にしてないし。」
からかわれてるな、これ。
「がっつり休んだらなんか吹っ切れたっていうかさ、思考リセットされた感じ。
無自覚の内に、隠す事に疲れてたんだろうな。」
すっきりして、自然な様子。
やっとキリの事を、ちゃんと知れた気がした。
「あーそういやさ、今ふと思い出したんだけど。」
改まり、キリが言葉を続ける。
「魔法を使えるようになりたい、そんな感じの事言ってたよな?」
それなりに人望はある故か心配してた人は多く、でもそれぞれと深くはないようで軽い挨拶に忙しそうで。
中々話すタイミングが無いまま時間は過ぎ。
ともあれ無事なら良かった。そう傍観で通そうと決め込んだ昼休みにスマホの通知は来た。
飯を済ませた後、そのメッセージにあった場所、この時間には人通りの無い駐輪所前へ。
ちょっと予定時間から遅れてキリが来る。
「…悪いな、呼び出す形になっちまって。」
「いや、どうせ暇してただろうし別に。」
「やっぱ世話になったし、中途半端にはしたくなくてさ。返すもんもあるし。
…助かった、ありがと。」
実際自分が動いたのは初日だけだったが、ハルルとの仲介として役に立てたのならよかった。
「ところで、ハルルとはどうだったんだ?」
「それなんだけどさ……。」
キリの方としても溜め込んでた話のようで、身を乗り出しながら続ける。
「エルフは予想外すぎてなんていうか、こう…!」
言葉を選びすぎて、何も言えない状態のようだ。
そして結局諦め、切り替える。
「……まぁ悪い奴じゃないってのは分かった。」
「何かあったのか?」
「いや、うちの個人的な問題だ。気にしないでくれ。」
誤魔化すように、立て替えてた分を手渡される。
そう言われると余計に気になるが、深入りはやめておこう。
「で、まぁ、なんだ、貸し作ってそれっきりってのも悪いし。」
何か礼になるような事とか、ないか?」
別にそういうつもりは無かったが、気持ちは分からんでもない。
ならばとずっと前から、ほんのり気になってた事を。
「じゃあ、尻尾触ってみていいか?
…あ、嫌ならいいんだけど。」
キリの慌てた反応を見て、こちらも慌てて言葉を足す。
でもこんな豊かなもふもふを見たら触ってみたくなってしまう。それを解消しなければ、今後も気になり続けてしまうだろう。
「いや、慣れない事だから戸惑っただけだ。
…別にいいぞ。」
ベンチの上で揺れ動いた尻尾が、指先に当たる。こちらも手を寄せ、その内に触れる。
より一層ふわふわな被毛に、その中の芯の部分。触れた時にびくっと揺れ、先端の方の毛が手首あたりまで包み込む。
普通の動物なら嫌がるような場所を触らせてもらってる。自分で頼んどいてだが、妙な背徳感。
「こうして人間に紛れて暮らしてるからさ、違和感が出ないよう自分自身でも人間って思いこむようにしてるし、ばれた事なかったから周りからも人間として扱われてきたんだ。
だからこうして化狸として扱われる事は無くて、なんか妙な感じ。」
「そっか。そういう扱いして、なんかごめん。」
「別にいーよ、無暗に人に話したりしなけりゃ。
あと…一応、女子のお尻の延長線上だぞ?」
「え、あ、ごめん!」
確かに、と思い、慌てて手を放す。
「いーんだよ、こっちは気にしてないし。」
からかわれてるな、これ。
「がっつり休んだらなんか吹っ切れたっていうかさ、思考リセットされた感じ。
無自覚の内に、隠す事に疲れてたんだろうな。」
すっきりして、自然な様子。
やっとキリの事を、ちゃんと知れた気がした。
「あーそういやさ、今ふと思い出したんだけど。」
改まり、キリが言葉を続ける。
「魔法を使えるようになりたい、そんな感じの事言ってたよな?」
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