英傑活動の傍らで

ふぃる

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72話 そして5年が経ち③

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 両手の籠手に込めた魔力が光る模様を描き、込められた魔力の武器が光の線で形作られる。
 水晶のように透明度のある砲門を、標的とされてる建物へと向ける。
「さぁ、開演といこうか!」

 生成された武器に魔力を込める。砲身の奥に光が溜まる。
「巡れ、バウンドハウンド!」
 獣の遠吠えのような独特な発射音。
 放射状に走るいくつもの光の線が、制圧対象の建物の窓を通り、中で乱反射する。
 威力は無い。しかし照らされた内部構造を、人員配置を、立体的に把握する。
 それらを思考から直接立体地図に反映させ、赤い点で表示させる。

「トゥワン、先陣を。」
「おぅけい!」
 右となりポジの部下がナックル型の武器に魔力の青いラインを走らせながら叫ぶ。
「派遣戦力『ダーティ・ホイール』突撃だァ!」
 トゥワンに続き、4人がそれぞれ別の突入口から向かっていく。


 その後も残存する魔力で、ある程度は観測し続け。
 配備情報の更新は混乱の素だからしない、メンバーも移動してる可能性前提の情報として見てる。
 ただ逃げる反応を見逃さない為の観測。

 裏口に向かう反応ひとつ。その出口の場所もとっくに見えてる。出てくるよりも早く、壁を使い高く跳躍しながら奥側に回る。
 茶ローブ羽織ったそいつに対し、先手を仕掛ける。直接戦闘に慣れてない奴なんだろう、行動に迷って硬直している。
 そんな都合は知ったこっちゃない。即時折り返しながらの蹴撃。
 ギリギリで行動に移れた仮面のそいつが後方、大通りに出る側へと駆け出す。

「受けろ、ミレース!」
 言った時には既に進路を塞ぐ場所にいたミレース。空を切り構える斧に、魔力の青い線が走る。
「ったく、急に振られる側の事も考えろよ。」
 そいつの対応が状況に追いつかず、相変わらず雑な斧の一振りを避ける事はできず。


 そいつを追ってきてたのだろう、ダーティ・ホイールのメンバーの1人が裏口から出てきて。
 地図の反応を見て確認し、周囲にも聞こえるよう宣言する。
「姐さん! 中の制圧、完了っす!」
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