魔女見習いのロッテ

柴咲もも

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第7話 ふたり、森の中で

 足先がひんやりと冷たくて、ロッテは膝を抱き寄せた。両手で毛布の端を引っ張って、小さく身をまるめて、嗅ぎ慣れない心地良い匂いにすんと鼻を鳴らした。
 さらさらと涼やかな音がどこかから聞こえてくる。重い瞼をそうっと開くと、岩壁と樹々の枝葉でできた日陰の向こうで、陽の光が流れる川に反射してきらきらと煌めいていた。なぜだかわからないけれど、とても幸せな気分だ。
 ロッテはのそりと身を起こして、まだ眠ったままの頭でぼんやりと思った。肩にかかる毛布の端をきゅっと握り締めて、ふと、それが毛布ではないことに気付く。よくよく見ると、それは少し厚めの布で作られた服のようで、袖の上腕部分に片翼の鷹の紋章が刻まれていた。
 ロッテはぱちぱちと目を瞬かせると、恐る恐る視線を落とした。両手で寄せ合わせた服の隙間から、白い肌が覗いている。下着一枚身に付けていないことに気がついて、途端に頬がかあっと熱くなった。腰を浮かせて立ち上がろうとすると、下腹部がずんと重く、股のあいだに違和を感じて。ロッテはようやく、昨夜のアレは夢ではなかったのだと理解した。
 ——どうしよう……わたし、ゲオルグさんと。
 火照った頬を手のひらで包み込む。すると、頭上でがさがさと音がして、目の前にどさりと黒い影が落ちてきた。
 ロッテはびくりと身を縮こまらせた。猿型の魔獣に拐われたあのときを思い出し、悲鳴をあげそうになったところで、穴蔵に落ち着いた低い声が響いた。
「起きたか」
 顔を上げると、目の前に立っていたのはゲオルグだった。肘のあたりまでシャツの袖を腕まくりして、片腕に黄色くてまるっこい玉のようなものをふたつ抱えている。ぱちくりと目を瞬かせるロッテのことを見下ろして、それからはっと目を見開いて、素早く顔を背けると、ロッテの隣を指差した。
「……そこに、服を置いておいた。着替えたら食事にしよう」
 気まずそうにそう言って、ゲオルグはさっさと穴蔵を出て行った。
 昨夜木の枝に干してあったロッテの服は、律儀に畳まれてロッテのすぐそばに置いてあった。ロッテは急いで服を着ると、ゲオルグの上着を抱えて穴蔵を出た。

 砂利の敷き詰められた川縁に、座ったまま先ほどの玉のようなものを弄ぶゲオルグの姿があった。ロッテはそろそろと近付くと、ゲオルグの隣に腰を下ろし、畳んだ上着を手渡した。
「これ……ありがとうございました」
 ゲオルグは黙って上着を受け取って、それからほんの少し躊躇って、ロッテにハンカチを差し出した。ロッテがきょとんとしていると、彼は気不味そうに後ろ髪を掻きながら言った。
「その……すまない。念入りに洗いはしたんだが、不快だったら捨ててくれ……帰ったら代わりのものを買う」
 ——念入りに……?
 ぼんやりと考えて、ロッテは思い出した。
 そうだった。すっかり忘れていたけれど、昨夜の行為のあと、後始末に困っていたゲオルグにハンカチを貸したのだった。
 色々と微妙な心境ではあるけれど、とりあえず今この状況ではこのハンカチも貴重な道具のひとつだ。捨てるとか代わりのものを買うだとか、そういうことは無事街に帰ってから考えよう。
 火照りはじめた頬を隠すように俯いて、ロッテは受け取ったハンカチをポーチの奥にしまい込んだ。

 気不味いやり取りを終えると、ゲオルグはこほんと咳払いをして、今度はちょっぴり楽しそうに、抱えていた玉のようなものをロッテに向けて差し出した。黄色くてまるっこい手のひら大のその木の実は、ロッテにも見覚えがあった。
「そこの樹にっていた。市場でよく見かけるから食べられるとは思うんだが」
「これ、リウの実ですよね。こんな山奥で採れるなんてびっくりです」
「その反応なら大丈夫そうだな」
 安堵したようにそう呟くと、ゲオルグはシャツの袖でリウの実の表面を軽く拭き、ロッテが止める間もなくかぶりついた。
「あ、待って、ゲオルグさ」
「————ッ!」
 声にならない声をあげ、ゲオルグが口を押さえて顔を背ける。ロッテは慌てて川まで走ると、冷たい水を両手ですくい、ゲオルグのところに駆け戻った。ロッテが手を差し出すと、ゲオルグは無心で水を飲み干して、それから苦々しく呟いた。
「これは……」
 眉間に深く皺を刻み、涙目になってロッテを見上げるものだから、なんだか可笑しくて可愛くて。ロッテはくすりと微笑むと、ゲオルグの背中をさすりながら言った。
「リウの実の皮とワタには苦味成分があるので、そのまま食べるとすっごく苦いんですよ」
「確かに……とてもじゃないが、食えたもんじゃないな」
「きちんと調理すればとっても美味しいんですよ。ちょっと貸してください」
 そう言ってゲオルグから短剣を受け取ると、ロッテはリウの実を半分に切ってゲオルグに中を見せた。
「この、皮とワタの周りが苦いので、調理するときは厚めに皮を剥いて、綺麗にワタを取り除くんです。リウの実の苦味成分は水溶性なので、水にさらせば生でも食べれますよ」
 簡単に説明して、「ちょっと待っててくださいね」と言い残して、ロッテはふたたび川に向かった。リウの実の皮を厚めに剥いて果肉からワタを取り除き、丁寧に水で洗う。それから四等分に実を切り分けたところでゲオルグがやってきて、ロッテの隣にしゃがみ込んだ。
 ロッテが一口大に切ったリウの果肉を指でつまんで差し出すと、ゲオルグはちょっぴり恥ずかしそうに口を開けて、ロッテの指から直接リウの果肉を食べて。
「確かに……これなら悪くはないな」
 そう言って、穏やかに笑った。


***


 朝の食事を済ませると、ゲオルグはもう一度樹に登り、リウの実をひとつ採ってきた。ロッテとゲオルグはこれから川沿いを歩き、この山を降りながら逸れたふたりとの合流を計るつもりだけれど、その道中で必ず食べるものがみつかるとは限らないからだ。
 食事に使った短剣の刃の手入れを終えて、ロッテのポーチにリウの実をひとつしまうと、ふたりは山の麓に向けて川沿いの道なき道を歩き出した。
 やがて砂利が敷き詰められた川縁が途切れ、鬱蒼と樹々が生い茂る森の中へと進まなければならなくなった。ごつごつした岩を階段代わりに登っていると、ゲオルグが思い出したようにロッテを振り返った。
「そういえばお前、動き回って平気なのか?」
「え……?」
「その……痛むんじゃないか、と思って……」
 気不味そうに視線を泳がせながらそんなことを言うものだから、何の話かはすぐに察しがついて、ロッテは恥ずかしくなって俯いてしまった。
「だいじょうぶ……です……」
 火照った頬を誤魔化すように素っ気ないふうを装って、差し出された大きな手のひらに手を伸ばす。触れた指先がぎゅっと強く握り返されて、同時に胸がきゅんと締め付けられた。
 ——なんだかおかしい。
 先を行くゲオルグの背中をみつめながら、ロッテは思った。
 ユリウスのちからになりたい。喜ぶ顔が見たい。その想いは今でも変わっていない。けれど、王宮を出て以来、ロッテが考えるのはゲオルグのことばかりだった。
 馬の背に揺られていても、魔獣の棲まう恐ろしい森の中にいても、彼のそばにいるだけで不思議と安心できた。触れれば恐怖が和らいで、笑顔を見ればどんな不安も笑い飛ばすことができてしまった。宮中で暮らしているだけでは知ることすらできなかったはずの彼の色々な一面を見てしまった気がするし、ロッテ自身のことだってたくさん知られてしまった気がする。
 ロッテはユリウスが好きだ。たとえ振り向かれることがないのだとしても、ユリウスが笑ってくれれば嬉しいし、幸せでいて欲しいと思う。
 でも、それならゲオルグに対して抱くこの感情は、一体何と呼べばいいのだろう。

 ロッテにはわからなかった。
 わからないことが多すぎた。
 自分の本当の気持ちすら、きっとわかっていなかった。


***


 半日ほど川沿いを降った頃、樹々の合間に見覚えのある獣道がみつかった。茂みを抜けて川縁に出ると、一面に広がる砂利の上に、ぽつんと一昨日の焚き火の跡が残っていた。
 もうすぐ日が暮れるからか、それともロッテを気遣ってのことか、この日はゲオルグの提案で、一日目と同じその場所で野宿をすることになった。
 ゲオルグが新しく薪を用意して火を熾しているあいだ、ロッテは川で夕食用のリウの実の準備をした。厚めに皮を剥いてワタを綺麗に取り除き、冷たい水で果肉をしっかり洗って。ロッテがゲオルグのそばに戻った頃には、薪の上で炎が勢いよく燃えていた。
 ロッテがリウの実を差し出すと、ゲオルグは微かに口の端をあげ、黙ってリウの実を半分受け取った。ロッテはそのままゲオルグの隣に腰を下ろし、リウの実を食べた。それからぼんやりと揺れる炎を眺め、ちらりと隣に目をやって、はっとした。
 よくよく考えれば、ここは昨夜のような狭い穴蔵の中ではない。火の周りには充分なスペースがあるし、向かい合って座ることだってできる。それなのに、ロッテは当然のようにゲオルグの隣に座ってしまっていた。
 昨夜、ゲオルグがどういうつもりでロッテと関係を持ったのかもわからないのに。ロッテだってゲオルグへの感情を持て余しているというのに、おかしな話だ。さきほどから黙って焚き火をみつめているゲオルグも、相当気不味い思いをしているに違いない。
 けれど、改めて場所を移動するのも昨夜のことを意識しているようで、逆に恥ずかしい気がして。ロッテは黙りこくったまま、ゲオルグの隣で膝を抱えた。
 しばらくすると、別段いつもと変わらない様子でゲオルグが口を開いた。
「このまま魔獣の群れに遭遇しなければ、明日には王都に戻れるが、そうなると、問題はフリッツ達だな」
 そう言って、彼は真剣な眼差しをロッテに向けた。
 ロッテは途端に恥ずかしくなった。ゲオルグは真面目に逸れた仲間のことを考えていたのに、ロッテは昨夜のゲオルグとのことばかり考えていたのだ。最低にも程がある。
 落ち込むロッテに気付いてか否か、ゲオルグは淡々と現況の確認を続けた。ロッテとゲオルグが川に落ちたことから、フリッツとカミルが川沿いを降ってくる可能性が限りなく高いこと。昨夜から今朝に至るまでのことを考慮すれば、川沿いの道さえ離れなければ、今日中には合流も可能だと考えていたことを。
「王都を出て今日で三日目だ。シャルロッテ様の容態も気になる。明日の昼中までに合流できなければ、ふたりで王都に戻るぞ」
「フリッツさんとカミルさんは……?」
「あのふたりなら大丈夫だ。カミルはともかく、フリッツはこういった状況にも慣れているからな。念のため、明日、ここを発つ前に火の跡に書き置きを残しておこう」
 そう言うと、ゲオルグは同意を促すように頷いた。
 フリッツとカミルのことは心配だ。けれどもゲオルグの言うとおり、シャルロッテに残された時間はあと僅かでしかない。調薬にかかる時間を考えれば、素直にゲオルグの案に従うべきだろう。
 ロッテが黙って頷くと、ゲオルグはまた、焚き火をみつめて黙り込んでしまった。

 さらさらと水が流れる音が聞こえる。樹々の木の葉のざわめきも、昨夜とまるで変わらない。
 会話が途切れてから、ロッテはずっと気不味い空気を感じていた。そわそわと落ち着かないまま、ちらりとゲオルグに目を向けると、逞しい首筋に赤い傷痕が一筋浮かんでいるのが見えた。
 昼間の移動中にゲオルグの首を掠めるような木枝はなかったはずだ。ということは、十中八九、昨夜の情事の際にロッテがつけた爪の跡だろう。
「すみません……それ、痛いですよね」
 ロッテが呟くと、ゲオルグはふと顔を上げ、手のひらで首筋を撫でた。
「気にするな。この程度の傷は怪我のうちに入らない」
 淡々とそう告げて、気まずそうに目を逸らして。躊躇いがちにふたたび口を開いた。
「その……昨夜はすまなかった。危険な森の中で、魔獣と戦えないお前が俺を拒むことなど出来るはずもないのに……」
 ロッテは驚いた。慌てて首を振り、ゲオルグの顔を真っ直ぐ見上げて言った。
「あそこでわたしが拒んだって、ゲオルグさんはわたしを置き去りになんかしない。それくらいわかってます」
「だが、俺はお前が殿下を慕っていると知っていた。それなのに、あんな真似を……」
 ゲオルグの顔がくしゃりと歪む。媚薬のせいで行為に及んだあの夜も自決しそうな勢いで謝罪をしていたけれど、今夜のゲオルグはあのときよりもさらに悔やんでいるように見えた。ロッテだって、ゲオルグがシャルロッテを想っていると知りながら、目の前の恐怖や不安から逃れるためにゲオルグを利用した。お互い様のはずなのに。
 ゲオルグは何も悪くない。そう伝えたいのに、うまく言葉にできなくて。
 ロッテは無言のまま、ゲオルグの手に指先で触れた。肌をなぞり、節くれだった指を握る。躊躇いがちな彼の手が、ロッテの手をそっと握り返した。振り向いたゲオルグの、黒曜石の瞳がロッテを映す。
 しばらくみつめあったあと、ロッテは引き寄せられるように身を乗り出して。ふたりはどちらからともなくキスをした。

 唇が触れ合うだけの、優しいキスだった。
 目を開けば、ぼやけた視界に彼の顔が映り込み、頬がぽうっと熱くなった。とくとくと高鳴る胸の鼓動を心地良く感じながら、もう一度、ロッテはゆっくりと目を閉じた。
 そのとき、寸分先で茂みががさがさと音を立てた。
 ゲオルグが瞬時にロッテを背に庇い、短剣を握り締めた。ぴりぴりと緊張がはしる。震える膝を奮い立たせて、ロッテは茂みの向こう、闇の奥へと目を凝らした。
 ややあって、もう一度茂みが大きく音を立てた。ゲオルグが腰を落とし、短剣を構える。その刹那、闇の奥から黒い影が現れて、月明かりがその姿を暴いた。
「ちょっとちょっとゲオルグさん! 殺気! 殺気抑えて! ヤバすぎですって!」
 聞き覚えのある声が辺りに響く。茂みから姿を現したのは、降伏の意思を表すように両手を挙げたフリッツとカミルだった。
「フリッツさん! カミルさん!」
 ふたりを呼ぶその声が、思いがけず弾んでしまう。フリッツもカミルもちょっぴりやつれているけれど、身体のどこにも怪我はないようだ。無事に再会できたことが嬉しくて、気が付けば、ロッテはふたりに向かって駆け出していた。
「ロッテちゃん!」
 満面の笑みを咲かせたフリッツが勢い良く両腕を広げる。その腕がロッテに届くよりわずかに早く、ゲオルグがロッテの腕を掴み、ぐいと後方に引き戻した。行き場をなくしたフリッツの腕が虚しく宙を掻く。
「ふたりとも無事のようだな」
「手荷物が増えたんで、ちょっとばかし時間かかっちゃいましたけどね。ロッテさんもゲオルグさんも無事でよかったです」
 そう言うと、カミルは一歩前に進み出て、ゲオルグに剣と荷物を手渡した。緻密な紋様の描かれた長剣を手に、ゲオルグが表情を和らげる。
「世話を掛けたな」
 一言労いの言葉を口にして、彼は長剣を腰に携えた。
「まあ、一時はどうなることかと思いましたけど、これで安心ですね」
 頭の後ろで腕を組み、フリッツが苦笑する。ロッテは大きく頷いて、隣に立つゲオルグの横顔を見上げた。
 危険なことがたくさんあった。命を落としかけたこともあった。けれど、こうして四人が無事でいる、その奇跡に感謝せずにはいられない。
 欠けた月が浮かぶ夜空を、ロッテは黙って仰ぎ見た。その視線の先を追うように、三人の騎士たちも夜空を仰ぐ。流れ星がひとつ、遠くの空にきらめいた。


 翌朝、四人は夜明けとともに川縁を後にした。
 幸いにも魔獣の襲撃に遭うことなく森を抜け、その日の夕刻前、ロッテと三人の騎士は揃って無事王都に帰還したのだった。

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