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12話 送りつけられる具体的な挑戦状②
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10か20か、咄嗟に数を把握するには難しい人数。
半円状に広がって待ち受けていたそれは、『天啓』の意図を把握するには十分だった。
確かにこれまで、建造物に痕跡を残す破壊は派手にやってきた。
けど、英傑との戦闘はいつも1チームである2・3人単位ばかり。戦い方も、相手の動きに合わせてのもの。悪く言えば地味。
だから今回は多人数相手に派手にやれ。そういう事だろう。
でもそれは自制してた事。
『赤霧の鎧』の戦いはあくまで演出。英傑だけでは解決できない、そう思わせる為の。
だからこんな正面からぶつかって撃退する、なんてのは避けてきてた。
広域に爪痕を残すだけの威力を収束して人に放ったらどうなるか。考えるまでもない。
しかもそうやって避けてきた結果、物に対して雑にばかりで、抑える扱いに慣れていない。
それをこの人が入り乱れる多人数相手に、使えと?
でも、状況は答えを待ってなんかくれない。
遠隔の魔法を構える者。武器を携え、四方に散る者。
攻め手はそれぞれだが、皆が明確な敵意を以て、挑んできている。
…何を躊躇う?
一端とはいえ、英傑という存在は見てきた。皆がそれぞれ、覚悟と強さを持っていた。
なら。
現出の輪の魔石から、魔力を大きく引き出す。
イメージするのは『赤霧の鎧』の象徴、三日月状の鉤爪。
火球や光の矢を回避、その先に待ち受ける二人分の剣。
そこに、ため込んだ魔力とイメージを刃として放つ。
魔力越しに触れ感じる、皮膚の感触。
直に感じる、血の生暖かさ。
黒い刃の奔流が、周囲の全てを切り裂いた。
半円状に広がって待ち受けていたそれは、『天啓』の意図を把握するには十分だった。
確かにこれまで、建造物に痕跡を残す破壊は派手にやってきた。
けど、英傑との戦闘はいつも1チームである2・3人単位ばかり。戦い方も、相手の動きに合わせてのもの。悪く言えば地味。
だから今回は多人数相手に派手にやれ。そういう事だろう。
でもそれは自制してた事。
『赤霧の鎧』の戦いはあくまで演出。英傑だけでは解決できない、そう思わせる為の。
だからこんな正面からぶつかって撃退する、なんてのは避けてきてた。
広域に爪痕を残すだけの威力を収束して人に放ったらどうなるか。考えるまでもない。
しかもそうやって避けてきた結果、物に対して雑にばかりで、抑える扱いに慣れていない。
それをこの人が入り乱れる多人数相手に、使えと?
でも、状況は答えを待ってなんかくれない。
遠隔の魔法を構える者。武器を携え、四方に散る者。
攻め手はそれぞれだが、皆が明確な敵意を以て、挑んできている。
…何を躊躇う?
一端とはいえ、英傑という存在は見てきた。皆がそれぞれ、覚悟と強さを持っていた。
なら。
現出の輪の魔石から、魔力を大きく引き出す。
イメージするのは『赤霧の鎧』の象徴、三日月状の鉤爪。
火球や光の矢を回避、その先に待ち受ける二人分の剣。
そこに、ため込んだ魔力とイメージを刃として放つ。
魔力越しに触れ感じる、皮膚の感触。
直に感じる、血の生暖かさ。
黒い刃の奔流が、周囲の全てを切り裂いた。
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