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花嫁は叶わぬ恋をする
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リンデガルム王家が掲げる竜の紋章が刻まれた厩舎。
その扉を押し開けたセイジの手を離れると、最奥に用意された寝床のうえで、ディートリンデはいつものように身を丸めた。
取り外した鞍と胸繋を棚に片付けて、手綱を壁の金具に吊るすと、セイジは硬めのブラシを手に取って、ディートリンデの元に向かった。
艶やかな漆黒の鱗に丁寧にブラシをかけて身体の汚れを落としてやると、ディートリンデは身を丸めたまま、気持ち良さそうに鼻を鳴らした。
静かな厩舎内にブラシを掛ける心地良い音が響く。
しばらくすると、無心に手を動かし続けるセイジに、ディートリンデが訊ねた。
「しかし今朝の慌て様。お主、妾がお主の愛しいおなごを喰い殺すとでも思うたか?」
ディートリンデの問いに、セイジは「まさか」と鼻で笑う。ブラシをかける手を止めて黙り込むと、くぐもった声でつぶやいた。
「……礼を言われた」
「ふむ」
「願いを叶えてくれてありがとう、と」
別れ際にマナが口にした『願い』が何のことを指していたのか、セイジにはわからない。
リンデガルムを訪れたマナの願いを、セイジが叶えたことなどあっただろうか。
我が儘や頼まれごとなら幾度か聞き入れもしたものの、それらのことは、今更改めて礼を言われるほどのものではない気がした。
「もしかしたら……」
セイジの碧眼が見開かれる。
黙って様子を窺っていたディートリンデが、言葉の先を促すように首を傾げてみせた。
だが、セイジはゆっくりと首を振り、ふたたび思い詰めるように目を伏せた。
「……いや、なんでもない」
もしかしたらマナは、彼女の記憶に残るセイジと同じ名前の男が、生まれ変わる前のセイジ自身であることに気付いたのかもしれない。
彼女が口にした『願い』とは、ラプラシアで再会を果たしたあのときにセイジが叶えた、生まれ変わる前の彼女の願いのことだったのではないか。
だが、セイジにはそれを確かめる術がない。
前世や生まれ変わりといった言葉は、簡単に口にできるようなものではない。
妄言や虚言と取られがちなその言葉を易々と口にしてしまえるほど、セイジは浅はかな人間ではなかった。
「しかしわからぬ。先刻、お主本当はどういうつもりであの娘を連れ出したのじゃ。妾はてっきり、駆け落ちでもするのかと思うていたのに」
生来の感情的な性格をいつも自制していたセイジがついに腹を決めたのだと、ディートリンデは内心高揚していたようだ。
溜め息を漏らすディートリンデに見向きもせずに、セイジはブラシを持つ手を動かし続けた。
「……わからん。ただ、彼女が一言『攫って逃げて』と口にしてくれていれば、喜んでその言葉に従ったと思う」
婚姻の儀式が執り行われる、その前日に、マナは婚約者であるセイラムではなく、セイジを選んだ。
厩舎で言葉を交わしたあのとき、セイジはそう錯覚してしまった。
冷静になって考えれば、あのとき、マナはもう一度聖域に行きたいと言っただけで。 ふたりきりでのひとときに安らぎを感じていたのは、セイジだけだったかもしれないというのに。
その可能性に気付くこともできないほどに、あのときのセイジは舞い上がっていたのだ。
「愚かな。それほどまでにあの娘を想っているのなら、セイラムとの誓いに捉われたりせずに、当初の予定どおりこの国を棄ててしまえば良いものを。お主はあの娘のために妾と契約し、生まれ変わったのであろう?」
昔から変わらない、愚かで優しいこの王子が、いつの間にか自分の願いすらもわからなくなってしまっていたことに、ディートリンデは気付いていた。
幼いセイジが王位継承権を放棄した理由は、なにもセイラムを気遣ってのことだけではなかったはずだ。
いずれ再会を果たす愛しい者と、国や身分の違いに捉われることなく自由に生きるために、あのときセイジはリンデガルム王家に関わる全ての権利を手放した。
まさか、運命のその相手がラプラシアの王女として生まれていたとは思いもせずに。
そして今、セイジは本来得るはずだった権利を手放したまま、義務だけを律儀に果たそうとしている。
「……彼女は自分の意思で、国のために兄上との婚姻を決めた。私は彼女の幸せのために、今後も変わらず、彼女と兄上をお護りする。それだけだ」
溢れる感情を押し殺すように、セイジは淡々と言い切った。
――その『彼女』が何度もお主に伝えた想いは『彼女の意思』ではなかったのか。
口にしかけたその言葉を、ディートリンデは胸の奥にしまい込んだ。
セイジは優しすぎた。
兄王子の望みも国の未来も全て投げ出して、強欲に自分の欲する未来だけを求めることだってできただろうに。彼には、それができなかったのだ。
しんみりとした空気を払い除けるように大きく息を吐き、ディートリンデは殊更明るく告げる。
「それにしても、お主の想い人は随分と切り替えのはやいおなごだのう。さぞかし寂しかろう」
「そうでもないさ。これでようやく、心から兄上の結婚を祝うことができそうだ」
「それは良かった。明日の宴が楽しみじゃ」
「相変わらずだな、ディートリンデ」
やれやれと肩を竦めるセイジに、ディートリンデは愛おしげに頬ずりをした。
何やら城のほうが騒がしい。
明日の婚姻の儀式に参列する諸外国の要人たちが、城を訪れはじめたのだろう。
「さて王子、仕事の時間だ。お主の大切な者達のために、客人をもてなしに行って参れ」
茶化すような口振りでそう言って、ディートリンデは鼻先でセイジの背中を押した。
ディートリンデを軽く睨め付け、苦笑いを浮かべて。
セイジは踵を返し、颯爽と厩舎をあとにした。
その扉を押し開けたセイジの手を離れると、最奥に用意された寝床のうえで、ディートリンデはいつものように身を丸めた。
取り外した鞍と胸繋を棚に片付けて、手綱を壁の金具に吊るすと、セイジは硬めのブラシを手に取って、ディートリンデの元に向かった。
艶やかな漆黒の鱗に丁寧にブラシをかけて身体の汚れを落としてやると、ディートリンデは身を丸めたまま、気持ち良さそうに鼻を鳴らした。
静かな厩舎内にブラシを掛ける心地良い音が響く。
しばらくすると、無心に手を動かし続けるセイジに、ディートリンデが訊ねた。
「しかし今朝の慌て様。お主、妾がお主の愛しいおなごを喰い殺すとでも思うたか?」
ディートリンデの問いに、セイジは「まさか」と鼻で笑う。ブラシをかける手を止めて黙り込むと、くぐもった声でつぶやいた。
「……礼を言われた」
「ふむ」
「願いを叶えてくれてありがとう、と」
別れ際にマナが口にした『願い』が何のことを指していたのか、セイジにはわからない。
リンデガルムを訪れたマナの願いを、セイジが叶えたことなどあっただろうか。
我が儘や頼まれごとなら幾度か聞き入れもしたものの、それらのことは、今更改めて礼を言われるほどのものではない気がした。
「もしかしたら……」
セイジの碧眼が見開かれる。
黙って様子を窺っていたディートリンデが、言葉の先を促すように首を傾げてみせた。
だが、セイジはゆっくりと首を振り、ふたたび思い詰めるように目を伏せた。
「……いや、なんでもない」
もしかしたらマナは、彼女の記憶に残るセイジと同じ名前の男が、生まれ変わる前のセイジ自身であることに気付いたのかもしれない。
彼女が口にした『願い』とは、ラプラシアで再会を果たしたあのときにセイジが叶えた、生まれ変わる前の彼女の願いのことだったのではないか。
だが、セイジにはそれを確かめる術がない。
前世や生まれ変わりといった言葉は、簡単に口にできるようなものではない。
妄言や虚言と取られがちなその言葉を易々と口にしてしまえるほど、セイジは浅はかな人間ではなかった。
「しかしわからぬ。先刻、お主本当はどういうつもりであの娘を連れ出したのじゃ。妾はてっきり、駆け落ちでもするのかと思うていたのに」
生来の感情的な性格をいつも自制していたセイジがついに腹を決めたのだと、ディートリンデは内心高揚していたようだ。
溜め息を漏らすディートリンデに見向きもせずに、セイジはブラシを持つ手を動かし続けた。
「……わからん。ただ、彼女が一言『攫って逃げて』と口にしてくれていれば、喜んでその言葉に従ったと思う」
婚姻の儀式が執り行われる、その前日に、マナは婚約者であるセイラムではなく、セイジを選んだ。
厩舎で言葉を交わしたあのとき、セイジはそう錯覚してしまった。
冷静になって考えれば、あのとき、マナはもう一度聖域に行きたいと言っただけで。 ふたりきりでのひとときに安らぎを感じていたのは、セイジだけだったかもしれないというのに。
その可能性に気付くこともできないほどに、あのときのセイジは舞い上がっていたのだ。
「愚かな。それほどまでにあの娘を想っているのなら、セイラムとの誓いに捉われたりせずに、当初の予定どおりこの国を棄ててしまえば良いものを。お主はあの娘のために妾と契約し、生まれ変わったのであろう?」
昔から変わらない、愚かで優しいこの王子が、いつの間にか自分の願いすらもわからなくなってしまっていたことに、ディートリンデは気付いていた。
幼いセイジが王位継承権を放棄した理由は、なにもセイラムを気遣ってのことだけではなかったはずだ。
いずれ再会を果たす愛しい者と、国や身分の違いに捉われることなく自由に生きるために、あのときセイジはリンデガルム王家に関わる全ての権利を手放した。
まさか、運命のその相手がラプラシアの王女として生まれていたとは思いもせずに。
そして今、セイジは本来得るはずだった権利を手放したまま、義務だけを律儀に果たそうとしている。
「……彼女は自分の意思で、国のために兄上との婚姻を決めた。私は彼女の幸せのために、今後も変わらず、彼女と兄上をお護りする。それだけだ」
溢れる感情を押し殺すように、セイジは淡々と言い切った。
――その『彼女』が何度もお主に伝えた想いは『彼女の意思』ではなかったのか。
口にしかけたその言葉を、ディートリンデは胸の奥にしまい込んだ。
セイジは優しすぎた。
兄王子の望みも国の未来も全て投げ出して、強欲に自分の欲する未来だけを求めることだってできただろうに。彼には、それができなかったのだ。
しんみりとした空気を払い除けるように大きく息を吐き、ディートリンデは殊更明るく告げる。
「それにしても、お主の想い人は随分と切り替えのはやいおなごだのう。さぞかし寂しかろう」
「そうでもないさ。これでようやく、心から兄上の結婚を祝うことができそうだ」
「それは良かった。明日の宴が楽しみじゃ」
「相変わらずだな、ディートリンデ」
やれやれと肩を竦めるセイジに、ディートリンデは愛おしげに頬ずりをした。
何やら城のほうが騒がしい。
明日の婚姻の儀式に参列する諸外国の要人たちが、城を訪れはじめたのだろう。
「さて王子、仕事の時間だ。お主の大切な者達のために、客人をもてなしに行って参れ」
茶化すような口振りでそう言って、ディートリンデは鼻先でセイジの背中を押した。
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