魔女見習いのロッテ

柴咲もも

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第3話 魔女の媚薬

4※

 薬草学の学術書をぺらぺらとめくりながら、ロッテは思考を巡らせていた。解毒の薬にもいくつか種類があって、調薬にかかる時間も必要な材料や器具もそれぞれ違う。しかも、解毒の対象はあのリーゼロッテの特製レシピで作った媚薬だ。本来『毒』と呼ばれる生物に有害な成分は使われておらず、毒素を殺す薬や中和する薬ではおそらく意味がない。一見するとお手上げに思えるけれど、ロッテは随分昔に一度だけ、この本のどこかで、毒ではない薬の効果を消す薬のレシピを見かけた覚えがあった。
 ——たしか、確かこのあたりにあったはず……!
 指先が焦りに震えて滑り、大切な本のページがくしゃりと音をたてる。紙面に綴られた文字列を琥珀の瞳で追っていたロッテは、ほどなくしてページをめくる手を止めて、ほっと息を吐いた。
「これだ……」
 開いたページに記されていたのは、体内に入った良性薬物を強制的に排出する薬だった。何の目的で使われる薬なのか、当時のロッテには全く見当もつかなかったけれど、今ならその用途も理解できる。たとえ毒素を含んでいなくとも、強力すぎる薬はときに『毒』になり得るのだと。
 ページの上に重石を載せて固定すると、ロッテは戸棚の中のハーブと精油の小瓶を確認した。奇跡的に材料は揃っている。調薬に必要な時間も短いから、急げば今日中に完成するはずだ。
 必要な材料と調薬器具を作業用テーブルの上に並べると、ロッテは早速調薬に取り掛かった。
「解毒薬が出来るまでここで見張っているからな。怠けるなよ」
 窓際に置かれたカウチに蹲るように腰を下ろしたゲオルグが、唸るような低い声で言った。ロッテの部屋に押し入ったあと、ゲオルグは半ば強制的にディアナを自室に戻らせて、それからずっと、こうしてロッテを監視しているのだ。
 着々と媚薬が効いているのだろう。ゲオルグの黒曜石の瞳は熱っぽく色気を帯びていて、ときおり洩れる溜め息も悩ましい。視線が絡みつくようで、ロッテはみつめられているだけで——本人は睨んでいるつもりのようだけれど——ぞわぞわと肌が粟立つようだった。

「できた……」
 グラスを満たす透明な薬液を見下ろして、ロッテは安堵の息を吐いた。
 陽はすでにとっぷりと暮れており、窓の外は真っ暗闇だ。夢中になって調薬をしていたから、部屋のなかにあるのは調薬中に灯したアルコールランプの弱々しい明かりだけだった。
 窓辺を振り返ると、ゲオルグはソファに座ったまま項垂れていて、任務明けで相当疲れが溜まっていたのか、微かな寝息が聞こえてきた。
 大きく一度伸びをして、ロッテは部屋の明かりをつけた。重石を退けて、分厚い本を閉じる。ページのあいだからひらりとメモ用紙が舞い落ちたので、ロッテは慌ててその端を摘んだ。
 この騒ぎの原因にもなった、リーゼロッテ直筆のレシピ。綴られた文字を改めて追っていくと、一番最後に申し訳程度の小さな文字で注釈が記されていた。
 ——『尚、男性の場合、この薬の成分は精液と共に排泄される』
 その一文を読んで、ロッテは目を瞬かせた。
 精液——雄の性を持つ生物が生理的現象によって精製する体液で、動物の生殖の際に使われるものだ。ロッテが知り得た知識では、自分で排泄することも可能なはずだった。
「解毒薬なんて必要なかったのね……」
 もっとはやく気が付けばよかった。
 ロッテは小さく息を吐くと、透明な薬液の入ったグラスを持って、ソファで眠るゲオルグに歩み寄った。
 項垂れるゲオルグの肩をそっと揺する。規則的だった寝息が止まり、ゲオルグが「ううん」と小さく唸って顔をあげた。虚ろな瞳にロッテの顔が映り込む。
「ゲオルグさん、できましたよ、お薬」
 ロッテが軽くグラスを掲げてみせた、そのとき。手首が勢い良く引っ張られて、瞬きひとつする間もなく、ロッテの背中はほどよい反発のある座面の上に打ち付けられた。黒い影が、すかさずロッテを覆う。
「ちょ……と待って! ゲオルグさん!?」
 中身が溢れないようにグラスを持ったまま、ロッテは声を張り上げた。
 ロッテを見下ろす黒曜石の瞳は危うい熱を孕んでおり、唇から溢れる息は荒い。目の前のゲオルグはどう見ても正気ではなかった。
 慌てて逃げ出そうと藻掻いたものの、ロッテの一方の手はグラスを握っており、もう一方はゲオルグに手首ごと押さえつけられている。抵抗らしい抵抗などできるはずもなかった。
 得体の知れない危機感に震え上がるロッテになど構いもせずに、ゲオルグはロッテの首筋に顔を埋め、すんすんと鼻を鳴らす。
「いい匂いだ」
 うっとりと呟いて、薄い皮膚に顔を押し付けた。
 熱い吐息に肌を撫でられて、ロッテはびくりと身を強張らせた。ゲオルグの鼻先がロッテの首筋を辿り、耳の付け根に至る。鼻で深く息を吸って顔をあげると、ゲオルグは蕩けるような瞳でロッテを見下ろした。
 心臓が、ロッテの薄い胸を内側から激しく叩いていた。緊張で息が乱れ、呼吸が浅くなる。
 しばらくのあいだ、ゲオルグは呼吸に合わせて上下するロッテの胸元を据わった眼でみつめていた。けれども突然ロッテの腕を解放して、控えめな胸の膨らみに無遠慮に触れた。
「ふぇっ!?」
 思いがけず素っ頓狂な声が洩れる。
 狼狽えるロッテのことなど微塵も気にせずに、ゲオルグの手のひらがブラウス越しにロッテの胸を揉みしだいた。無骨な指がゆっくりと小振りな乳房を弄び、その動きに合わせるように、ロッテの胸がふにふにとかたちを変える。
「ちいさい胸だな」
「そ、れは……ディアナさんみたいな女性ひとと一緒にいれば、そう思うでしょうけど……!」
 羞恥に頬を染めながら、ロッテは自由になった手でゲオルグの肩をちからいっぱい突き放そうとした。けれど、非力な少女の片腕では鍛え抜かれた男の巨体を押し退けることは敵わなかった。
「だが……やわらかい……」
 暴れるロッテのことなど物ともせずに恍惚として呟くと、ゲオルグは熱い溜め息を洩らし、ロッテの胸に顔を埋めた。

 さすがはリーゼロッテの特製レシピ。薬の効果は抜群だった。高潔な騎士の精神を捻じ曲げて、貧相なおっぱいに夢中にさせてしまうのだから。
 感嘆に似た溜め息を吐いて、ロッテは慌てて首を振った。あまりの悲惨な状況に、危うく現実逃避するところだった。
 気を強く持ち直し、ゲオルグの下から這い出そうと身を捩りながら、ロッテは声を張り上げた。
「いいから放してくださ、あっ……」
 上半身を支えるために腕を動かそうとしたものの、ゲオルグの腕がすかさず伸びてきて、ロッテはまた手首を掴まれてしまった。その拍子にグラスがロッテの手を離れ、かしゃんと澄んだ音をたてる。きらめく硝子の破片とともに、透明な薬液が床の上に飛び散った。
「ああぁ……せっかく作ったのにぃ……」
 ロッテが悲壮な呟きを洩らしているあいだにも、ゲオルグの手は動きを止めなかった。淀みなく胸元のボタンが外されて、ロッテがはっと気付いたときにはブラウスの前がすっかり開かれていた。白い肌とシュミーズのあいだに分厚い手のひらが滑り込み、抵抗する隙もなく小振りな乳房をあらわにする。
「え、ちょ……っと、やだっ」
「綺麗なピンクだ」
 嬉しそうに呟いて、ゲオルグはまだ柔らかいロッテの胸の頂きを指先でくにっと摘まんだ。膨らみかけた突起が親指と人差し指に挟まれて、こねこねと弄くり回される。先端を、爪の先で弾かれた。
「やめ……んっ……やぁ……」
 腕を突っ張らせて必死に抵抗を続けたけれど、ゲオルグは止まらない。頬を引っ掻くロッテのことなど気にも留めず、ふっくらとした胸元に唇を寄せ、桃色の先端を口に含んだ。舌先でころころと転がして、ちゅうちゅうとしゃぶって、そのまま強く吸い上げて、ちゅぱっと音をたてて解放する。空気に触れたロッテの胸の頂きは、赤く熟れてぴんと勃ちあがっていた。
「勃ってるな」
 満足げに舌なめずりをして、ゲオルグはもう一方の頂きを吸い始めた。分厚い舌が初心な胸の蕾を絡め取り、あまく吸い上げる。ひやりと触れる冷たい空気と熱いぬめりに交互に嬲られて、熟れた先端が痺れを訴えていた。
 ——どうしよう。抵抗しなきゃ、いけないのに。
 焦らすように繰り返される刺激に、ロッテはただただ身悶えた。下腹部の奥が疼くようで、無意識に太腿をすり合わせる。見上げた黒曜石の瞳の奥に、頬を火照らせて瞳を潤ませるロッテの姿が映っていた。

 ゲオルグの息が荒い。節くれだった指がロッテの腰をなぞり、膝から太腿を撫で上げる。絡み付くような視線の先を目で追うと、捲れ上がったスカートの裾から白い下着がのぞいていた。
「だめっ! そこはだめ!!」
 ロッテは顔を青ざめて、慌てて裾を押さえ付けた。けれど、無駄だった。ゲオルグは強引にロッテのスカートを捲り上げると、太い指で脚の付け根をなぞり、下着の上から割れ目に触れた。
「待っ……やめっ……んぅっ……!」
 ロッテは太腿を擦り合わせ、か弱い抵抗を続けた。股のあいだで蠢くゲオルグの手を両手で必死に押さえ付けているはずなのに、指先にちからが入らない。
「……湿ってきたぞ」
 含み笑ったゲオルグが、ロッテの耳元で囁いた。ぎゅっと両眼を瞑り、小さく身を丸めて、ロッテはふるふると首を振り、涙ながらに訴えた。
「お願い……やめ……」
 必死に声を絞り出したけれど、正気を失ったゲオルグにロッテの声は届かなかった。何度も割れ目をなぞられるうちに白い下着はすっかりぬめりを帯びていて、秘められた大切な箇所が薄っすらと透けてしまっていた。抵抗をやめてすすり泣くロッテから身を離すと、ゲオルグはロッテの脚のあいだに蹲り、陰部に顔を近付けた。熱い吐息に太腿を撫でられて、ロッテがびくりと顔をあげる。
「どうなっているか見てみたい」
 そう呟くと、驚愕に眼を見開いたロッテのことなど構いもせずに、ゲオルグはあっさりとロッテの下着をずり下ろした。
「だ、ダメっ……見ないでっ……!」
 太腿を押さえられ、内股を暴かれる。左右に開かれた秘裂がくちゅ、と粘着質な音を響かせた。太い指で何度も秘裂をなぞられて、ロッテの身体がびくんと跳ねる。
「触らないでぇ……」
 ぽろぽろと涙が溢れでる両眼を、ロッテは手のひらで覆い隠した。
 ゲオルグの太い指が、ふくよかな花びらの付け根を焦らすように行き来する。もどかしい刺激に攻められて、身体の内側が徐々に熱を訴えはじめた。
「んんっ……ぅん……」
 色めいた声が唇から溢れ出る。触れられた箇所からぞわぞわと這い上がる感覚に悶えながら、ロッテはぶるりと身を震わせた。
 怖いと思った。
 ゲオルグが、ではなくて。得体の知れない感覚に、いつのまにか快感を覚えようとしている自分の身体が怖かった。

 かちゃかちゃと金属が触れ合う音がして、ロッテは薄っすらとまぶたを開いた。恐る恐る視線を動かしてみると、半裸に剥かれたロッテの陰部を見下ろして、ゲオルグがいきり勃った性器を取り出していた。頬を紅潮させて、苦しそうに顔を歪めて、ゲオルグはゆっくりと己の分身を扱きはじめた。
『男性の場合、媚薬の成分は精液とともに排出される』
 リーゼロッテのメモに記された最後の一文を、ロッテは思い出した。このままゲオルグが射精してしまえば、媚薬の効果も切れるはず。おかしくなったゲオルグも正気を取り戻すはずだ。
 けれど、ロッテが抱いた淡い希望は、次の瞬間、粉々に打ち砕かれた。ほっと息をつけたのも束の間で、ゲオルグの瞳はまっすぐに、ロッテの恥丘の陰に咲くぷっくりと膨らんだ桃色の蕾を捉えていた。
「ここはどうした。さっきまではこんなじゃなかったのに、膨らんでるぞ」
 食い入るように蕾に顔を近付けて、ゲオルグがその先端をつんと突っついた。
「ひゃんっ!」
 声が裏返り、身体がびくりと跳ねる。蕾が与える感覚は、今まで感じた刺激のなかでも一際激しいものだった。下肢がびくびくと痙攣し、蜜がどっと溢れ出す。
「俺に触られて感じてるのか……」
「違っ……そんなとこ、弄られたら誰だって……」
「そうか」
 ロッテの言葉を聞き流して口の端を釣り上げると、ゲオルグは嬉しそうに唇を舐めた。初心な反応を楽しむように、焦らすようにロッテの蕾の周りを撫でて、時折り先端を軽く弾く。
「や、あんっ、んんッ……!」
 あまい嬌声こえをあげながら、ロッテはひたすらに乱れ喘いだ。ロッテの秘所を熱っぽい瞳でみつめながら、ゲオルグが興奮した息を洩らす。
「すごい……あふれてくるぞ……」
 熱い吐息がロッテの陰部を掠めた。ゲオルグの唇の合間から分厚い舌が覗く。
「やだっ、やだやだそんなとこ……ひぁあっ!」
 べろりと秘裂を舐められて、ロッテは腰を跳ね上げた。滴る蜜を丁寧に舐め取ったゲオルグは、ロッテの秘所を唇で覆い、じゅるじゅると音をたてて吸いはじめた。すべての蜜を飲み干すたびに充血した花芯を指の腹で捏ねまわし、また蜜を溢れさせる。
「あっ……ん、んっ、いやっ……」
 どうにかして股を閉じようと抵抗したけれど、ゲオルグの頭が邪魔をして閉じれなかった。それどころか両手で太腿を持ち上げられて、肩の上に担ぎ上げられた。身体をくの字に曲げられて、ロッテの瞳に自分の恥部と、それにむしゃぶりつくゲオルグの姿が映る。
 恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。それなのに、強く蜜を吸われるたびに下半身が攣縮し、腰が勝手に動いてしまう。
「やっ、ぁんっ、あ、あっ……」
 ゲオルグは長いあいだ喘ぎ続けるロッテを瞳に映していたが、不意に眉を顰めると、ロッテの秘所から顔を上げ、身を起こした。
「は、はぁっ……もうッ……!」
 堪え切れないと言いたげにそそり勃った己の性器を握ると、ロッテの両脚を抱きかかえ、股の合間に突き刺した。
「ひゃんっ!」
 熱杭の先端がロッテの熟れた蕾を掠め、ロッテの身体がまた跳ねる。
 荒々しく腰を突き動かして、ゲオルグはロッテの秘裂を熱杭で擦り続けた。あふれる蜜と先走った精液が混ざり合い、じゅぷじゅぷと淫靡な音をたてる。肌と肌がぶつかり合う破裂音が部屋の暗がりに響いていた。
「あっ、やっ、もっ、やめっ……」
 与えらえる刺激に、激しい快感に、身体の内側から犯されて。ロッテは息も絶え絶えに、ただひたすら嬌声をあげ続けた。
 ゲオルグの腰の動きが苛烈さを増していく。小刻みな呼吸音が耳に響く。
「くっ……! 出るッ! 出るぞ……!」
 伸し掛かるようにロッテに覆い被さって、ゲオルグは無心に腰を振り続けた。スプリングのないソファが折れそうなほどに軋み、ぎしぎしと悲鳴をあげる。
「うおおおおお——ッ!!」
 荒々しい咆哮とともに、ロッテの腹に熱い白濁が飛び散った。

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