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98話 捕えた目標②
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翌日の外出。
向かったのは療養所。ただし民間のではなく、英傑管理のもの。
そこに運ばれる負傷者は英傑や、戦闘に巻き込まれた民間人、そして別棟に戦闘の末に捕えた罪人。
不安として残っていた、ロイノの様子。存在を忘れようとした事もあったりしたけど、やっぱり一度再会してしまうとお、昔のあの時間を忘れられてないと自覚させられる。
聞いてみたら、外傷は治療済み、だけど衰弱と手続き待ちで数日はそこに居ると聞いて。聴取という表向きの理由を立てて面会を申し出たら、いつものように話はすんなり通り。
状況が進んで手遅れになる前に行動に。
通された病室には、四角い魔力壁。
その内側に、ロイノは佇んでいた。
「…何しに来たんだよ、正義の味方さん。」
音に対して魔力壁は何の邪魔もせず、ロイノの気力に欠いた声を通す。
今の鈍色仮面の事とか、あの人数の多さの事とか、聞きたい事は沢山ある。
けどまずは──
「ま、こっちとしても丁度よかったけどな。
中途半端に断片だけ聞いて、気になって仕方なかったし。」
「…断片?」
話の流れを取られ、反射的に反復する。
「ほら、お前のダチの事だよ。
『もういねぇ』って、何かあったみてぇだけど。」
「別に…ほら、5年前のヒュージ・フラベラの初通過があっただろ? その時の2次的な事故で…な。」
「…違うな、あの時の反応からするに。
推測だが何らかの事件、それも理不尽な。」
当たってる、が故に言える訳が無い。
「そんなに言い辛い事なのか?
…まさか、鈍色仮面が関係してる? けど、殺しに至った報告なんてひとつも……。」
…いや、そこまで詠まれて否定する方が無理が生じるか。
「多分お前が思ってるよりさらに前。
あいつの…その、薬的な物が、な。」
「…『的な』ってどういう事だ?」
一度深呼吸をし、意を決する。
「盗まれたんだと。その店の奴の話からするに、当時の路地裏の奴に。」
「…いや、盗品に薬は無かったはずだ。あったら忘れる訳が無い。」
「茶葉だったんだよ、特定の地域の。」
聞いて思考の間の後、ロイノが答える。
「いや、まさか、あれが…?」
「…やっぱりお前らがだったのか?」
「うろ覚えだが、場所を移す前の最後の換金の時、妙に高く売れた嗜好品があった。瓶に入った何かだったが、まさか…?」
それを否定する言葉は、思い浮かばなかった。
「じゃあその時に言えよ! 薬として何が必要だったのかを!」
「知るか! 当時ガキだ!
それにそんな偶然の事故になるなんて思わないだろ!」
他責と自責が混じり混沌とし始めた思考を、別の話題を考える事で強引に落ち着かせ言葉を続ける。
「それもだが今は、だ。
お前は今、鈍色仮面の件の重要参考人だ。
責を感じているのなら、その借りを返せ。」
向かったのは療養所。ただし民間のではなく、英傑管理のもの。
そこに運ばれる負傷者は英傑や、戦闘に巻き込まれた民間人、そして別棟に戦闘の末に捕えた罪人。
不安として残っていた、ロイノの様子。存在を忘れようとした事もあったりしたけど、やっぱり一度再会してしまうとお、昔のあの時間を忘れられてないと自覚させられる。
聞いてみたら、外傷は治療済み、だけど衰弱と手続き待ちで数日はそこに居ると聞いて。聴取という表向きの理由を立てて面会を申し出たら、いつものように話はすんなり通り。
状況が進んで手遅れになる前に行動に。
通された病室には、四角い魔力壁。
その内側に、ロイノは佇んでいた。
「…何しに来たんだよ、正義の味方さん。」
音に対して魔力壁は何の邪魔もせず、ロイノの気力に欠いた声を通す。
今の鈍色仮面の事とか、あの人数の多さの事とか、聞きたい事は沢山ある。
けどまずは──
「ま、こっちとしても丁度よかったけどな。
中途半端に断片だけ聞いて、気になって仕方なかったし。」
「…断片?」
話の流れを取られ、反射的に反復する。
「ほら、お前のダチの事だよ。
『もういねぇ』って、何かあったみてぇだけど。」
「別に…ほら、5年前のヒュージ・フラベラの初通過があっただろ? その時の2次的な事故で…な。」
「…違うな、あの時の反応からするに。
推測だが何らかの事件、それも理不尽な。」
当たってる、が故に言える訳が無い。
「そんなに言い辛い事なのか?
…まさか、鈍色仮面が関係してる? けど、殺しに至った報告なんてひとつも……。」
…いや、そこまで詠まれて否定する方が無理が生じるか。
「多分お前が思ってるよりさらに前。
あいつの…その、薬的な物が、な。」
「…『的な』ってどういう事だ?」
一度深呼吸をし、意を決する。
「盗まれたんだと。その店の奴の話からするに、当時の路地裏の奴に。」
「…いや、盗品に薬は無かったはずだ。あったら忘れる訳が無い。」
「茶葉だったんだよ、特定の地域の。」
聞いて思考の間の後、ロイノが答える。
「いや、まさか、あれが…?」
「…やっぱりお前らがだったのか?」
「うろ覚えだが、場所を移す前の最後の換金の時、妙に高く売れた嗜好品があった。瓶に入った何かだったが、まさか…?」
それを否定する言葉は、思い浮かばなかった。
「じゃあその時に言えよ! 薬として何が必要だったのかを!」
「知るか! 当時ガキだ!
それにそんな偶然の事故になるなんて思わないだろ!」
他責と自責が混じり混沌とし始めた思考を、別の話題を考える事で強引に落ち着かせ言葉を続ける。
「それもだが今は、だ。
お前は今、鈍色仮面の件の重要参考人だ。
責を感じているのなら、その借りを返せ。」
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