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第7話 ふたり、森の中で
2※
唇が触れ合ったのは、ほんの数秒だった。
柔らかなぬくもりがそっと離れ、溜め息に似た吐息を感じる。薄く目を開けば、まだ彼の顔が真近にあって。反射的に目を閉じると、もう一度、今度はじっくりと熱を伝えるように口付けられた。
優しいキスだった。
まるでロッテが嫌がっていないかを確かめるみたいに、彼は何度も角度を変えながら、唇が触れ合うだけのキスを繰り返した。
人命救助の応急措置なんかじゃない。言い逃れのしようもない、本物のキスだった。けれど、ロッテはどうしてか、まったく嫌だと思わなかった。それどころかもっと触れたくて、触れてほしくて、せがむように彼の唇をあまく食んだ。
目を開くことができなかった。開いてしまったら、この優しい夢から覚めてしまいそうで。
ロッテは別の男のことが好きで、ゲオルグは別の女を愛しているはずなのに。互いに触れ合うのを止めることができなかった。
怯えるように瞳をのぞかせると、熱の篭もった黒い瞳が真近にあった。彼の眼は、いつか見た危ういものとは違っていた。ロッテが目を閉じて熱い吐息を漏らすと、今度はその吐息ごと唇を奪われた。
「んっ……!」
分厚い舌が口の中に滑り込む。ロッテはわけがわからなくて、ただされるがままに彼の行為を受け入れた。
彼の舌は燃えるように熱く、ロッテの口内を這い、舌を絡め取った。耳の奥でくちゅくちゅと水音が響く。口の端から溢れそうになった唾液を舌ごと吸い上げられて、あまやかな刺激にロッテはびくんと身を震わせた。逞しい腕が、ロッテの身体を抱き寄せる。
——ゲオルグさんの匂い、けっこう好きかも。
ぼんやりと思いながら、ロッテは彼に身を委ねた。
大きな手のひらが躊躇いがちに肩をなぞり、湿った薄布越しに背中を撫でる。掠めるような触れかたがくすぐったくて、ロッテは身を捩り、重ね合った唇の端から吐息を漏らした。
魔獣が棲む森の奥深くで、こんなことをしている場合じゃないはずなのに。彼の腕に抱かれていると、不思議と気持ちが落ち着いて、不安も恐怖も和らいだ。
——そういえば、極限状態に置かれた生き物は、種の保存のために本能的に繁殖行為に至るって。そんな話を、何かの本で読んだ気がする。
ロッテもゲオルグも、死にかけたと言ってもいい状況だったはずだ。魔獣が徘徊するこの森で、常に危険と隣り合わせで、本能的に身体が種を保存しようと動いてもおかしくはない。心がその恐怖から逃れるために必死になっていたとしても、きっと、おかしくなんかない。
魔獣の相手をするのに慣れているように見えたけれど、彼だって人間だ。ロッテと同じように命の危険を感じていたに決まっている。口に出さないだけで——出せなかっただけで、きっと本当は怖いのだ。だから、その不安や恐怖を誤魔化すために、今そばにあるぬくもりに縋らずにはいられない。その相手がたとえ、愛する者ではなかったとしても。
ロッテは膝立ちになって、縋り付くように彼の太い首に腕を回した。息を荒げながら、それでも口付けを止められない。
だって、気持ちいいのだ。気を抜いてしまえば、たちまち何も考えられなくなるくらいに。貪るように吐息を奪われるのも、全身をくまなく撫で回されるのも、堪らなく気持ちいい。
ゲオルグの手のひらが軽く肩に触れた。まだ縋るようにキスをねだるロッテを胡座を組んだ太腿の上に座らせると、彼は片腕でロッテの身体を包み込み、もう一方の手でロッテの膝から太腿を撫であげた。シュミーズの裾に指先がするりと滑り込む。そのまま薄布が捲り上げられて、小振りな胸を露わにされた。まだ柔らかい胸の頂に、彼の親指が触れる。
「んっ……」
吐息とともに唇からあまい声が洩れた。ロッテは小刻みに身体を震わせながら、ゲオルグの指に与えられる刺激を噛み締めた。
あの夜、正気をなくしていた彼の触れかたとはまったく違う。優しくて、官能的で。きっと彼は愛する女性を抱くときも、こんなふうに触れるに違いない。
彼の手にそっと肌を撫でられるたびに、全身があまく痺れるみたいだった。凍えていた身体が指先まで火照っていく。意識が遠くに流されてしまいそうで、愛おしむように肌を撫でる彼の腕に自ずと腕を絡ませた。それから、はしたない声を溢れさせる唇をもう一方の手のひらで覆い、額を彼の胸に擦り寄せた。
硬くしこりを帯びた胸の頂が軽く摘まれ、捏ねられる。先端を爪の先で掻かれるたびに、こぼれそうな嬌声を必死で堪えた。けれど、そのあまい刺激は声を堪えるたびに身体の奥を疼かせていくようで、どこか知らないところに意識が攫われてしまいそうで。ロッテは無意識に太腿を擦り合わせ、乳房を弄ぶ彼の指に手を触れて、ぽつりと弱音を吐いた。
「ぃゃ……」
「……っ!」
ゲオルグが指の動きを止め、はっと息を飲む。怯えるような彼の瞳がロッテの顔を覗き込んだ。ロッテは物憂げに顔をあげて、震える唇で呟いた。
「だって、きもちいいの……おかしくなっちゃう……」
思考が蕩けてしまっていて、感じたままを言葉にしてしまったことに、ロッテは気付いていなかった。
それだけじゃない。きっとおそらく、もう何もまともに考えられなくなっていた。
「ゲオルグさん……」
うっとりと瞼を伏せて、ロッテは彼に身を委ねた。持て余した身体の疼きが無意識に腰をくねらせる。ごくりと喉を鳴らす音がして、太い指が下着の中に滑り込んだ。くちゅ、と湿った音が耳に響く。
「ふっ……」
吐息が漏れる唇を手のひらで覆い、ロッテは太腿を擦り合わせた。彼の指が濡れた秘裂をゆっくりとなぞり、くちゅ、くちゅ、と粘着質な音を響かせる。ときどき敏感なところに触れるから、そのたびにびくりと身体が震えてしまう。ロッテはゲオルグの腕にしがみつき、身をくねらせて快感を貪った。声を堪えることに必死で、目を開けることすらできなかった。
ゲオルグの指先がロッテの敏感な蕾を捏ねる。繰り返し与えられる痺れるような刺激に、ロッテの思考が白く弾けた。
「ふっ……んん——ッ!」
冷えた岩肌を爪先が掻く。ぴんと脚を突っ張って、ロッテは息を詰まらせた。くったりと彼の胸に寄り掛かって、荒げた息を落ち着かせる。
彼の心音が分厚い胸板越しにでもはっきりと聞こえていた。心臓がどくどくと音を立てて、激しく胸を打っているのがわかる。
——ゲオルグさんも、どきどきしてる……?
小さく息を吐き、彼の胸に頬を寄せる。軽く身を捩ったロッテの太腿に熱くて硬いものが触れた。それが何かロッテが気付くのに、そう時間はかからなかった。
指先でそれに触れると、彼がふっと吐息を漏らした。おそるおそる瞼を開けば、勇ましく隆起した彼の男性器が目に入った。慌てて顔をあげると、そこには息を荒げたゲオルグの顔があって。彼の黒曜石の瞳が、ロッテに熱を訴えていた。
「良いか……?」
吐息混じりに彼が乞う。ロッテはこくりと頷いて、弱々しく呟いた。
「痛く……しないで……」
「……ああ、優しくする」
頷いて、ゲオルグは頭上に伸びた木の枝に手を伸ばし、乾きかけた上衣を冷たい岩肌に敷いて、その上にロッテをそっと横たえた。それからロッテに覆い被さって、ロッテの震える唇にふわりと口付けを落とした。
太くて長い指が、ロッテの内腿を撫であげる。蜜に濡れた秘裂をなぞると、彼はその中心にゆっくりと指を埋めた。熱く濡れそぼった内側を、彼の指がゆっくりと撫でる。感じるところに触れられて、ロッテの腰がびくんと跳ねると、彼は唇を離してふっと笑い、今度は浅く抽送をはじめた。
「んっ……ふっ、んんっ……」
快感を拾いはじめたロッテの内側がやわやわと動く。次第に蜜があふれ、じゅぷじゅぷと音が立ちはじめた。
ロッテのなかが充分にほぐれたのを確認すると、彼は指の数を一本ずつ増やしていった。三本目になるとさすがにきつくて、ロッテはぎゅっと目を瞑った。
「痛いか……?」
「……だい……じょうぶ、です……」
ロッテが身を強張らせたまま頷くと、ゲオルグは少し身を引いて、ロッテの内側の気持ちいいところを撫でてくれた。途端にびくりと腰が跳ねて、ロッテは慌てて口を押さえた。
ロッテのなかは充分に蕩けていた。お腹の奥が酷く疼いていて、指ではない何かを欲しているのが自分でもよくわかる。おずおずとゲオルグの頬に手を伸ばし、ロッテは吐息混じりに囁いた。
「……きて」
すぐさま指が引き抜かれる。同時に、濡れた中心に熱くて硬いものがあてがわれた。今までになかった荒々しい動きにロッテがちょっぴり驚いていると、ゆっくりと、ゲオルグがなかに挿入ってきた。
「んっ……ぁあっ……!」
熱い。
痛い。
でも、嬉しい。
ロッテは縋り付くように、ゲオルグの首に腕を回した。熱く火照った胸板に顔を埋め、彼の動きに身を任せた。ゆるゆると腰を揺さぶられ、内側を掻き混ぜられる。感じるところを優しく突かれて、ロッテは堪らず彼の首筋に爪を立てた。
気持ちいい。
嬉しい。
気持ちいい。
痛みは確かに感じるのに、不思議と不快ではなかった。痛みと一緒に押し寄せる快感が、すべてを飲み込んでいくようで。
幸せだ、とロッテは思った。
柔らかなぬくもりがそっと離れ、溜め息に似た吐息を感じる。薄く目を開けば、まだ彼の顔が真近にあって。反射的に目を閉じると、もう一度、今度はじっくりと熱を伝えるように口付けられた。
優しいキスだった。
まるでロッテが嫌がっていないかを確かめるみたいに、彼は何度も角度を変えながら、唇が触れ合うだけのキスを繰り返した。
人命救助の応急措置なんかじゃない。言い逃れのしようもない、本物のキスだった。けれど、ロッテはどうしてか、まったく嫌だと思わなかった。それどころかもっと触れたくて、触れてほしくて、せがむように彼の唇をあまく食んだ。
目を開くことができなかった。開いてしまったら、この優しい夢から覚めてしまいそうで。
ロッテは別の男のことが好きで、ゲオルグは別の女を愛しているはずなのに。互いに触れ合うのを止めることができなかった。
怯えるように瞳をのぞかせると、熱の篭もった黒い瞳が真近にあった。彼の眼は、いつか見た危ういものとは違っていた。ロッテが目を閉じて熱い吐息を漏らすと、今度はその吐息ごと唇を奪われた。
「んっ……!」
分厚い舌が口の中に滑り込む。ロッテはわけがわからなくて、ただされるがままに彼の行為を受け入れた。
彼の舌は燃えるように熱く、ロッテの口内を這い、舌を絡め取った。耳の奥でくちゅくちゅと水音が響く。口の端から溢れそうになった唾液を舌ごと吸い上げられて、あまやかな刺激にロッテはびくんと身を震わせた。逞しい腕が、ロッテの身体を抱き寄せる。
——ゲオルグさんの匂い、けっこう好きかも。
ぼんやりと思いながら、ロッテは彼に身を委ねた。
大きな手のひらが躊躇いがちに肩をなぞり、湿った薄布越しに背中を撫でる。掠めるような触れかたがくすぐったくて、ロッテは身を捩り、重ね合った唇の端から吐息を漏らした。
魔獣が棲む森の奥深くで、こんなことをしている場合じゃないはずなのに。彼の腕に抱かれていると、不思議と気持ちが落ち着いて、不安も恐怖も和らいだ。
——そういえば、極限状態に置かれた生き物は、種の保存のために本能的に繁殖行為に至るって。そんな話を、何かの本で読んだ気がする。
ロッテもゲオルグも、死にかけたと言ってもいい状況だったはずだ。魔獣が徘徊するこの森で、常に危険と隣り合わせで、本能的に身体が種を保存しようと動いてもおかしくはない。心がその恐怖から逃れるために必死になっていたとしても、きっと、おかしくなんかない。
魔獣の相手をするのに慣れているように見えたけれど、彼だって人間だ。ロッテと同じように命の危険を感じていたに決まっている。口に出さないだけで——出せなかっただけで、きっと本当は怖いのだ。だから、その不安や恐怖を誤魔化すために、今そばにあるぬくもりに縋らずにはいられない。その相手がたとえ、愛する者ではなかったとしても。
ロッテは膝立ちになって、縋り付くように彼の太い首に腕を回した。息を荒げながら、それでも口付けを止められない。
だって、気持ちいいのだ。気を抜いてしまえば、たちまち何も考えられなくなるくらいに。貪るように吐息を奪われるのも、全身をくまなく撫で回されるのも、堪らなく気持ちいい。
ゲオルグの手のひらが軽く肩に触れた。まだ縋るようにキスをねだるロッテを胡座を組んだ太腿の上に座らせると、彼は片腕でロッテの身体を包み込み、もう一方の手でロッテの膝から太腿を撫であげた。シュミーズの裾に指先がするりと滑り込む。そのまま薄布が捲り上げられて、小振りな胸を露わにされた。まだ柔らかい胸の頂に、彼の親指が触れる。
「んっ……」
吐息とともに唇からあまい声が洩れた。ロッテは小刻みに身体を震わせながら、ゲオルグの指に与えられる刺激を噛み締めた。
あの夜、正気をなくしていた彼の触れかたとはまったく違う。優しくて、官能的で。きっと彼は愛する女性を抱くときも、こんなふうに触れるに違いない。
彼の手にそっと肌を撫でられるたびに、全身があまく痺れるみたいだった。凍えていた身体が指先まで火照っていく。意識が遠くに流されてしまいそうで、愛おしむように肌を撫でる彼の腕に自ずと腕を絡ませた。それから、はしたない声を溢れさせる唇をもう一方の手のひらで覆い、額を彼の胸に擦り寄せた。
硬くしこりを帯びた胸の頂が軽く摘まれ、捏ねられる。先端を爪の先で掻かれるたびに、こぼれそうな嬌声を必死で堪えた。けれど、そのあまい刺激は声を堪えるたびに身体の奥を疼かせていくようで、どこか知らないところに意識が攫われてしまいそうで。ロッテは無意識に太腿を擦り合わせ、乳房を弄ぶ彼の指に手を触れて、ぽつりと弱音を吐いた。
「ぃゃ……」
「……っ!」
ゲオルグが指の動きを止め、はっと息を飲む。怯えるような彼の瞳がロッテの顔を覗き込んだ。ロッテは物憂げに顔をあげて、震える唇で呟いた。
「だって、きもちいいの……おかしくなっちゃう……」
思考が蕩けてしまっていて、感じたままを言葉にしてしまったことに、ロッテは気付いていなかった。
それだけじゃない。きっとおそらく、もう何もまともに考えられなくなっていた。
「ゲオルグさん……」
うっとりと瞼を伏せて、ロッテは彼に身を委ねた。持て余した身体の疼きが無意識に腰をくねらせる。ごくりと喉を鳴らす音がして、太い指が下着の中に滑り込んだ。くちゅ、と湿った音が耳に響く。
「ふっ……」
吐息が漏れる唇を手のひらで覆い、ロッテは太腿を擦り合わせた。彼の指が濡れた秘裂をゆっくりとなぞり、くちゅ、くちゅ、と粘着質な音を響かせる。ときどき敏感なところに触れるから、そのたびにびくりと身体が震えてしまう。ロッテはゲオルグの腕にしがみつき、身をくねらせて快感を貪った。声を堪えることに必死で、目を開けることすらできなかった。
ゲオルグの指先がロッテの敏感な蕾を捏ねる。繰り返し与えられる痺れるような刺激に、ロッテの思考が白く弾けた。
「ふっ……んん——ッ!」
冷えた岩肌を爪先が掻く。ぴんと脚を突っ張って、ロッテは息を詰まらせた。くったりと彼の胸に寄り掛かって、荒げた息を落ち着かせる。
彼の心音が分厚い胸板越しにでもはっきりと聞こえていた。心臓がどくどくと音を立てて、激しく胸を打っているのがわかる。
——ゲオルグさんも、どきどきしてる……?
小さく息を吐き、彼の胸に頬を寄せる。軽く身を捩ったロッテの太腿に熱くて硬いものが触れた。それが何かロッテが気付くのに、そう時間はかからなかった。
指先でそれに触れると、彼がふっと吐息を漏らした。おそるおそる瞼を開けば、勇ましく隆起した彼の男性器が目に入った。慌てて顔をあげると、そこには息を荒げたゲオルグの顔があって。彼の黒曜石の瞳が、ロッテに熱を訴えていた。
「良いか……?」
吐息混じりに彼が乞う。ロッテはこくりと頷いて、弱々しく呟いた。
「痛く……しないで……」
「……ああ、優しくする」
頷いて、ゲオルグは頭上に伸びた木の枝に手を伸ばし、乾きかけた上衣を冷たい岩肌に敷いて、その上にロッテをそっと横たえた。それからロッテに覆い被さって、ロッテの震える唇にふわりと口付けを落とした。
太くて長い指が、ロッテの内腿を撫であげる。蜜に濡れた秘裂をなぞると、彼はその中心にゆっくりと指を埋めた。熱く濡れそぼった内側を、彼の指がゆっくりと撫でる。感じるところに触れられて、ロッテの腰がびくんと跳ねると、彼は唇を離してふっと笑い、今度は浅く抽送をはじめた。
「んっ……ふっ、んんっ……」
快感を拾いはじめたロッテの内側がやわやわと動く。次第に蜜があふれ、じゅぷじゅぷと音が立ちはじめた。
ロッテのなかが充分にほぐれたのを確認すると、彼は指の数を一本ずつ増やしていった。三本目になるとさすがにきつくて、ロッテはぎゅっと目を瞑った。
「痛いか……?」
「……だい……じょうぶ、です……」
ロッテが身を強張らせたまま頷くと、ゲオルグは少し身を引いて、ロッテの内側の気持ちいいところを撫でてくれた。途端にびくりと腰が跳ねて、ロッテは慌てて口を押さえた。
ロッテのなかは充分に蕩けていた。お腹の奥が酷く疼いていて、指ではない何かを欲しているのが自分でもよくわかる。おずおずとゲオルグの頬に手を伸ばし、ロッテは吐息混じりに囁いた。
「……きて」
すぐさま指が引き抜かれる。同時に、濡れた中心に熱くて硬いものがあてがわれた。今までになかった荒々しい動きにロッテがちょっぴり驚いていると、ゆっくりと、ゲオルグがなかに挿入ってきた。
「んっ……ぁあっ……!」
熱い。
痛い。
でも、嬉しい。
ロッテは縋り付くように、ゲオルグの首に腕を回した。熱く火照った胸板に顔を埋め、彼の動きに身を任せた。ゆるゆると腰を揺さぶられ、内側を掻き混ぜられる。感じるところを優しく突かれて、ロッテは堪らず彼の首筋に爪を立てた。
気持ちいい。
嬉しい。
気持ちいい。
痛みは確かに感じるのに、不思議と不快ではなかった。痛みと一緒に押し寄せる快感が、すべてを飲み込んでいくようで。
幸せだ、とロッテは思った。
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