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18. 元老院の鷲 【エルアーザール】
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「何と、馬鹿な事をしてくれたものだ」
元老院の奥に在る執務室で、エルアーザールが溜息を吐いた。
彼の手には1枚の書状があり、送り主は中央大神殿からであった。
「議長様、如何されました?」
エルアーザールの溜息に気が付いて、書類の整理をしていた秘書官が尋ねた。
「もしや、それは中央大神殿からの?」
「ああ。馬鹿な奴らがやらかしてくれた」
議長と呼ばれ、呆れた口調で言い放ったのは帝国元老院の議長を務める男だった。
濃い栗色の前髪を搔き上げると、白皙の額を指で押さえた。その眉間には険しく寄せられ、濃茶の瞳が伏せられている。帝国に多く見られる色合いではあるが、真っ直ぐな眉と肉の薄い頬、すっきりと高い鼻梁が男らしい美貌である事は判る。長い髪は一つに結わえて肩から胸に垂らし、濃紺の官服であるその胸には議長の印である金色の胸章が付いていた。
「議員の10数人が、召還した祓い人殿に会うため押しかけたそうだ。それも『箱の間』に無理矢理押し入ろうとして止められた。全く何という浅はかなことをしたものだ」
書状を机の上に置くと、こめかみを揉み込むように長い指で押さえた。
帝国元老院の若き議長、エルアーザールは書状から視線を外すと二回目の溜息を吐いた。
中央大神殿からの書状には、元老院の議員10数名が召喚間もない『祓い人』の所に押しかけ、未だ平常心には至らない少年の、若き『祓い人』に、誠に身勝手な言葉を投げつけたという事が書かれていた。帝国の一大神事で漸く200年振りに成功して得た貴重な『祓い人』に敬意も無く、身柄を預かっている神殿にもとんでもなく不敬であろう‥‥‥という内容がびっしりとあった。
「全く、もう少し待てば良いものを。何を先走ってか、考え無しな行動をしてくれたものだ。これで神殿が、一層祓い人を囲い込んでしまうだろうに」
エルアーザールはそう言うと執務室の窓辺に腰を掛けた。窓から見える風景は、帝都らしく賑やかな往来が見える。正確な放射状の街道と、整然と区画整理された街は帝国随一の繁栄の証だ。そして、元老院の少し離れた南側には荘厳な中央大神殿が見えた。
「エルアーザール様、如何致しますか? その議員らの名はお判りなのでしょう?」
秘書官が書類の束を机の上に置いて、窓辺のエルアーザールに声を掛けた。何らかの罰則を与える必要があると思っているのだろう。
「ここは、神殿の顔を立ててやろう。書状に名のある議員たちに10日間の謹慎と一月分の議員報酬を没収し、ソレを中央大神殿に寄進しよう。元老院からの詫びとしてな。それでどうだ?」
エルアザールは薄っすらと笑みを浮かべてそう言った。
帝都にある元老院で、エルアーザールは若き議長として政の中枢にいた。古くから宰相の地位を継承していた有力な貴族の血を受け継いでいたが、帝政が敷かれた頃からは新たな役割として定められた『議長』の任についていた。父も祖父も、曾祖父もその前の代から続く由緒ある議長職にエルアーザールは誇りを持っていた。
政を担う元老院と、精神と信仰の象徴となる神殿、そして武力の騎士団を、事実上全部掌握しているのが議長であることは暗黙の了解であった。帝王直属の、ただ一つの懐刀の役割を持っているからだ。
「皇帝閣下に聞かせられぬな。元老院の議員ともあろう者が、異界の助け人に何を縋ろうと言うのだ。己が力の無さを吹聴する様なものだと気が付かぬのか」
エルアーザールは眼下に広がる帝都の街並みを見ながら言った。度重なる内戦や諸外国との戦にあっても、その整然と美しい姿を変えることは無かった。全ては敬愛する皇帝閣下の統治能力の賜物だ。歴代の皇帝の中でも群を抜く能力、そして類まれなカリスマ性。心酔しているのは自分だけでは無いはずだ。
だからだ。だからここに来て『祓い人召喚』という神頼みに頼るなど考えられなかった。
この時代、今は皇帝閣下と議長を務める自分がいる。現実的な政策と先の世を見据えた治世は、過去数百年を見ても一番平穏な時代だと自負していたからだ。
それなのに、神殿と騎士団はそうは思っていなかった。
確かに天災は起こる。偉大な自然を操る力は人間には無いし、そこから派生する飢饉や疫病の発生もなくなる訳では無い。ただ、未然に防ぐ努力も被害を最小限にする手立ても行っている。
「しかしまあ、人心には身近な拠り所も必要ではあるがな。すでに先代の祓い人がいなくなって200年だ。その間何度も召喚の儀式を行って、何回儀式を行った? 50年前? 10年程前にも行っていたがことごとく失敗していたのだ。まさか、今回成功するなどとは誰も思っていなかったな」
「左様でございました。まさか本当に成功されるなど、皇帝閣下も大層驚かれていましたな」
秘書官が相槌を打つと、エルアーザールは頷きながら自席の椅子に腰かけた。それから、再び机の書状に目を向けてほんの少し思案した。
今回、召喚の儀を行う事をエルアーザールはある思惑を持って見ていた。
必要以上に財力を持ち始めた神殿と、平和な治世に不満を感じ忠誠心が希薄になったと疑念を持たれている騎士団に、『民の為』という大義名分を掲げさせて、余計な人力と財力を一月に渡って散在させ忠誠心の有無を図る意図もあった。
国中から法力の強い者達を集める為には時間も金も掛かったはずだ。召喚の儀は神殿主導で行われ、騎士団は法力の提供と騎士道の象徴として祓い人を守護する使命を持つ。
元老院の役目は、召喚されし者が『祓い人』として働けるか判ってからだ。それまでは神殿と騎士団で何とかして貰いたい。
「しかし、本当にソレは『祓い人』なのか?」
書状の文字を目で追いながら、ある一文に眼を止めた。そして何か思いついた様に顔を上げた。
「中央大神殿に使者を送れ。明日、元老院の議長エルアーザール・ネシェルが伺うとな」
元老院の奥に在る執務室で、エルアーザールが溜息を吐いた。
彼の手には1枚の書状があり、送り主は中央大神殿からであった。
「議長様、如何されました?」
エルアーザールの溜息に気が付いて、書類の整理をしていた秘書官が尋ねた。
「もしや、それは中央大神殿からの?」
「ああ。馬鹿な奴らがやらかしてくれた」
議長と呼ばれ、呆れた口調で言い放ったのは帝国元老院の議長を務める男だった。
濃い栗色の前髪を搔き上げると、白皙の額を指で押さえた。その眉間には険しく寄せられ、濃茶の瞳が伏せられている。帝国に多く見られる色合いではあるが、真っ直ぐな眉と肉の薄い頬、すっきりと高い鼻梁が男らしい美貌である事は判る。長い髪は一つに結わえて肩から胸に垂らし、濃紺の官服であるその胸には議長の印である金色の胸章が付いていた。
「議員の10数人が、召還した祓い人殿に会うため押しかけたそうだ。それも『箱の間』に無理矢理押し入ろうとして止められた。全く何という浅はかなことをしたものだ」
書状を机の上に置くと、こめかみを揉み込むように長い指で押さえた。
帝国元老院の若き議長、エルアーザールは書状から視線を外すと二回目の溜息を吐いた。
中央大神殿からの書状には、元老院の議員10数名が召喚間もない『祓い人』の所に押しかけ、未だ平常心には至らない少年の、若き『祓い人』に、誠に身勝手な言葉を投げつけたという事が書かれていた。帝国の一大神事で漸く200年振りに成功して得た貴重な『祓い人』に敬意も無く、身柄を預かっている神殿にもとんでもなく不敬であろう‥‥‥という内容がびっしりとあった。
「全く、もう少し待てば良いものを。何を先走ってか、考え無しな行動をしてくれたものだ。これで神殿が、一層祓い人を囲い込んでしまうだろうに」
エルアーザールはそう言うと執務室の窓辺に腰を掛けた。窓から見える風景は、帝都らしく賑やかな往来が見える。正確な放射状の街道と、整然と区画整理された街は帝国随一の繁栄の証だ。そして、元老院の少し離れた南側には荘厳な中央大神殿が見えた。
「エルアーザール様、如何致しますか? その議員らの名はお判りなのでしょう?」
秘書官が書類の束を机の上に置いて、窓辺のエルアーザールに声を掛けた。何らかの罰則を与える必要があると思っているのだろう。
「ここは、神殿の顔を立ててやろう。書状に名のある議員たちに10日間の謹慎と一月分の議員報酬を没収し、ソレを中央大神殿に寄進しよう。元老院からの詫びとしてな。それでどうだ?」
エルアザールは薄っすらと笑みを浮かべてそう言った。
帝都にある元老院で、エルアーザールは若き議長として政の中枢にいた。古くから宰相の地位を継承していた有力な貴族の血を受け継いでいたが、帝政が敷かれた頃からは新たな役割として定められた『議長』の任についていた。父も祖父も、曾祖父もその前の代から続く由緒ある議長職にエルアーザールは誇りを持っていた。
政を担う元老院と、精神と信仰の象徴となる神殿、そして武力の騎士団を、事実上全部掌握しているのが議長であることは暗黙の了解であった。帝王直属の、ただ一つの懐刀の役割を持っているからだ。
「皇帝閣下に聞かせられぬな。元老院の議員ともあろう者が、異界の助け人に何を縋ろうと言うのだ。己が力の無さを吹聴する様なものだと気が付かぬのか」
エルアーザールは眼下に広がる帝都の街並みを見ながら言った。度重なる内戦や諸外国との戦にあっても、その整然と美しい姿を変えることは無かった。全ては敬愛する皇帝閣下の統治能力の賜物だ。歴代の皇帝の中でも群を抜く能力、そして類まれなカリスマ性。心酔しているのは自分だけでは無いはずだ。
だからだ。だからここに来て『祓い人召喚』という神頼みに頼るなど考えられなかった。
この時代、今は皇帝閣下と議長を務める自分がいる。現実的な政策と先の世を見据えた治世は、過去数百年を見ても一番平穏な時代だと自負していたからだ。
それなのに、神殿と騎士団はそうは思っていなかった。
確かに天災は起こる。偉大な自然を操る力は人間には無いし、そこから派生する飢饉や疫病の発生もなくなる訳では無い。ただ、未然に防ぐ努力も被害を最小限にする手立ても行っている。
「しかしまあ、人心には身近な拠り所も必要ではあるがな。すでに先代の祓い人がいなくなって200年だ。その間何度も召喚の儀式を行って、何回儀式を行った? 50年前? 10年程前にも行っていたがことごとく失敗していたのだ。まさか、今回成功するなどとは誰も思っていなかったな」
「左様でございました。まさか本当に成功されるなど、皇帝閣下も大層驚かれていましたな」
秘書官が相槌を打つと、エルアーザールは頷きながら自席の椅子に腰かけた。それから、再び机の書状に目を向けてほんの少し思案した。
今回、召喚の儀を行う事をエルアーザールはある思惑を持って見ていた。
必要以上に財力を持ち始めた神殿と、平和な治世に不満を感じ忠誠心が希薄になったと疑念を持たれている騎士団に、『民の為』という大義名分を掲げさせて、余計な人力と財力を一月に渡って散在させ忠誠心の有無を図る意図もあった。
国中から法力の強い者達を集める為には時間も金も掛かったはずだ。召喚の儀は神殿主導で行われ、騎士団は法力の提供と騎士道の象徴として祓い人を守護する使命を持つ。
元老院の役目は、召喚されし者が『祓い人』として働けるか判ってからだ。それまでは神殿と騎士団で何とかして貰いたい。
「しかし、本当にソレは『祓い人』なのか?」
書状の文字を目で追いながら、ある一文に眼を止めた。そして何か思いついた様に顔を上げた。
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