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第二章 死する狼のための鎮魂歌
終われる獣②
街の人間に見捨てられた鉱山の跡地に、甲高い金属音が響き渡る。廃坑を封鎖していた鉄の錠が真っ二つに割れて弾け飛び、乾いた土の上に転がった。
錆び付いた音を立てる鉄格子の扉を引き開けると、マリアンルージュは後方を振り返り、レティシアを手招いた。
今朝の入浴のとき、マリアンルージュが人間ではないことを知らされていたとはいえ、まさか素手で鉄の錠を破壊するとは思ってもみなかった。
呆然とするレティシアを余所に、マリアンルージュは洞穴を満たす闇の中へと降りていく。その姿が闇に呑まれて消える前に、レティシアは慌てて後を追った。
頭上から降り注ぐ陽の光が、洞穴の壁面を照らしていた。傾斜の険しい岩肌に階段代わりに打ち付けられた腐りかけの板の上を、ふたりは恐る恐る降りていった。
灯りのない暗がりで不安に駆られたレティシアが、先を行くマリアンルージュの服の端を握り締める。それに気付いたマリアンルージュは、はぐれないようにとレティシアの手を取った。
降り立った穴の底は、ふたりが想像していた暗闇に支配された世界ではなく、緑がかった薄明かりに照らされた不思議な空間になっていた。
「光苔だ。考え無しに降りてきてしまったけど、助かったね」
そう言ってレティシアを振り返り、マリアンルージュはほっと息を吐いてみせた。
頭上に張られた木の板からぶらさがる、点々と連なる壊れた旧式の照明器具の下を、ふたりは奥へ奥へと進んでいった。廃坑の通路は思っていたよりも広く、壁際に敷かれたレールの上には、土でいっぱいになったトロッコが停まっていた。
無造作に放り出されたつるはしやシャベルに足を取られないよう気をつけながら、追手が迫ることを考えて、ふたりは足を速めた。
薄緑色に不気味に照らされた通路は、奥に進むにつれて幾つかの道に枝分かれしていた。
「レティ、花を咲かせることはできる? 元来た道がわかるように、目印を残しておいて欲しいんだ」
初めの分岐路に差し掛かったとき、マリアンルージュがレティシアに言った。レティシアはこくりと頷くと、岩肌に近付いて手をかざし、通路の片隅に月雫の花を一輪咲かせた。
月雫の花は切り立った崖の上に咲く貴重な花で、一年のあいだ月の光を浴びて、収穫の季節の夜にだけ花を咲かせる。珍しい花であるが故に、道標には最適だった。
道が枝分かれするたびに目印に花を残して、ふたりは洞窟の奥へと進んでいった。
何度目かの分岐路を越えたところで、レティシアの耳がぴくりと動く。かなり距離はあるが、元来た道のほうから数人の足音と話し声が聞こえる。
レティシアは足を止め、暗闇に耳を澄ませた。追手の数は三人――廃坑の外で察知したときのままだ。けれど、その足音は正確にレティシアとマリアンルージュの方に迫っていた。
慌てたレティシアが、前方の通路へと視線を向ける。
この洞窟は廃坑だ。このまま奥へ進んでも出口があるとは限らない。
嗅覚と聴覚を研ぎ澄ませて、レティシアは洞窟の奥を探った。けれど、前方の澱んだ空気からは、出口らしきものの存在は感じられない。
このまま進んでも追い詰められるだけ。そう判断して、レティシアはマリアンルージュの手を引いた。振り向いたマリアンルージュと、薄闇の中で視線が重なる。レティシアが不安な顔で見上げると、マリアンルージュは優しい笑顔をみせた。
「うん、確かにきみの言うとおり。奥に進んでも出口はなくて、追い詰められるだけかもしれない。だけどね、これは可能性の問題なんだ。憲兵隊長を名乗っているジュリアーノって人の実力は、おそらく本物だと思う。普通の人の喧嘩って感じじゃなくて、本当に訓練を受けてる憲兵の動きだったから」
過去に憲兵隊と対峙した経験があるのだろうか。マリアンルージュは記憶の中のその人物とジュリアーノの動きを照らし合わせているようだった。
「一対一なら、わたしでもある程度は戦えるよ。でも、レティは戦えないよね? 少なくとも三人はいる追手を相手にするには、このままでは状況が不利すぎるんだ。レティが人質に取られたら、わたしは応戦できなくなってしまうから。だから今は、身を隠せる場所を探そう」
小さな子供に言い聞かせるようなマリアンルージュの言葉にレティシアが小さく頷くと、それに応えるように、マリアンルージュも大きく頷きを返した。
迫り来る追手への恐怖に駆られながら、レティシアは廃坑の奥へと進むマリアンルージュの背中を追った。
やがて突き当たった分岐路で、やまなりに積み上げられた土の隣にトロッコが横倒しになっていた。一方の通路は天井付近のわずかな隙間を残して土の山に塞がれており、ぱっと見た限りでは行き止まりにも見える。
「ここを越えて、あの隙間を埋めてしまえば、行き止まりに見せかけて追手を巻くことができるかも……」
僅かに考え込んで呟くと、マリアンルージュはレティシアに目を向けた。視線の意図を察し、レティシアが素早く土の斜面を登る。土の山と天井とのわずかな隙間を通り抜けると、レティシアは振り返り、マリアンルージュに手を伸ばした。
マリアンルージュは登って来なかった。
土の山の上のレティシアを見上げ、にっこりと微笑むと、レティシアに向かって手を差し出した。
「さっきの花を一輪貰える?」
そうだった。うっかり道標を残すのを忘れていた。
レティシアは急いで月雫の花を咲かせると、その花をマリアンルージュに投げ渡した。そしてふたたび、急かすようにマリアンルージュに手を伸ばした。
(はやく! 足音が迫ってるの!)
声の出ない口を動かして、レティシアは必死に訴えた。けれど、マリアンルージュは土の山を登ろうとはしなかった。
ゆっくりと首を横に振り、人差し指を口元に当てて、「静かに」と口を動かしてみせた。
月雫の花を朱紅い髪に挿して飾り、マリアンルージュはレティシアを見上げて囁いた。
「レティ、きみはそこに隠れているんだ。絶対に声を出しちゃ駄目だよ。わたしが彼等を引き付けるから、足音がここから離れたら、元来た道を戻るんだ。追手は三人だけとは限らないから油断しちゃ駄目だよ。外に出られたらなんとか逃げ延びて、ゼノとリュックにこのことを伝えて」
言い終えると同時に身を翻し、マリアンルージュはもう一方の通路へと走り出した。湿った土を蹴る足音が、今までよりも鮮明に耳に届く。
レティシアの脳裏に、あのときの記憶が鮮明に浮かび上がる。貯蔵庫に隠れるようにレティシアに告げ、犠牲になった姉の笑顔が――
「――!」
声にならない声をあげ、レティシアはマリアンルージュの名前を呼んだ。けれど、マリアンルージュは戻っては来なかった。
あふれる涙を手のひらで拭い、レティシアは土の山の陰で小さく身を丸めた。追手の足音と匂いは、すぐそこまで迫っていた。
錆び付いた音を立てる鉄格子の扉を引き開けると、マリアンルージュは後方を振り返り、レティシアを手招いた。
今朝の入浴のとき、マリアンルージュが人間ではないことを知らされていたとはいえ、まさか素手で鉄の錠を破壊するとは思ってもみなかった。
呆然とするレティシアを余所に、マリアンルージュは洞穴を満たす闇の中へと降りていく。その姿が闇に呑まれて消える前に、レティシアは慌てて後を追った。
頭上から降り注ぐ陽の光が、洞穴の壁面を照らしていた。傾斜の険しい岩肌に階段代わりに打ち付けられた腐りかけの板の上を、ふたりは恐る恐る降りていった。
灯りのない暗がりで不安に駆られたレティシアが、先を行くマリアンルージュの服の端を握り締める。それに気付いたマリアンルージュは、はぐれないようにとレティシアの手を取った。
降り立った穴の底は、ふたりが想像していた暗闇に支配された世界ではなく、緑がかった薄明かりに照らされた不思議な空間になっていた。
「光苔だ。考え無しに降りてきてしまったけど、助かったね」
そう言ってレティシアを振り返り、マリアンルージュはほっと息を吐いてみせた。
頭上に張られた木の板からぶらさがる、点々と連なる壊れた旧式の照明器具の下を、ふたりは奥へ奥へと進んでいった。廃坑の通路は思っていたよりも広く、壁際に敷かれたレールの上には、土でいっぱいになったトロッコが停まっていた。
無造作に放り出されたつるはしやシャベルに足を取られないよう気をつけながら、追手が迫ることを考えて、ふたりは足を速めた。
薄緑色に不気味に照らされた通路は、奥に進むにつれて幾つかの道に枝分かれしていた。
「レティ、花を咲かせることはできる? 元来た道がわかるように、目印を残しておいて欲しいんだ」
初めの分岐路に差し掛かったとき、マリアンルージュがレティシアに言った。レティシアはこくりと頷くと、岩肌に近付いて手をかざし、通路の片隅に月雫の花を一輪咲かせた。
月雫の花は切り立った崖の上に咲く貴重な花で、一年のあいだ月の光を浴びて、収穫の季節の夜にだけ花を咲かせる。珍しい花であるが故に、道標には最適だった。
道が枝分かれするたびに目印に花を残して、ふたりは洞窟の奥へと進んでいった。
何度目かの分岐路を越えたところで、レティシアの耳がぴくりと動く。かなり距離はあるが、元来た道のほうから数人の足音と話し声が聞こえる。
レティシアは足を止め、暗闇に耳を澄ませた。追手の数は三人――廃坑の外で察知したときのままだ。けれど、その足音は正確にレティシアとマリアンルージュの方に迫っていた。
慌てたレティシアが、前方の通路へと視線を向ける。
この洞窟は廃坑だ。このまま奥へ進んでも出口があるとは限らない。
嗅覚と聴覚を研ぎ澄ませて、レティシアは洞窟の奥を探った。けれど、前方の澱んだ空気からは、出口らしきものの存在は感じられない。
このまま進んでも追い詰められるだけ。そう判断して、レティシアはマリアンルージュの手を引いた。振り向いたマリアンルージュと、薄闇の中で視線が重なる。レティシアが不安な顔で見上げると、マリアンルージュは優しい笑顔をみせた。
「うん、確かにきみの言うとおり。奥に進んでも出口はなくて、追い詰められるだけかもしれない。だけどね、これは可能性の問題なんだ。憲兵隊長を名乗っているジュリアーノって人の実力は、おそらく本物だと思う。普通の人の喧嘩って感じじゃなくて、本当に訓練を受けてる憲兵の動きだったから」
過去に憲兵隊と対峙した経験があるのだろうか。マリアンルージュは記憶の中のその人物とジュリアーノの動きを照らし合わせているようだった。
「一対一なら、わたしでもある程度は戦えるよ。でも、レティは戦えないよね? 少なくとも三人はいる追手を相手にするには、このままでは状況が不利すぎるんだ。レティが人質に取られたら、わたしは応戦できなくなってしまうから。だから今は、身を隠せる場所を探そう」
小さな子供に言い聞かせるようなマリアンルージュの言葉にレティシアが小さく頷くと、それに応えるように、マリアンルージュも大きく頷きを返した。
迫り来る追手への恐怖に駆られながら、レティシアは廃坑の奥へと進むマリアンルージュの背中を追った。
やがて突き当たった分岐路で、やまなりに積み上げられた土の隣にトロッコが横倒しになっていた。一方の通路は天井付近のわずかな隙間を残して土の山に塞がれており、ぱっと見た限りでは行き止まりにも見える。
「ここを越えて、あの隙間を埋めてしまえば、行き止まりに見せかけて追手を巻くことができるかも……」
僅かに考え込んで呟くと、マリアンルージュはレティシアに目を向けた。視線の意図を察し、レティシアが素早く土の斜面を登る。土の山と天井とのわずかな隙間を通り抜けると、レティシアは振り返り、マリアンルージュに手を伸ばした。
マリアンルージュは登って来なかった。
土の山の上のレティシアを見上げ、にっこりと微笑むと、レティシアに向かって手を差し出した。
「さっきの花を一輪貰える?」
そうだった。うっかり道標を残すのを忘れていた。
レティシアは急いで月雫の花を咲かせると、その花をマリアンルージュに投げ渡した。そしてふたたび、急かすようにマリアンルージュに手を伸ばした。
(はやく! 足音が迫ってるの!)
声の出ない口を動かして、レティシアは必死に訴えた。けれど、マリアンルージュは土の山を登ろうとはしなかった。
ゆっくりと首を横に振り、人差し指を口元に当てて、「静かに」と口を動かしてみせた。
月雫の花を朱紅い髪に挿して飾り、マリアンルージュはレティシアを見上げて囁いた。
「レティ、きみはそこに隠れているんだ。絶対に声を出しちゃ駄目だよ。わたしが彼等を引き付けるから、足音がここから離れたら、元来た道を戻るんだ。追手は三人だけとは限らないから油断しちゃ駄目だよ。外に出られたらなんとか逃げ延びて、ゼノとリュックにこのことを伝えて」
言い終えると同時に身を翻し、マリアンルージュはもう一方の通路へと走り出した。湿った土を蹴る足音が、今までよりも鮮明に耳に届く。
レティシアの脳裏に、あのときの記憶が鮮明に浮かび上がる。貯蔵庫に隠れるようにレティシアに告げ、犠牲になった姉の笑顔が――
「――!」
声にならない声をあげ、レティシアはマリアンルージュの名前を呼んだ。けれど、マリアンルージュは戻っては来なかった。
あふれる涙を手のひらで拭い、レティシアは土の山の陰で小さく身を丸めた。追手の足音と匂いは、すぐそこまで迫っていた。
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