そして俺は召喚士に

ふぃる

文字の大きさ
76 / 231

76話 明るみ④

しおりを挟む
 翌日の昼休み、中庭のベンチ。
 昨晩の内に、そこに来てほしいと呼び出しを受けていた。

 …というのも、キリとショウヤが「深入り入った話」をするとのことで。
 だけど二人きりでは気まずいから、立ち会ってほしいと双方から頼まれたという次第。
 自分としても事の成り行きは把握しておくべき、そう思った。
 のだが……。


「じゃあ、やっぱり人間より鼻が利いたりするのか?」
「どーだろーな、確かめた事が無いから分からん。
 ただ、音の方は他の奴らに聞こえてない音聞こえてんなって思う時はあったな。」
 一方的な質問が、ショウヤからなだれ込んでいた。

「で、これどういう流れなわけ?
 ショウヤの『好み』の事は聞いたけどさ。」
 嫌がってるわけではないが、ただただ困惑してるキリがこちらに向けて。
「俺に聞かれても……。
 まぁ悪い方には行かなかったんだし、いいんじゃないかな。」
「それはそうだけどさ……。」
「てゆかショウヤの方も落ち着いたとか言っといて、かなりぐいぐい行くじゃん。」
 キリを挟んで向こう側に座ってるショウヤにも、一言物言い。
「あの時はそう思ったよ。
 けどそれはそれとして、キリが化狸である事で、俺らと事情が違う事とかはあるわけじゃん。
 当事者が身近にいるんなら、色々知りたいんだよ。異種族モノへの解像度を上げる為にもさ。」
 止めるべきか否か迷ってるのを察してか、キリが流れを拾う。
「うちは別に構わないぞ。
 結果的に隠し続けてた事に、負い目無いわけじゃないしな。」
 …あくまで二人の問題だし、当人がいいのなら別にいいか。

「じゃあ他に気になる事といえば…やっぱあれか。
 服に尻尾穴とかあるのか?」
「あぁ、自分で弄って作ってる。見てみるか?」
 言われると気になり、無意識に自分もちらりと。
 スカートの背面、上がボタンで開けれるようになっていて、ついでにただ穴を開けるだけでなく少し布が足されている事で中が見えないようにされている。
「やっぱり尻尾って触られるのって嫌だったり?」
「一言ことわってくれれば別にいいけど、いきなりとかは流石に嫌かな……。」
「換毛期ってあるのか?」
「まぁ、うん。
 特に冬は大変だな。カットしてもらわないとかさばって服もまともに着れねぇ。」
「『してもらわないと』って、してくれる所でもあるのか? その、トリミングサロンみたいな?」
「まぁな。ただ向こうも隠れてやってくれてるわけだから、これ以上は言えねぇ。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

レオナルド先生創世記

山本一義
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転

小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。 人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。 防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。 どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。

処理中です...