英傑活動の傍らで

ふぃる

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62話 幕間:ヴェリダール・ロンドラーレ

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「ヴェリダールさん、来たよ。」
 休みの2日目、事前の約束により深いとこの個室。こうして白猫家の手土産を持って来るのも何度目だっけか。
「毎度ありがとうございます。」
「…毎度思うんだけどさ。そっちのが立場上なんだから、そんなかしこまらなくてもさ。」
「これはもう癖みたいなものなので、気にしないでくださいな。」

「でも、上層の貴族様が庶民料理に興味あるなんてな。」
「上層の民だからこそ、かもしれません。
 普段はこの辺りの食事処を巡ってますが、料理としては上層でも見た事のあるものが多く。こういった風変りなものは、それだけで興味深いものです。」
「そこの店主に聞いた話だけど、異国料理を参考にした独自料理だと。」
「なるほど道理で。そうなると参考元なったオリジナルも気になるところ。」
「…上層の奴らって、もっとこう、冷たいイメージあったんだけどな。」
「そういう人は確かに多いです。けど、私の場合は息苦しくて。」
「…上層が?」
「はい。
 ロンドラーレ家というのはシントの興りの時には戦力として大きく貢献したそうですが、対外戦力の需要が乏しい今となっては名ばかりに近く。
 伝統の対人剣術は継承されていますが、兵器の強大な今となってはそんなものは大局の戦力としてはさほど強いものでもなく。
 それに嫌気がさした兄は早々に出て行ってしまい、余計に私には後継としての圧もかかってしまい……。」
「ここの戦闘指導員を引き受けたのもそれで?」
「はい。合理的に上層の外で滞在できる理由として。」
「初動の指導員、って話だって聞いたけど。」
「そこは下層に居るのにしては大仰な名声を利用して、粘るつもりです!」
「随分な事を……。」
「それにここでの任が終わったからって永久に出れない訳ではないですし、そういう話には徹底的に食らいついていく所存です。」
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