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第二章 死する狼のための鎮魂歌
夜の森で②
「少し寒いね」
先に沈黙を破ったのはマリアンルージュだった。
樹々のあいだを吹き抜けてくる冷たい夜風に身を震わせ、肩を抱いて縮こまる。その様子を見て、ゼノは首を傾げた。
竜気を身に纏うことで外気の影響は遮断される。里を出てから常にそうし続けていたゼノは、昼と夜の気温の変化に気付いていなかった。
だが、マリアンルージュはそうではないらしい。竜気を纏っていないのか、夜の冷たい空気を肌で感じている。
眠りに着く前にリュックが言っていたあの言葉は、あながち冗談でもなかったようだ。
「そういえば、リュックもそんなことを言っていました」
「リュックが?」
ゼノの言葉を聞き、マリアンルージュが目を丸くする。周囲を見回し、砂利の上に寝転ぶリュックに目を留めたマリアンルージュは、眠っているリュックの側にいそいそと向かうと、羽織っていたマントを脱ぎ、穏やかな寝息をたてるリュックの身体に掛けた。
「ちょ……マリア、寒いんじゃなかったんですか?」
「このままじゃ、リュックが風邪をひいてしまうよ。わたしは火の側にいるから大丈夫」
中腰になって声をあげたゼノに笑ってそう返すと、マリアンルージュは火の側へ戻ってきた。砂利の上に集めてあった細枝を摘まみあげ、半分に折り、ひょいと投げて火に焼べる。そのままゼノの隣に腰を下ろし、細枝を焦がす炎に目を細めた。
焚き火に照らされたマリアンルージュの朱紅い髪が、夜の風に煽られて燃え上がる炎のように揺らぐ。その横顔に、ゼノは暫し目を奪われた。
視線に気がついたマリアンルージュが小首を傾げると、ゼノは躊躇いがちに口を開いた。
「……収穫祭の夜、舞を踊る貴女を遠くから観ていました。始めて舞台に立った貴女の、緊張に強張った顔を今でも思い出せます。美しく洗練されていく貴女と貴女の舞が観られる祭の夜を、毎年密かに楽しみにしていました」
瞳を逸らすことなく、真っ直ぐにそう言い放った。
最初は目を丸くしていたマリアンルージュだったが、ゼノが最後まで言い終える頃には、耳を真っ赤に染め上げて顔を膝に埋めてしまった。
ややあって、マリアンルージュが顔を上げる。
「……今の、なに?」
「……なにって?」
「だから、その……どう受け取れば良いのかなって……」
手の平で口元を覆い隠し、マリアンルージュは困惑の色を隠せずにいる。その意味にようやく気がついて、ゼノは硬直した。
リュックが言っていたことはこれだったのだ。
子供の頃から、他人がゼノの言葉に耳を傾けることはほとんど無かった。それ故に、遠回しな言葉で誤解されることを避けようと、直接嘘偽りのない言葉を口にする癖がついていた。
相手がゼノの話を最後まで聞いてくれたことなどなかったために、これまで気付くことができなかった。直接好意を示すことが、ときとして相手に見返りを要求する行為になり得ることに。
マリアンルージュの問いは、先程のゼノの言葉を単なる褒め言葉として受け取れば良いのか、若しくは、愛の告白として受け取るべきなのかという確認のためのものだろう。
マリアンルージュには想う相手が他にいる。その相手が全てにおいて非の打ち所がない完璧な男だと言うことを、ゼノは理解している。
そして、マリアンルージュがその男と幸せになることを、ゼノ自身も望んでいる。
先程の言葉に、見返りなど求めてはいない。ましてや恋愛感情など、あるはずが――
「褒め言葉です。他意はありません」
はっきりとした口調でゼノが言い切ると、拍子抜けしたようにマリアンルージュは表情を緩ませた。
「……そっか、そうだよね。ごめん、変な勘違いをするところだったよ」
くすくすと笑いながら、マリアンルージュが膝を抱える。
妙に落ち着かない、どこかくすぐったい気分だった。その裏で、ゼノは自身の感情の昂ぶりに僅かに動揺していた。
***
「収穫祭と言えば、毎年、祭りの前に狩りに出かけてね。捕らえた獲物を当日のご馳走にして振舞ってたんだ」
マリアンルージュが夜空を見上げ、楽しかった故郷の思い出を懐かしむように語る。
ゼノとマリアンルージュがふたりで火を囲み始めてから、随分と時間が経っていた。いつものゼノならば、この時間には眠気に負けそうになるものだが、今夜は違う。
他愛もない話しかしていないにも関わらず、マリアンルージュと言葉を交わすのが思いの外楽しくて、ゼノは夜が更けていくことに気がついていなかった。
「何度か岩豚も並んだんだよ? ゼノは食べたことなかった?」
「ないですね。祭には直接参加したことはありませんから」
「じゃあ、本当に今日初めて岩豚を食べたんだ」
「そうですよ」
気の利いた返しすらできないゼノを相手に、マリアンルージュは嬉々として話を続ける。
数百年もの長い時を生きてきたゼノだったが、これほどまでに自分に興味を示した相手は、イシュナードの他に知らなかった。それ故に、高嶺の花であったはずのマリアンルージュとこのような言葉を交わす日が来るとは、想像だにしていなかった。
「美味しかった?」
「美味しかったです。マリアが料理上手だったことが意外でしたが……」
期待を込めた眼差しで顔を横から覗き込むマリアンルージュに、ゼノはほんの少し意地の悪い言葉を返した。ゼノの返答を耳にして、マリアンルージュが不機嫌そうに頬を膨らませる。
「どんな偏見だよ。料理も裁縫も、母から一通り仕込まれてるんだからね」
そう言って、拗ねた子供のようにそっぽを向いた。
整った容姿も相まって、その仕草は余計に愛らしく見える。
「そうですね。きっと良いお嫁さんになれますよ」
「……ほんとに?」
つい、口を滑らせたゼノだったが、流石に慣れというものがあるらしい。慌てふためくことなく艶のある笑みを浮かべると、マリアンルージュは嬉しそうに目を細めた。
僅かにたじろいで、ゼノは小さく頷いた。
「良かった……」
囁くようにそう零し、マリアンルージュがゆっくりとその視線を夜空へ向ける。
穏やかな笑顔で彼女が思い浮かべる相手は誰なのか――
その答えを、ゼノは考えないことにした。
***
北から南へと流れる大きな川のうえを、淡い光が浮遊していた。
青白いその光に誘われて、川に棲む微生物が水面に浮かび上がる。その瞬間、光は糸のような触手で微生物を絡め取り、それらを次々と捕食した。
川辺に現れた淡い光はいつの間にか群れを成し、流れに逆らって川を北上する。砂利の敷き詰められた川縁でそれを感知すると、青白かったその光が、瞬く間に禍々しい赤に色を変えた。
光の群れは長い間それを覆い、夜明けとともに姿を消した。
先に沈黙を破ったのはマリアンルージュだった。
樹々のあいだを吹き抜けてくる冷たい夜風に身を震わせ、肩を抱いて縮こまる。その様子を見て、ゼノは首を傾げた。
竜気を身に纏うことで外気の影響は遮断される。里を出てから常にそうし続けていたゼノは、昼と夜の気温の変化に気付いていなかった。
だが、マリアンルージュはそうではないらしい。竜気を纏っていないのか、夜の冷たい空気を肌で感じている。
眠りに着く前にリュックが言っていたあの言葉は、あながち冗談でもなかったようだ。
「そういえば、リュックもそんなことを言っていました」
「リュックが?」
ゼノの言葉を聞き、マリアンルージュが目を丸くする。周囲を見回し、砂利の上に寝転ぶリュックに目を留めたマリアンルージュは、眠っているリュックの側にいそいそと向かうと、羽織っていたマントを脱ぎ、穏やかな寝息をたてるリュックの身体に掛けた。
「ちょ……マリア、寒いんじゃなかったんですか?」
「このままじゃ、リュックが風邪をひいてしまうよ。わたしは火の側にいるから大丈夫」
中腰になって声をあげたゼノに笑ってそう返すと、マリアンルージュは火の側へ戻ってきた。砂利の上に集めてあった細枝を摘まみあげ、半分に折り、ひょいと投げて火に焼べる。そのままゼノの隣に腰を下ろし、細枝を焦がす炎に目を細めた。
焚き火に照らされたマリアンルージュの朱紅い髪が、夜の風に煽られて燃え上がる炎のように揺らぐ。その横顔に、ゼノは暫し目を奪われた。
視線に気がついたマリアンルージュが小首を傾げると、ゼノは躊躇いがちに口を開いた。
「……収穫祭の夜、舞を踊る貴女を遠くから観ていました。始めて舞台に立った貴女の、緊張に強張った顔を今でも思い出せます。美しく洗練されていく貴女と貴女の舞が観られる祭の夜を、毎年密かに楽しみにしていました」
瞳を逸らすことなく、真っ直ぐにそう言い放った。
最初は目を丸くしていたマリアンルージュだったが、ゼノが最後まで言い終える頃には、耳を真っ赤に染め上げて顔を膝に埋めてしまった。
ややあって、マリアンルージュが顔を上げる。
「……今の、なに?」
「……なにって?」
「だから、その……どう受け取れば良いのかなって……」
手の平で口元を覆い隠し、マリアンルージュは困惑の色を隠せずにいる。その意味にようやく気がついて、ゼノは硬直した。
リュックが言っていたことはこれだったのだ。
子供の頃から、他人がゼノの言葉に耳を傾けることはほとんど無かった。それ故に、遠回しな言葉で誤解されることを避けようと、直接嘘偽りのない言葉を口にする癖がついていた。
相手がゼノの話を最後まで聞いてくれたことなどなかったために、これまで気付くことができなかった。直接好意を示すことが、ときとして相手に見返りを要求する行為になり得ることに。
マリアンルージュの問いは、先程のゼノの言葉を単なる褒め言葉として受け取れば良いのか、若しくは、愛の告白として受け取るべきなのかという確認のためのものだろう。
マリアンルージュには想う相手が他にいる。その相手が全てにおいて非の打ち所がない完璧な男だと言うことを、ゼノは理解している。
そして、マリアンルージュがその男と幸せになることを、ゼノ自身も望んでいる。
先程の言葉に、見返りなど求めてはいない。ましてや恋愛感情など、あるはずが――
「褒め言葉です。他意はありません」
はっきりとした口調でゼノが言い切ると、拍子抜けしたようにマリアンルージュは表情を緩ませた。
「……そっか、そうだよね。ごめん、変な勘違いをするところだったよ」
くすくすと笑いながら、マリアンルージュが膝を抱える。
妙に落ち着かない、どこかくすぐったい気分だった。その裏で、ゼノは自身の感情の昂ぶりに僅かに動揺していた。
***
「収穫祭と言えば、毎年、祭りの前に狩りに出かけてね。捕らえた獲物を当日のご馳走にして振舞ってたんだ」
マリアンルージュが夜空を見上げ、楽しかった故郷の思い出を懐かしむように語る。
ゼノとマリアンルージュがふたりで火を囲み始めてから、随分と時間が経っていた。いつものゼノならば、この時間には眠気に負けそうになるものだが、今夜は違う。
他愛もない話しかしていないにも関わらず、マリアンルージュと言葉を交わすのが思いの外楽しくて、ゼノは夜が更けていくことに気がついていなかった。
「何度か岩豚も並んだんだよ? ゼノは食べたことなかった?」
「ないですね。祭には直接参加したことはありませんから」
「じゃあ、本当に今日初めて岩豚を食べたんだ」
「そうですよ」
気の利いた返しすらできないゼノを相手に、マリアンルージュは嬉々として話を続ける。
数百年もの長い時を生きてきたゼノだったが、これほどまでに自分に興味を示した相手は、イシュナードの他に知らなかった。それ故に、高嶺の花であったはずのマリアンルージュとこのような言葉を交わす日が来るとは、想像だにしていなかった。
「美味しかった?」
「美味しかったです。マリアが料理上手だったことが意外でしたが……」
期待を込めた眼差しで顔を横から覗き込むマリアンルージュに、ゼノはほんの少し意地の悪い言葉を返した。ゼノの返答を耳にして、マリアンルージュが不機嫌そうに頬を膨らませる。
「どんな偏見だよ。料理も裁縫も、母から一通り仕込まれてるんだからね」
そう言って、拗ねた子供のようにそっぽを向いた。
整った容姿も相まって、その仕草は余計に愛らしく見える。
「そうですね。きっと良いお嫁さんになれますよ」
「……ほんとに?」
つい、口を滑らせたゼノだったが、流石に慣れというものがあるらしい。慌てふためくことなく艶のある笑みを浮かべると、マリアンルージュは嬉しそうに目を細めた。
僅かにたじろいで、ゼノは小さく頷いた。
「良かった……」
囁くようにそう零し、マリアンルージュがゆっくりとその視線を夜空へ向ける。
穏やかな笑顔で彼女が思い浮かべる相手は誰なのか――
その答えを、ゼノは考えないことにした。
***
北から南へと流れる大きな川のうえを、淡い光が浮遊していた。
青白いその光に誘われて、川に棲む微生物が水面に浮かび上がる。その瞬間、光は糸のような触手で微生物を絡め取り、それらを次々と捕食した。
川辺に現れた淡い光はいつの間にか群れを成し、流れに逆らって川を北上する。砂利の敷き詰められた川縁でそれを感知すると、青白かったその光が、瞬く間に禍々しい赤に色を変えた。
光の群れは長い間それを覆い、夜明けとともに姿を消した。
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