219 / 228
シント編
217話 各所の爪痕②
しおりを挟む
どうせ抜け出してきたんだ、折角だしできる事をやっておこう。
という事で食料調達。路地裏の事情を知ってしまった以上、路地裏の資源に頼りたくはない。
余分に買い込んで路地裏に回す事も考えたが、路地裏には路地裏の流通事情もあるだろうし、何より量を持ち込むだけの手段を持ち合わせていない。
様子次第で助力するのはやぶさかではないが、今は自分の分だけ。
もしもの場合に備えて少しだけ黒い魔石を補充してきたが、今のところミツキの襲撃の気配はない。
状況がそれどころじゃないのか、それともあの戦闘のダメージ故か。
それなら多少買い物の為に表立って活動しても──
「久し振りじゃないか!」
不意の声、昨日も聞いた声。
咄嗟に身構えかけた後、安堵と警戒の気持ちが半々。
「どうしてここに?
…テムスさん。」
「そりゃあまぁ、うちの優秀な探知担当が見つけてくれたからな。
丁度近くに居たから、こうして寄り道して来たというわけだ。」
そこからどう切り出そうか迷い、その間にテムスさんが言葉を続ける。
「ミツキから話は聞いた。
……が、ミツキだけはどうにも信用しきれん。だから捕まえてどうこうするつもりは無い。そこは安心してほしい。」
「信用できない、とはどういう?」
「最高位騎士の中でも、サーキテロアとリリラックの両名には、行動に確たる理念が感じられる。
だが、ミツキだけはそれが見てとれない。そもそもの最高位騎士昇格の経緯も、疑問なくらいだ。」
「ヒュージ・フラベラの件で功績がある、とは聞いたけど……。」
「確かにそれは大きな実績、だがそれだけで最高位騎士になれるというのなら、今頃低く見ても10人は最高位騎士がいる事だろうな。」
区切りと見てテムスさんが封書を取り出し、言葉を続ける。
「……と、本題に入ろう。
指名で身を預かった側だ、その任は果たすさ。君が英傑補佐だろうと鈍色仮面側だろうと…なんだろうともね。」
「これは?」
「君宛てに預かった。元々、この報せを待つ為の滞在だったであろう?」
その封書を受け取る。
そうだ、レミレニアでは入手できなかった高純度の魔石が、シントにならあるという話だった。しかしレミレニアでの後始末があるから、コンジュさんは遅れるとの事で。
すぐに開けて中身を確認する。
そこには──
という事で食料調達。路地裏の事情を知ってしまった以上、路地裏の資源に頼りたくはない。
余分に買い込んで路地裏に回す事も考えたが、路地裏には路地裏の流通事情もあるだろうし、何より量を持ち込むだけの手段を持ち合わせていない。
様子次第で助力するのはやぶさかではないが、今は自分の分だけ。
もしもの場合に備えて少しだけ黒い魔石を補充してきたが、今のところミツキの襲撃の気配はない。
状況がそれどころじゃないのか、それともあの戦闘のダメージ故か。
それなら多少買い物の為に表立って活動しても──
「久し振りじゃないか!」
不意の声、昨日も聞いた声。
咄嗟に身構えかけた後、安堵と警戒の気持ちが半々。
「どうしてここに?
…テムスさん。」
「そりゃあまぁ、うちの優秀な探知担当が見つけてくれたからな。
丁度近くに居たから、こうして寄り道して来たというわけだ。」
そこからどう切り出そうか迷い、その間にテムスさんが言葉を続ける。
「ミツキから話は聞いた。
……が、ミツキだけはどうにも信用しきれん。だから捕まえてどうこうするつもりは無い。そこは安心してほしい。」
「信用できない、とはどういう?」
「最高位騎士の中でも、サーキテロアとリリラックの両名には、行動に確たる理念が感じられる。
だが、ミツキだけはそれが見てとれない。そもそもの最高位騎士昇格の経緯も、疑問なくらいだ。」
「ヒュージ・フラベラの件で功績がある、とは聞いたけど……。」
「確かにそれは大きな実績、だがそれだけで最高位騎士になれるというのなら、今頃低く見ても10人は最高位騎士がいる事だろうな。」
区切りと見てテムスさんが封書を取り出し、言葉を続ける。
「……と、本題に入ろう。
指名で身を預かった側だ、その任は果たすさ。君が英傑補佐だろうと鈍色仮面側だろうと…なんだろうともね。」
「これは?」
「君宛てに預かった。元々、この報せを待つ為の滞在だったであろう?」
その封書を受け取る。
そうだ、レミレニアでは入手できなかった高純度の魔石が、シントにならあるという話だった。しかしレミレニアでの後始末があるから、コンジュさんは遅れるとの事で。
すぐに開けて中身を確認する。
そこには──
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
妻が通う邸の中に
月山 歩
恋愛
最近妻の様子がおかしい。昼間一人で出掛けているようだ。二人に子供はできなかったけれども、妻と愛し合っていると思っている。僕は妻を誰にも奪われたくない。だから僕は、妻の向かう先を調べることににした。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる