英傑活動の傍らで

ふぃる

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16話 そして数年が過ぎ②

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「ただいまー。」
 配達を終えて、店に帰ってきて。
 露店型の店舗だが、脇に少数だけ座席。その奥の方の席で休む。
「おかえりぃ。見ての通り昼はもう上がりだよ。」
 カウンターの方からそう返答したのは、ここの店主の猫人サーキャットのピア店長。
 店の名前にもなっているその純白の毛並みは、大通りに面する店舗なのも相まって、通行人の目を引く美しさだ。…見た目だけなら。

「…なんか最近仕事量減った?」
 確かに今日も疲れた。けど体感で2~3件くらいの体力余裕がある。昨日までの件数を数えてなかったのをちょっと後悔。
「うーん、ただ慣れてきただけじゃない?」
「…ほんとのところは?」
 まだ1年弱の付き合いではあるが、暇な時間は大体ここに居させてもらってる。ピア店長のこういう質問に1回目は誤魔化す癖にも、もう慣れた。
「売れ行き自体は増えてるんだよね、ニメージュの配達がいい宣伝になってるんだと思う。
 けど、それが同時に問題にもなってね。配達の順番待ちがスゴイ事になっちゃってね。
 じゃあここまで買いに来てー、って人が増えた訳よ。」
 確かにアクロバットの都合で、1回の配達でこなせる数は少ない。
「配達員を増やしたりは考えないの?」
「供給量もほぼ上限だし、これ以上事業拡大してもねぇ。
 それに、ニメージュ以外に務まると思う?」
「それは…確かに。」
 自分で思うのもなんだけど、今の自分のレベルを他人に要求するのは、ちょっと気が引ける。

「で、ちょっと気が早いけど、明日はちょっと変わった配達予約だ。」
「なんだ、大口注文か?」
 前に一度あった、大荷物の時を思い出す。いつもの運び方ができなくて面倒だったな、と。
「いや、遠方のお客さんだ。北東地区の層壁門までのね。」
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