英傑活動の傍らで

ふぃる

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37話 街を駆け④

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 演習とはいえ、ゲーム形式。スコアを奪い合い、競うゲーム。
 つまり、他のチームは演習の設定で言えば「敵」だ。
 スコアを得る手段は的の破壊だけではない。敵チームを倒す事でもスコアが入る、そういうルール。


「的は渡さないよ!」
 同じ格好をした森人エルフの男女ペア、その男の方が剣で蹴りを止める。
 少し距離を取り様子をうかがう。改めて構えた相手の剣に、青い模様が浮かぶ。
 「青紋刃」、そう説明の中で呼ばれていた武器のギミック。魔力を流し込む事で、捕縛の為の催眠魔術が起動する。
 こっちも同様に武器を起動し、アーマーに模様が浮かぶ。

 目の前の相手を警戒していたが、その背後から切り込むもう1人の方。
 不意で反応が遅れたけど、どうにか腕のアーマーで受ける。そこにすかさずもう1人が追撃にと来る。
 だけどその攻撃の軌道は突然逸れる。折り返してきたタァの短剣を避けるために、相手の剣は振られる事なく一歩引く。

 少しの静寂の間、タァを避けた方が、武器に雷を纏わせる。
 アーマー越しでも受けたらまずい、とは思い距離を取るが退路を塞ぐように氷が降ってくる。もう一人の方の魔法だ。
「タァなんかこう、戦闘系の魔法使えないのか!?」
「戦いには向いてないっていうか、物探し系なら得意だけど……。」
「何でそんな被り編成なってんだよ!」
 いや、そこを嘆いても仕方ない。今は今だ。

 光魔法の使い方、サーシュの記憶にあった別の用途。
 そもそもの儀式が不完全だったのもあっておぼろげなそれを、どうにか引き出す。
 探知の時のように魔力を広げ、だけど広げすぎず全身を覆う程度の球体に。そして、受け入れ探るのではなく、拒否の意思。
 探知の時と違い、魔力が目に見える程の光となってバリアになる。

 雷の剣が、一振りと共に広範囲へと雷撃を放つ。
 サーシャの記憶の通り、バリアが雷を弾いてくれる。けどタァは対処法無く距離を取るしかない。
 次の一振りで拡散される前に、と踏み込んで止めに入る。
 振らせない、それが取れる対処法。
 離れた所で魔力的な音、だけど直後に武器同士の音がして氷の弾は近辺に落ちる。

 タァはまだ雷撃を警戒して攻めあぐねてる。
 剣が纏う雷は、表面に雷めいた模様は浮かぶが、雷撃そのものはこのバリアで抑え込めてるらしい。
 1人で2人を見る、最初の方に似た構図。けど、それならさっきも見た。

 2人両方を警戒し、今度は雷の方が先に来る。
 その攻撃をアーマーで受けつつ、その体で隠れた氷の方への警戒。
 案の定、前振りを隠しての剣。その2撃目を取る!
 アーマーで受け流しつつ、蹴りの一撃を加える。よろけた所にさらに追撃。
 よろけて距離を取った氷の方。けどその背後に待ち構えていた斧、いつの間にか移動していたミレースの一撃。
 それを中途半端な姿勢で剣で受けるも、質量で大きく弾かれる。
「メプレース!」
 おそらく名前を叫ぶ雷の方。けどその気が逸れた大きな隙、勢い任せの蹴りは剣に当たるが、雷の方を押し倒す。
 踏み台にして抑え込みつつ、言う。

「降参してくれると、運ぶ手間が省けて楽なんだけど。」
「…次は負けないよ。」
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