そして俺は召喚士に

ふぃる

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90話 季節イベント③

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 再集合した後、何度目かの挑戦。

 レーシュトンの突進攻撃。駆け抜けた直線上の地面に、氷のトゲを残す。
 それを回避する事1回、2回。
 続く3回目の突進、それを槍のカウンター技で受ける。
 そして派生技で一気に詰め寄る。

 試しにと持ってみた槍だったけど、予想外に好感触。
 アーマーで攻撃を受ける事で威力の上がる斧、タイミングを合わせてのカウンターを多用する槍。コンボルートは覚えなおしだったが、基本の立ち回りは感覚を流用できた。
 自身の体力を削るリスクを背負っていた分、斧の方が威力自体は高い。けど回復に割いた時間もあった分、総合的な火力で言えば見た目ほどではない。
 反面、槍でカウンターに成功すればノーダメージで追撃できる。派生ステップが使いやすいのもあり、立ち回りにかなり余裕を持てている。

 連続突進の3回目は、途中で止まらず壁に激突する。その先は誘導済み、狙い通りの場所。
 大きなよろけモーションの隙に、斧に持ち替え大技を。
 コマ斬り、ぐるぐる回転しながらの連続攻撃。
 モーションもクールタイムも長いが、それに相応しい高火力。

 攻撃が終わらないうちに、レーシュトンが立ち上がる。
 そこで別のスキルのホールドを解く。横からウルフの鋭い噛み付き攻撃。
 長い溜め時間、短い射程。使い勝手の悪さ、その為の誘導。
 それを振りほどくモーションの間に、コマ斬りのフィニッシュ叩きつけ。
 立ち上る砂煙とともに、一桁大きいダメージを叩き込む。


「25パー切るぞ!」
 ショウヤの掛け声と共に、黄色かったボスの体力ゲージが赤になる。
 50%切りのここまでは何度もやってきた。けどここからは初見の領域だ。
 固定行動を警戒し、大きく距離を取る。
 傍ら、召喚をバードに切り替え防御と持続回復のバフを撒く。

 レーシュトンが前足で何度も地面を叩く。
 その度に、地面に氷のトゲが円状に広がっていく。
 近くのままだったら、ひとたまりもなかっただろう。
 反面、高さは無い。キリは空中コンボで攻撃続行。

 10回ほど繰り返したのち、最寄りであるキリの場所、空中にいるキリの真下へと跳躍。
 そして、ドーム状の吹雪攻撃。回避が間に合わず、キリが被弾。
 辛うじて残った体力で、退避していたこちら側へ撤退してくる。
「ごめん、タゲ引きバトンタッチ!」
「了解。」
 入れ替わり、バードのいる場所へ魔力ワイヤー移動し接近。
 ショウヤは火薬矢で火力を出し続けてくれているが、その分ターゲットを引かず、フリーでいる必要がある。
 キリが戻るまでの間、一時的なタイマン状態だ。


 すぐにレーシュトンの行動、ツノの連続振り上げ攻撃。
 それをひとつひとつカウンターで受け流していく。けど行動速度が上がって、反撃に移れない。…本体の方は。
 召喚体をウルフに戻し、バードがいた場所、空中から背中への襲撃。
 と気にしてる間に連続攻撃が止み、カウンターの構えが空振りに終わる
 次の敵の行動、両前足で強く地を叩く。
 その場所を中心に地面が凍り、広域にスリップエリアが広がる。
 こうなるとカウンターはタイミングが狂う。斧へと持ち替える。

 続く攻撃、弾速の早い冷気飛ばしの前兆。
 身構えるが、攻撃は上空へと逸れる。
 それを空中ステップで回避する、キリの戦線復帰だ。
 攻撃アップアイテムのエフェクトの、赤い粒子を纏っている。
「フルバフ入れてきた、行くよ。」
 そのまま斬り込むキリ。ならばとウルフに指示出し、バフの咆哮でさらに盛る。
 と同時に温存しておいた振り上げで頭を狙い、怯みを取る。
 のと並行してウルフに追加指示、ウィークポイントを作らせる。
 すぐに再びバードに切り替え上昇攻撃、本体も跳び斬りで作ったウィークポイントに同時攻撃、連続怯みを取る。
 そして攻撃後硬直をキャンセルしつつバードにワイヤー、上空へと。

 ここでとっておき、割増クールタイムと引き換えに他職から持ってきたエクステンドスキル。
 発動前モーションが、丁度同じ技を使ったキリと被る。
 上空で数度振る斧に、白い龍が追従して。
 龍が堕りゆくのと共に、無意識にスキル名を口にする。

「…天龍堕とし!」

 重力加速度を乗せた斧が残り僅かまで減ったゲージを削り切り、枠ごとゲージが砕ける。
 思わずコントローラーから片手離し握り拳。
 達成感で、その後のイベントムービーは頭に入ってこなかった。

「そだ、写真とろーぜ写真!」
 ムービー開け、そう切り出したのはショウヤだ。
 我に返り、システムログに称号パーツの獲得通知。
 そして討伐時間、制限時間残り3秒を切っていた。


 一通り落ち着いたところで、ポータルから戦闘エリアを出て街へ。
 ゲーム内時間も夜中、真っ暗な中で並木の装飾が地上を照らす。
 そしてBGMも普段と違う物、行くまでは無かった雪が降っている。
「そうか、もう0時過ぎてたか。」
 そうぼそりと言ったショウヤが、言葉を続けた。
「メリークリスマス、だな。」
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